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23ー2 旧王都の調査

旧王都にいる無数とも言えるぐらいの、魔物の数々。魔物使役モンスター・テイマーなはずなのに、どうしてもこのぐらいの量は、使役することができない。

たしか、俺のステータスは……。


思い出そうとすると、ギルドカートを押していないはずなのに、何故かステータス画面を見ることができた。

ギルドに入るとこうなるのか?それとも……。いや、考え込んである暇なんて、与えてくれるはずがない。

次から次へとやって来る魔物の数で、完全に押し切られていた。最悪とまで言えるこの状況…。


【名前】ヴィーゼ

【種族】森の民

【状態】出血

【レベル】28

【HP(体力)】192/200

【MP(魔力)】350/500

固有魔法(スキル)

魔物使役(モンスター・テイマー)

・鋼線


体力が先程ので削ぎ落とされた。

2人に怪我はないようだが、このままではどっちにしろまずい。状況に変わりが訪れる際には、何かをしなきゃいけない。


(ふぅ、この絶望的な状況……。報酬たんまりくれないと、割に合わねえよな)


ローズとカメリアにしか聞こえないようにし、伝える。


()()()()()()()()()()


と。


それに頷き倒した2人は、地面を思いっきり切り、魔物との距離を大幅に詰める。


ヒューー! シャキン!ドカッ!ドカッ!


そんな音が聞こえている時、俺は2人に魔法をかける。強化アップの魔法だ。身体能力を通常より四倍に上げ、筋力、脚力、体力を2人の通常より上げ、一気に運動神経が良くなる。


「はぁぁあ!!」

「えぇえええい!!」


一回の地面蹴りでも高く飛べるぐらいまで、脚力がアップし、筋力もアップしている2人である為、振り下ろされる力は、通常より四倍…。

一気に切り刻むことができると言うわけだった。


(よし、これで大幅は倒せた! あとは俺の魔力を注ぎ込んで……!!)


俺も反撃の準備を行う。魔法陣を空へと生成させ、そこから空間ができるようにさせる。

空間を用意させたあとは、魔物がいる距離を図り、そしてその空間は徐々に地面へと降り、一気に魔物達を捕らえる。

俺は伸ばしていた手を、握り込む。共鳴するかのように、その空間は自力で亜空間を用意し、旧王都の方へと放出される。


あんなにいたはずの魔物達は、一斉にいなくなり、ひとまず依頼達成だ。


「ふぅ、いつも以上に疲れた気がする」


俺にしか聞こえないようにぼやく。

もう一度ステータス画面の内容を思い描くと、やっぱりステータスを見ることができた。

どうなってるんだ?


そう思いながら、ステータスを見ると、魔力の部分が、


【MP(魔力)】19/500


となっていた。広範囲魔法は魔力量の減りが速いらしく、ほぼ枯渇しかけている。

先にギルドに報告をしてから、ご飯を食べようかと思いがらんとした旧王都を出る事に。



ギルド報告をし終わった後、俺はヘイルテさんに相談してみた。


「あの、ギルドカードを見ていないのに、どうしてステータス画面が見えるんですか?」

「それはバグです」

「え、いや違いますよね?」

「バクです」

「いやいや、え、本当にバグなんですか?」

「はい、本当にバクです」


いつものヘイルテさんと全く違う。

妙に威圧を感じ、俺はもうこれ以上は聞かないようにした。

そう、多分バク。バクなんだ、あれは(洗脳済み)


「お腹すいた〜」


カメリアがそう言っているのが聞こえ、俺はヘイルテさんの場所から去る。


時間帯は12時となり、料理店に行く事にした。

2人からおすすめの場所を教えられ、そこへ行くとthe料理店!のような場所があった。

まるで西洋風のような。そんな感じ。おしゃれすぎて場違いな感じも出てきた。


中は入ると殆ど貴族の方達がいるじゃないですか!

