冒険者ギルドにて
「しまった。テオドアさんに道を聞くの忘れてた」
「ご主人様って、やっぱり抜けてますよね」
「うっさい。後、ご主人様って言うな」
なんかムズムズする。
「分かりました。リョウ様」
「それでよし」
さてと、どうやってギルドまで行けばよいのだろうか?
「リョウ様。ここから、20分程度歩いた先に冒険者ギルドがあるそうです」
「さんきゅー。行こうか」
いつの間に聞いてきたのだろうか。俺が軽く頭を抱えてたから、呆れて聞いてきてくれたのだろうな。
ギルドに着いた。何事もなく無事についた。
「ようこそ。冒険者ギルド『イグニス』へ」
「登録に来たんですけど」
「そうですか。でしたら…あそこでボケらーっとしてる女性のところに行ってください」
「ありがとうございます」
ここにも門番さんがいるんだ。…ってそんなわけないか。ばれないように、鑑定を使ってみる。
カミト・ソウジ レベル41
職業 冒険者
スキル ???
レベルが足りない為、表示できません。
門番さんではなく、冒険者の方でしたか。バイトでもやってんなのかな?
「すみません。登録に来たんですけど」
「ん~。ちょっと待ってねぇ」
やる気が感じられない。本当に、ギルド職員なのだろうか。
「あらら。カミトくーん」
「何でしょうか。ポケポケお嬢様」
「ポケポケじゃないわよ!ギルド長を呼んできなさい。魔札剣士が来たわ」
マージナル?いったいなんだそれ。
「…マジですか。疑ってないんで睨まないでください」
門番さんが怯えてる。いったい何をしたんでしょうか。
コツコツ。
「ん?」
リュックの中からなんか聞こえるな。…卵が孵るとかじゃないよな?
「ぴぃ~」
「リョウ様?何か聞こえましたが…」
恐る恐るリュックを開けてみると…なにかとバッチリ目が合った。
「きゅ~♪」
リュックの中から飛び出してきたのは、銀龍だった。
「…あなた、魔札剣士だけじゃなかったのね。私の完全解析でも分からないのものがあるなんて」
完全解析?鑑定とは違うんだろうか。
「副ギルド長が急いでくださいって言われてますし…」
カミトさんの声が聞こえた。
「やかましいのよ。お姉ちゃんがちゃんとしてないからじゃないのよ!」
どう見ても、14~5の女の子だよな。
「貴方が魔札剣士ね」
「分かりませんよ。いきなりそう言われて驚いているんですから」
「そう。登録の前に来てくれないかしら?」
「…分かりましたよ。ミーシャ行くぞ」
「はいです」
なんか面倒なことになってきたぞ。
ギルド長室にて
「この世界には魔札剣士が、たったの5人しかいなくてね。6人目が出てくるとなると色々と煩くなるのよ」
ふーん。というか、なりたくてなったわけじゃないのになぁ~。
「挙句に、ドラゴンテイマーになるとか…。何者よ!?」
「記憶が無いもんで分かりませんよ」
「そう。本題なのだけれども、一定の期間、貴方に魔札剣士と名乗らないでほしいの」
「言われなくてもそうしますよ。目立つとかマジで嫌なんで」
「ならいいわ」
まさかと思うけど、アルセッドさんこれを見越していたわけじゃないよな?
「だとすると~。ランク的にはCが妥当かな」
「お姉ちゃん。まだ、こっちの奴隷の方が…」
そういえば何の亜人か聞いてなかったな。
「妖狐の娘だから、同じランクでいいと思う」
妖狐ってあの妖狐?
「よく分かりましたね。私は、妖狐…九狐の娘ですよ」
なんか投げやりだな。ばれると思っていたのかな?
というか、耳も尻尾も見当たらないのによく分かりましたね…。
受付の人、ポケポケお嬢様でいいか。
「ポケポケお嬢様?いい加減に、ギルドカード発行してもらえませんか?宿を探したりしたいので」
「分かったけど、ポケポケお嬢様って言わないで!私は、カーミラよ」
ポケポケお嬢様でいいじゃないか。
それからいろいろな説明を受けてギルド出る。
俗にいうトラブルメーカーですかね?リョウくんて…。
ギルドの細かい説明は、次のお話になります。