48 大蛇戦闘の終幕
固有魔法、『切断の空間』の準備は整った。
あとは、挑発するだけ。
「ねぇ! そこの大蛇さん! このままだったら、食う側であるあなたは、食われますよ……。私たちに」
目の前にいる大蛇の体長なら、俺たちはあっという間に食われるだろう。多分、そう。多分だが大蛇は人間を食うことに誇りを持っている。なら、多少酷だがその誇りに少しの傷を与えよう。
『シャーーーーーーーー!!』
(予想通り!)
俺の先程の発言により、大蛇は勢いを増し、俺に向かって口を開けている。おそらく、俺の発言にプライドを傷つけられた大蛇が、俺を食おうとしているのだろう。
だが、その瞬間を俺は待っていた。
「固有魔法………———発動!!」
俺がそう言うと、準備完了した固有魔法『切断の空間』が発動する。
動くとどんなものでも切る……スキル。止まることができず、そのまま俺に向かってくる捕食する攻撃。それを見込んで空中に切断の糸を張り巡らせていたのは、よかった。
———ズサッ!! ドス!!
『切断の空間』の空間に入った大蛇は、そのまま張り巡らせた糸によって切り刻まれる。首が切り落とされ、先ほどまで勢いがあった体はそのまま地面に落ちる。
だが、まだ体は僅かに動いていた。
(え!? まだ動くの!? 頭ないのに……)
体は動いていたが、咄嗟にアンナさんがトドメを刺す。血は出るが、なんとも気持ち悪い。緑色の血が溢れ出していた。
「このまま封印します。二人は下がっていてください」
「ん、了解」
「はい、わかりました」
この大蛇の封印は、この子がする様だ。名前が分からんから、このままで呼んでいるが。
手から暖かな光が出現する。下から風が吹いているのか、髪が上へと靡いていた。
そしてその姿は、なんとも言えなかったが、表すとしたら“神秘”的。そのものだった。
「ふぅ……。これで完了です」
白い球体が大蛇を包み込んだ。その球体は、どこかへ消えていく。
その瞬間は異世界へ来た時、魔法を見た時と同じだった。心が躍る……?
いや、違う。これはまさに心を奪われる。そう言ったほうが正しい。
「ありがとう。狐っ子少女……あー、じゃなくて。名前を知ってないのは、困るな……」
その子に礼を言った。だが、名前は分からなかったから、その子呼びとなる。
名前を言っていなかったことを気づき、その狐少女は俺たちの方を向き、名前を告げる。
「教えてませんでしたね。私は“ミラ”
ありがとうございます。ここまでしてくれて」
満面な笑みを浮かばせた。“ミラ”とは可愛らしい名前だ。多分。
とにかく、これで名前呼びをすることができる。だが、何故か寂しそうな笑みをのちに浮かばせた。
何故だろうか?
そのこと追求したほうが、良いのかどうか。だが、俺は追求しなかった。
のちに湖に生えていた神聖な薬草を取る。
光る薬草………じゃなくて、花。花に似ているが、名称は“神聖な薬草”だと。
(………ホタル?)
花の蕾の中から、蛍が出てくる。どうやら、この青白い光は蛍の光の様だ。
まさか異世界で蛍が見れるとは思っても見なかった。だが、この時だけは何故か。安心できる。
今の今までいろんな魔物だとか、そう言うのを見てきたせいかこう言う夜に飛ぶ蛍がどうも、前世を思い出させられる。
全部、自分から突っ込んだんだが……。
だが、まだ終わっていない。
「ねぇ、ミラ。その調合師の友人は……」
「多分、まだ捕まってる。だから、助けないとお母さんは……」
やることは多そうだ。と言うわけで、今度はミラの友人の調合師を助けること……か。
その友人もあの侍どもに捕まったいる様だから、なんとかしないと行けなさそうだ。
それに、あの侍どもは自分の欲望に忠実……。色んな女性の味を占めていると、ミラは言っていたし。
ミラ自身、何度もされた様だった。なんて最低な奴らなんだ。
やって良いことと悪いことがあるだろ。
♢♢♢
ヴィーゼたちが湖で神聖な薬草を拾っている最中、同時刻で狐っ子の少女———名前がミラだと判明し、そのミラの友人は侍どもに監禁されていた。
ミラを襲った侍たちの一味どもは、その部屋でミラの友人である、アイヴィーは手足を拘束されていた。
「おい、まだあいつら戻ってこねぇのか?」
「そうみたいだな。部下に様子を見させてこよう」
「あぁ、しっかりと味を占めねぇとだからな」
「そうだな。あの、ミラとか言う女はいい女だからな。肌も綺麗だし、何よりあのふわふわな尻尾が堪らん。まぁ、こいつもかなりいい女だとは思うがな」
「あぁ、そうだな。二人でこいつの味を占めてやろうぜ」
侍の男二人は、アイヴィーの着用している服を、少しずつ脱がしていった。
抵抗することもできず、為されるまま。あまりの怖さにギュッと目を閉じてしまうアイヴィーをいい事に、刀を持っていない男は、アイヴィーを後ろから近づき、支える。
そして前にいる男は、ニヤニヤとしながらゆっくりと服を脱がしていき、等々下着が姿を表した。
「くくくっ、おいおい泣いちゃってるぞ?」
「おいおい、お前もう少し丁寧にしてやれよ」
「仕方ねーだろ。まぁ、どっちにしろヤっちゃえば良いだけさ」
不敵な笑みを浮かべながら、泣いているにも関わらず、少しずつ脱がす。それによって羞恥心をじわじわと溢れ出してくる。
(いやだ………)
「くそっ、全然脱がせねぇじゃねぇか」
「一気に脱がせばいいだろ?」
「はっ、それもそうだな」
———ビリビリッ!!
一気にアイヴィーが来ていた服をぶち破り、下着と肌だけが見えている状態であった。
アイヴィーの目元には大粒な涙。地下深くにある一室なため、どれだけ助けを求めても誰も来てくれないほど深い場所。
(ミラ……あなたは………無事なの?)
自分の視界に入る男の顔を確認しながら、友人のミラの心配をする。
アイヴィーも知っていたから。ミラも同じく、この侍どもに弄ばれていることを。だから、心配な思う。
何回か、同じことを同じ部屋でされたから。
(ミラ………もし、あなたが無事なら………私は………)
仲のいい二人は姉妹の様に思い合っている。
———だけど、いくらミラでもアイヴィーがいる場所なんて、分かりっ子ない。
———どうしたらいい?
そんな言葉でミラの心中は埋め尽くされる。
読んでくださりありがとうございます!
この話を気に入っていただけた方、少しでも「面白そう」と思ってくださった方は、ブックマークと広告の下にある評価をお願いします!




