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硝子の心情
儚きの旅人は、言葉を綴る。
名前はありきたりだから…
猫が好きだとしようか…
彼は今、色んなものを世界で構築させていた。混沌たるものを抱きながら…
有象無象を綴る。
言葉とは、時として刃になることもある。
だが、時として美しさを生むこともある。
この美しさを、彼は孤独ながらに愛していた。
なればこそ、自分の中にある意欲たるものが、現状、文字だけの世界にはないのだから、困ったものである。
常に誰かのために命を削ることをしなくなった。
つまり、未完のままで、終わらせてもよいのだと…
だから、道端はボロボロで、それこそ、
作ったものすらも冷めてしまうほどに
空虚な構造物をなす深層心理に終わる。
今一度塔を登ろうかと試みて、
儚きの旅人は星を綴って夢に笑った。