会った事ないが、身なりがいい人たちばかり。

俺は2人の手を掴み、そのお店から退散した。


「えぇ、あの場所ダメなの?」

「ちょっと、ねぇ。お金そこまで持ってきてない」

「なら、仕方ないね。カメリア、他の場所行こう?」

「うん! わかった!」


(ほっ、よかった)


ローズにグッチョブをし、王都にある料理店15個ほどあるお店の中から、よく庶民の人たちが行くお店の方へと足を進めた。

一度は行ったことがある場所。


「ね? ここならいいでしょ?」

「うん! あそこってちょっとだけ入りにくかったんだよね」

「うん。だけど、ランスさんがお勧めしてくれた場所だから」


さっすがランス。

場所は至って普通ではあるが、味が濃ゆくなく薄くもない、普通に美味しい料理店。

ビールはもちろん、唐揚げにサラダ。他にもシチューやグラタンなんかもある。

日本人からしたら、めっちゃ嬉しい。ビールやワインを飲みたいのだが、未成年者はダメだと言われた。


『お嬢ちゃん、未成年は飲んじゃいかんよ!』

『未成年じゃないんですけど!!』


「アハハ」


乾いた笑みが出てしまった。


「注文いいですか?」

「え、待って早い!」

「はい! どうぞ!」


メニュー表を渡してもらい、食べるものを選ぶ。

よし、決めた。


「ローズは決めた?」

「はい。私とカメリアは同じのを」

「仲良いね、ほんと」


そう思いながら、接客業の人を呼び、注文メニューを言う。

俺はグラタン。

ローズ&カメリアはお子様ランチを。


「お子様ランチ……」

「ヴィーゼさんも、お子様ランチじゃなくてよかったですか?」

「あ、うん。平気」


(お子様ランチって懐かしいなぁ)


少し幼少期の頃を思い出す。

父さんと母さんと一緒にレストランとか行った時、必ずと言っていいほどお子様ランチを頼んでいた。

まぁ、歳を重ねていくにつれ、お子様ランチを頼むことなくなったが、お子様ランチについて来るおもちゃをもらう目的で、頼んでいた時もあった。


お子様ランチの名前が出た時、幼少期の頃の余韻に浸ったが、今となっては昔の思い出。

忘れたほうが、悲しまなくて済む。


「ヘイ! お待ち!」

(お寿司屋さんみたい……)


接客業のおっちゃんにそう言われ、思ってしまった。

と言っても、俺は回らないお寿司に行ったことがないため、どうかは分からない。


ダメだ。ここにいると昔を思い出す…。


いつの間にか来ていた出来立てグラタンを口に運ぶ。こう言う時、タバスコあったらいいのにね。

とか思いながら。


「ん〜! 美味しい!」

「うん、たしかに美味しいね」

「ヴィーゼさんのも一口貰っていい?」

「いいよ、はいどうぞ」


俺はスプーンでグラタンを掬い、それをカメリアの口へと運ばせた。カメリアは自身のスプーンで取ろうとしていたが、これは咄嗟。


「………! 美味しい! 今度それ頼もうかな?」


美味しいと言うのが分かるほど、カメリアの尻尾は大きく振っていた。

帰ったら、もふもふしていいかな?


「……ローズも食べる?」


カメリアの隣で食べていたローズも、物欲しげにこちらを見ていた。

俺がそう尋ねると、少し頬を赤めてプイッと向く。


(………そう言う年頃じゃないとか?)


ローズやカメリアは、意外と身長が高い。俺よりも。そのため、それをやられるのが恥ずかしかったのだろうか?


(と言うよりさ。これ俺がおっさんのままで異世界に来てたら、多分不審者)


と、体型は気にしたほうがいいと、俺は思い始めたのであった。



〜おまけ〜


(私も食べておけばよかったかな……)


少し恥ずかしがり屋な、ローズはその事を多少。ほんの多少だけ後悔していた。


(ん〜!グラタンやっぱ美味しい!)


ヴィーゼはその事を知らないらしいが…。

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