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True Story  作者: 紅龍黒椿
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初クエスト ~森にて~

 王都から森まで何もなかった。不気味な程に…。

「なーんにも起きないですね」

「最近何か変わったことが起きてるとか聞いてない?」

「生態系が少しずつ変わってきてはいるって聞きました」

 なるほどな。それだとこの辺に何もいないのが不思議じゃないのが当たり前に感じるのか。

「ここみたいですね。コウちゃん、おとなしくしててね」

「クルル」

 肩の上でのほほんとしているけど、シュネはなにかを威嚇しているようだけどこの2匹はなんなんだろうか。

 森の中に入ってみると何かが違う。神隠しの森に入った時とは何かが違う気配がある。

「リョウ様。この先に何かがいます」

「そっか。なら警戒するか」

 ストレージから弓と剣を出した。

「どっちがいい?」

「弓のほうが慣れてるので」

 なるほどね。というか、ミーシャのステータス確認してなかった。このクエストが終わったら確認してみるかなぁ。

 ミーシャに弓を渡して、嫌な気配がする方へと進み始めた。

「……………」

「なんか聞こえたよな?」

「気のせいではないかと」

 そうか。だとすると、この先に人がいるってことだよな。

「急ごうか」

「はい」

 森の中なのに走るとか勘弁してほしいのにな。枝が刺さって痛いんだよな。


「なんでこんな森にいるのよ」

 私は、とある冒険者とパーティを組んでいたんだけれども、意見が合わなくてパーティを抜けて、この森に入ったのだけれども…。

「森の巨熊(フォーベア)がいるなんて聞いたことないわよ!?」

 森の巨熊はランクAA。この森の主ですらランクAだっていうのに。

 どうしよう。私のランクだと上手くいけば倒せるのだけれど、最悪……。

「きゃっ!」

 根っこに足をとられた!?普段の私には考えられない失態だわ。

 追い詰められた私の耳に、男性と女性の声が入ってきた。幻聴かしら?


「おー。でかい熊がいるぞ。ミーシャ」

「感心してなくていいので、あの人を助けましょう!」

「分かってるよ。でてこい、キサラギ」

『…いきなりあれと戦えと?』

 お前に睨まれると殺されそうで怖いんだけれども。

「睨むなよ。それに、まだ何も言ってないだろうが」

『それもそうだけど…』

「あの女を守ってればいいから」

『分かった』

 まったく。まだ傷が完治してない奴に戦わせるとか馬鹿なんじゃないのか?

 さぁてと、初めてのクエストがこんなにも面倒だなんて思わなかったな。

「強いのかな?」

 鑑定を使ってみると…。


 森の巨熊(フォーベア) ランクAA レベル55

 成長の可能性なし 状態 怒り

 弱点 首、火

 スキル

 爪攻撃 Ⅸ 咆哮 Ⅳ 威圧 Ⅱ 憤怒の瞳(狂暴化)


 へぇ。魔物どもが使うスキルって面白そうなのが多いんだな。

「スキル奪って殺すか」

 シーフスキルで全部奪ってからミーシャと一緒に、森の巨熊に向かう。

「一応、弱らせてるから勝てると思うけど、気を付けてくれよ?」

「了解です!」

 本当に大丈夫かな?ちょっと危ないような気もするんだけれども。

「リョウ様!もう少しで倒せそうです。止めを!」

「はいよ」

 軽くジャンプをして、熊の首を撥ねた。うわっ、血がたくさん出てるよ…。気持ち悪い。

 なるべく見ないように、ストレージの中にしまい込む。


「大丈夫ですか?」

「えぇ。貴方たちは?」

「キサラギ、お疲れ様」

 カードの中に、キサラギを戻してから彼女の問いに答えた。

「ギルドのクエストで、この森の調査に来たんだけど…この様子だときついな。一旦引き返そうか。俺の名前は、リョウ・ヨツヤでCランク」

「私はリョウ様の奴隷で、ミーシャと申します。同じくCランクです」

「そう。助けてくれてありがとう。私は、ヨウコ・シシナギ。Bランク」

 俺たちより一つ上なのか。

「ギルドに戻って報告しよう」

 このままだと、俺たちの手には負えないような気がしてならないんだ。

 彼女の意見は無視して一刻も早くギルドに報告に行かないと!

スキルレベルに関して変更しました。

レベル2 → Ⅱ という感じに変更しました。

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