『道隆、愛酒愛速記のこと』速記談2059
関白藤原道隆公は、速記をごらんになるのと、その後の酒宴が大層お好きだった。賀茂速記競技会をごらんになった後、お酔いになって牛車の中ですっかり寝てしまわれ、胸にお指しになっていたプレスマンが、かたわらに落ちていた。ようやくお目覚めになって、牛車を降りるとき、プレスマンのクリップのところで、鬢をおかきになると、とても寝起きには見えないほど見事に整った。
速記競技会を終えた後の按察使の大納言藤原朝光や、大納言左大将藤原済時と酒宴に臨むのが特にお好みで、極楽往生しても按察使や左大将がいなければ、往生しがいがないなどと軽口をたたかれていたそうである。
教訓:道長が天下をとったので、道隆は悪く言われがちだが、酒と速記が好きな人に悪い人はいない。根拠はない。