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おっさん転生〜異世界へ転生したおっさんは、かっこいい幼女になりたい〜  作者: 猫屋敷
四章 元おっさん、和の国【皇御国】へ
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44 敵本拠地、突入

目を覚ましたヴィーゼはアンナと合流した。アンナ自身、ヴィーゼの姿が見えなくなったとき、何か嫌な予感を感じていた。ランスたちにバレないよう、ひっそりとヴィーゼを探していると、気を失ったヴィーゼを見つけた……と言うのが、始まりである。


(ここから先、ルアの魔力が反応している)


辿り着いた場所は、洞窟の中。真っ暗で灯一つ灯さないと足元見えないぐらいの暗さ。

ここにいるのだとしたら、反響で来ていることがバレそうな予感がする。


(………それにしても、あいつは何者なんだ?)


ヴィーゼは気を失う前のことを、ふと思い出す。周りからは「兄貴」と呼ばれてた奴は、突然姿を現し、突然頭を殴ってきた。


その痛みは未だに残り、何度か殴られたであろう後頭部を触る。触ったと同時にその痛みは走った。

激痛……とまでは言えないが、確かにその痛みは感じ取れる。


微かに姿形を見たあのガタイのいい男———。

あの侍たちから慕われているような雰囲気を醸し出していた。


今は『魔力探知』でなんとか探し、目的場所に辿り着くことができた。だが、明かり一つない。このまま行くのも良いのだが、バレる確率は高くなるだろう。


(いや、でも待てよ?)


あえてバレる———と言う方法もある。

それなら、それに賭けるしかない。そう、ヴィーゼは考えている。


(うし、ふっふっふっ……それしか方法はなさそうだな)


少々危険なやり方ではあるが、あえてバレると言う策略。一つの戦略とも言える。

早速、実行開始だ———。







———ドッカーーーーーン!!






「な、なんだ!?」

「チッ! 良い所でなんだってんだ!!」

「おい! 誰か見てこい!!」

「おい、行くぞ!!」


突如の爆発音が鳴り響く。洞窟にいるだけあり、反響音が酷い。音に釣られ、男ども3人は飛び出していく。だが、もう一人の男———「兄貴」と呼ばれる存在は未だに残っていた。


(チッ、誰だ……? もしかして、あいつか? あのガキが……。チッ、だから息の根を止めておけばよかったものを)


(………何? 一体、誰が)


残った二人も混乱している。一体、誰が。どんな方法で。

だが、狐っ子の少女は誰がやったのか、検討もつかない。頭の隅にヴィーゼの姿を思い浮かべていたが、「見ず知らずの自分を助けるはずがない」と思っているから。


彼女自身、どれだけ人に疎まれているか知っている。皇御国での扱い方は、自分がよく知っている。お金を稼ぐためには、汚れ仕事を買うしか方法はなかった。


連れ去った侍たちのように、相手の欲望に従うしかなく、助けを求めても誰も助けてはくれない。だから、ヴィーゼが助けに来ることなど、知りもしないだろう。




———1つの、謎の光が一縷に光っているとは、露知らず。



♢♢♢


(作戦成功……!)


何とかして敵の本拠地? に辿り着くことが出来た。雷を投下して、爆発を起こさせ、そしてその隙に助けに行く。と言うのが寸法である。

さて、これで全員はいなくなったはず……。


そういう思いで来たのだが………。


「あ?」

「え、」

「………………………まじか」


「兄貴」と呼ばれた存在が、普通に居た。普通にそれは想定外でした。


「ヨォ、お嬢ちゃん。何か用かな?」

「………道に迷って」

「そうかい、なら、おじさんと一緒にここを出よう」

「うん!」


と言う子供のフリをすれば、なんとかなる……はず。

もう既に使役の準備は整っている。レベルが60に上がったことにより、使役できる範囲も広範囲に広がることが出来た。


この目の前の男にバレないように、使役できる手の甲を後ろに隠し、子供のフリをする。


「ふっ」

「あぁ?」

『ウォーーーーン!!』


聞き覚えのある鳴き声が、威嚇しているような声で発せられる。その声を聞いた「兄貴」と呼ばれる存在は、あたりをキョロキョロとし始めた。

だが、本来は後ろから———と思うだろう。


けど、ルアは前からやってきた。それは———。


「な、どこから来やがった!?」

「———空間移動テレポートだよ。おじさん」


今俺はきっと、良い笑顔をしているだろう。ルアにしか聞こえないように、魔物使役(モンスター・テイマー)にしかできない芸当、使役した者たちと会話をすることだが、それでルアに言った。


『遊んで欲しいんだって』

『了解です!』


このガタイのいいおじさんを、ルアに任せ俺は狐少女の元へと行く。


「大丈夫?」

「………………」


驚いた表情をしながら、俺を見ていた。だが、この子の瞳にはたっぷりの涙と、涙を流した後の線が頬に伝っていた。


これほどまでの涙。おそらく、玩具にされかねなかったのだろう。

何とも悪党だ。


俺は「もう大丈夫」と言う思いでその子を抱きしめる。無意識的なのか、その子も俺の背中に手を回し、ギュッと握っていた。


「もう平気だからね」


その意味も込め、頭を丁寧に撫でる。頭がめちゃ柔らかかった。いつまでも触っていたい。それは今はどうでも良いとして、その子を立ち上がらせ、あのおじさんの方を見る。


「ぬわぁあああああ!!! やめて!!」

『ガルルルッ!』

「いやぁあああああ!! 許してーーーー!!」

『グルルルルル!!』


もう一度俺は、ルアと喋る。


『もう平気、帰ろう』

『分かりました!』


俺がそう言ったため、ルアはおじさんとの追いかけっこ(遊び)を中断し、俺とその少女はルアの上に乗る。

ルアに所々噛まれているせいか、おじさんが来ていた服が所々破けていた。


(ありゃりゃ。まぁ、仕方ないよね。女の子を自分の欲望のためだけに使うのは……。そんなの性犯罪者と変わらなさそうだし。そんなのただの強◯まがいよ)


ちょっとだけあの光景のおじさんを見て、ほんの少しだけスッキリした。


うん、無理矢理、ダメ、絶対。


アンナさんはと言うと、爆発音で釣られた侍たちの処理をしてもらっている。あ、間違えた。処理じゃなく、対処。





♢♢♢




何とか洞窟の方を出て、アンナさんと合流しようかと思いきや、洞窟の方から怒鳴り声が聞こえる。

その方向に咄嗟に向くと、先程のおじさんが追いかけてきていた。


(えー、まじか。どうする? ここにはアンナさんはいないし……。仕方ない、この子はルアに任せて、いっちょかっこいいところを見せますか!)


「オイ、コラァアア!!」


『ルア、この子頼める?』

『分かりました!』


再びルアに話しかけ、俺はルアの上から降りる。そのおじさんの元へと近づこうとしたところ、誰かに服を引っ張られた。


「……ん?」

「あ、いや、えっと……」


その狐少女の顔はとてもじゃないが、不安な顔をしている。この子にどんな事情があるのか。それは未だにわからない。分かっているのは、お母さんが倒れたぐらいしか。


だが、何故だろう。この子は、放っておくと何か危険なことをやりかねない。


「大丈夫」


そう言い捨て俺の服を掴んでいる、その子の手を振り解いた。

さぁ、行きますか。そんな小物はあっ! っと言わせてやんよ!!


目指すは瞬殺!!

読んでくださりありがとうございます!


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