39 緑が魅せるは桜影
今年も開会式は例年通り開式の辞、学園長や生徒会長からの挨拶、選手宣誓などを行った。ありがたいことにこの学園の園長先生は話が長くないタイプで、生徒会長である真紀ちゃんも同じく大切なことだけ伝えて終わってくれるので開会式は比較的早く終了した。
私達生徒は一旦テントに戻り、これから応援団のみグラウンドの中心に出て演舞を始める。蓮くんは最終確認のため、青団応援団の生徒達を集めて何やら話しているみたい。
「咲良、最初に出る競技は?」
「えっとね……私は綱引きかな? でもプログラム四番だからもう少し後だよ」
「了解、ありがと! 演舞が終わったら一年生学年別競技の玉入れだから、とりあえず中盤くらいまでは一緒にいよっか!」
「そうだね」
大体だけど、自分が出場する一つ前の競技が中盤くらいに差し掛かったら入場口に移動することになっている。今年の桜華学園体育祭のプログラムは開会式と閉会式を合わせて十三番まである。とは言っても学年別競技、選択種目、推薦競技、部活動リレー……あと、応援団の演舞がある人もいるかな。だから出場するのは多くても一人あたり五種目くらいになる。
私は三年生の学年別競技『借り物競争』と全学年男女選抜競技『綱引き』、完全推薦型競技『リレー』の三種目に出場する。どれも定番の競技だから、ルールは説明するまでもないと思う。
「────プログラム二番、『応援団演舞』です。応援団の生徒は準備をしてください」
放送委員からのアナウンスだ。もう始まるね。いつの間にか青団の応援団メンバーもいなくなってる。
アナウンスから間もなくして、全学年の一組である緑団の演舞が始まった。太鼓の音が鳴り響く中、全員共通の学ランに緑のハチマキ、同じく緑の扇を二枚持っている。加えて、団長は自分の団の色の法被も着る。他の人よりも豪奢で目立つ衣装。この時期にあの衣装は暑くて大変だろうけど、練習の時と違って体操服ではないから立ち姿もかっこいい。
緑団は大きな円になって外側を向く、という配列にしたみたい。おかげでどの位置からでもよく見える。円形を生かしたパフォーマンスは一人ひとりが演技をするというより、全員で一体となったまとまりのあるものだった。それでいて掛け声や激しい動きは少なく、そんなところもまたギャップになっていい味を出していると思う。
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