50 信頼は桜の力に変わり
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借り物競争を終え、一度退場して次の完全推薦型競技『リレー』の準備を担当の生徒がしている間、私達出場選手は水分補給だけして再び入場口に並んだ。
各団の得点が入る競技はこれで最後。現時点の一位は緑団で、二位は青団、三位は黄団、赤団に白団と続く。緑団には地道に点数を稼がれ、私達青団はこのリレーで一位を取っても点数が並ぶだけで、一位にはなれない。だから優勝するにはリレーで一位を取って、閉会式で発表される特別賞で緑団よりも多く賞をもらわなければならない。
特別賞に関しては本当に何が対象になるか分からないから祈ることしかできないけれど、とりあえずまずはリレーで一位を取る。これだけを目標に頑張るつもり。
もちろん他の団に逆転される可能性もあるから、そこは注意しなければならない。最初から最後まで気を抜かずに頑張ろう。
「みんな、私と咲良のバトンパスの件なんだけど、どうするのが最適だと思う?」
「そうですね……やっぱり伊島先輩が瑠衣先輩に合わせるのが確実でしょうけど、多く練習していたのが瑠衣先輩の方が合わせるパターンなので何とも……」
「どちらにしても、私達はお二人に全力でバトンを繋ぎます。どんな結果になっても構わないので、先輩達がやりたい方に賭けてみては?」
そうだね……私達、実はまだバトンパスのやり方が確定していなかったんだよね。一応私が慣れてきていたから藍那に合わせるパターンで練習していたけれど、まだ成功率は低い。私と藍那なら直前でも変更できるだろうけど……
「藍那、私はずっと練習していた私が藍那に合わせるパターンでやってみたい。藍那は最初から全力を出して」
「……いいの?」
「うん。大丈夫、私ならできるよ。本番には強いからね! だから私を信じてみてくれない……?」
「もちろん、咲良ができると言うのなら。咲良の自分に自信があるところ、前にも言ったけど好きだな!」
「私もです!」
「予言しましょう、きっとこのリレーは先輩達の晴れ舞台になります!」
ふふ、それは嬉しい予言だな。それに仲間が信じてくれている状況というのはすごく心強い。ただの期待とは違う、一緒に練習してきたからこその信頼。
いいでしょう。この瑠衣咲良、私と藍那だけでなく青団全員の晴れ舞台にしてみせます────!
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