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交番襲撃事件を考える

作者: 文月優

こんばんは!ある方が活動報告で誰か書いてーと仰ったのを見て、興味があったことも手伝って書こうかなぁと思い書きました。内容が内容だけに面白半分で書いてません。真剣に書きました。なので、ちょっと退屈かな...。今回は考察ですので、暗くなります。重いの苦手だよーって方は折角来て戴いたのに申し訳ないのですが、ブラウザバック推奨とさせて頂きます。

 世を震撼させた大学生による交番襲撃事件。犯人は複数の凶器とモデルガンを携え、午前4時に交番を襲撃した。この時彼は殺害した警官の他に少なくとももう一人の警官がいることは把握していたはずであり、実際この交番には彼らを合わせて4人の警官がいたという。内2人は仮眠中だった。なぜ彼はこの状況で警官を襲撃したのだろうか。銃が欲しかったのだろうか。拳銃を奪って他の場所で使うつもりだったのか。何をしたかったのは彼が死んでしまった以上、もうわかることはない。ただ、屈強な警官相手だ。銃ほしさに立ち向かうだろうか。訓練も受けていない一般の文系大学生が、である。しかも当時は午前4時とはいえ、上記に述べたように他の警察官も駐在していた。一人は倒せたとしても、事が成功する確率は限りなく低いと考えられる。一般の判断能力がある大学生なら、銃目的に複数の警官が常駐する場所は狙わないはずであり、そもそも交番を狙うこと自体おかしい。銃が欲しいなら実現可能性は置いておくとして、ダークウェブを用いて手に入れるか、海外から部品毎に手に入れて組み立てるか。考えれば他にも方法はあるだろう。そちらの方が成功する確率は高い。彼は大学でも上位の成績を取っていたみたいだし、考える能力はあると私は思う。上記の考えから拳銃ほしさに交番を襲撃したという線は薄いのではないか。


 では他にどんな理由があるのだろうか。例えば彼が交番を襲撃したのは『自殺』をするためであった。こんな考えはどうだろう。私にはこの考えの方がしっくりくる。彼の顔写真や周辺の声を調べてみた結果、特に素行の悪さが取り上げられているということもなかった。これから出てくるかもしれないが、以下は現状況での考察である。彼は周辺の人からの評判も良く、猫を可愛がり、大学では同級生に優しく解らない所を教えてあげていたそうだ。ただ他人とはつるまず、常に単独行動をしていた。歴史学を専攻して、「近現代の軍隊の変遷」についての卒業論文を書こうとしていた。これは別に歴史学を専攻しているなら許容の範囲でおかしくない。バイトやサークルや何らかの活動をしていたのかは解らないが、一人で行動の部分に焦点を当ててみたい。私も基本単独行動をしているが、いつも一人で行動していると、考える時間が一杯ある。当然世の中の不条理にも目が行くし、嫌な面も目についてくる。調べれば調べるほど、怒りが蓄積していくのだ。そのドロドロとした怒りはどこに向かうか。普通の人なら他人と交流したり、趣味をしたり、運動したりして発散する。いつも独りで胸の内を明かす相手がいなかったり、趣味がなかったり、運動する習慣のない人の場合はどうなるか。そう、ジワジワと自分の内に溜め込まれていくだけだ。ドス黒い感情はドス黒い思考を引寄せ、おかしい考えをおかしいと認識できなくなる。考えれば考えるほど視野狭窄に陥り、突発的な行動に出やすくなる。止める者はいないし、そもそも誰も自分の心の内に入れないからそうなっているわけで、自力での改善は望めない。自分の考えが正しいと思い込み、世の中への恨みにしか目がいかなくなる。健全な人には跳躍した彼の思考は理解できないし、いきなり行動にでたように見えるだろう。ただ彼の心にはずっと蓄積されてきた感情があって、それが何らかの切っ掛けで噴出しただけなのかもしれない。溜め込んでた分、とんでもないことになってしまった。ただそれだけのことだ。彼に同情する気は全くない。同情する気はないが、悲しいことに間違いはない。

 襲撃して取り返しのつかないことをしたとき、彼は一瞬正気に戻ったかもしれない。私がこう考えるのは、駆けつけてきた警官が発砲の警告をするだけの時間があったという違和感から生じている。普通なら見た瞬間に飛びかかった方が成功する確率は高い。なのにそれをしなかった。結果的に飛びかかったのは警告が成された後だ。自分のしたことに気づいた時には全てがもう遅かった。だから撃ってもらうために間をあけて飛びかかったのではないか。ただの憶測にすぎないが、もしそうならこれは「自殺」といえるのではないか。今となってはもう知りようもないが、私は彼の心情には興味がある。彼の行ったことは最低の行為で、殉職された警官にもそのご家族にも、そして社会にも大きな悪い影響を与えた。弁明の余地はないし、彼は人として決定的にしてはいけないことをした。ただ、こうも思うのだ。こんなことをせずに彼が生きていたら、彼は将来どんな大人になって、どんな活躍をしたのだろうか。そんなことを考えてしまう自分もいるのである。殺人者を弁護する気は私にはない。私は他人に意図的に害を与える人が嫌いだし、人の不幸を生きがいにする人はもっと嫌いだ。ただ一生懸命生きている人は嫌いでは無い。彼のような人をださない為に、我々はなにができるのだろうか。それを真剣に考えていかなければならない。


長かったですね。すいません。重くて、悲しい事件だと思います。途中まで読んでくださった方も、最後まで読んでくださった方もありがとうございます。皆さんはどう考えてますか。もし良ければ聞かせてください。この問題は様々な意見があって然るべきだと私は思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 事件のことを十分に知った上で書かれてあり、そこいらにあるようなただの妄想の類でないことがすぐにわかります。特に自殺論については、納得させられました。 [一言] 情報を十分に集めた上での執筆…
[良い点] 学生の立場からの発言、貴重だと思います。 [一言] 腹を据えて根気強く文章が綴られており、かつ具体的で分かりやすい。その辺の無難な評論よりもかなり読みごたえがありました。 事件そのものは犯…
2018/10/01 08:06 退会済み
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