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True Story  作者: 紅龍黒椿
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王都カルセドニア

「私の主人になって下さい」

「なんで、俺なんだよ…。お前ぐらいの美人ならいくらでも買い手が見つかるだろうに」

「私は貴方が良いんです」

 何故こうなったかというと…。


 盗賊を馬車に乗せて王都に向かう道中、何となく聞かれたことに答えていた。

「記憶喪失?」

「はい。だから、冒険者になって自分探しをしようかと思っているんですよ」

 自分探しとか言っててマジ恥ずかしいんだけど…。誤魔化すためにはそう言っておくしかないだろう。

「「言ってて恥ずかしくないんですか?」」

「うっさい!」

 恥ずかしいよ!でも、本当のこと言うわけにはいかないんだからさぁ~。信じてもらえるわけないでしょうし。

「得意なものってあるの?」

「剣術、弓術、格闘術、回復魔法、結界魔法、刀術、短剣術、水魔法、アイテムボックスって感じだけど?…後、魔札(マージ)が1枚かな」

「貴方何者ですか」

 奴隷の女の子…名前聞いてない。

「名前を教えて」

「ミーシャです」

 かわいい名前だね~。って、鑑定持っているのになんで聞いてしまったんだろう。

「随分多彩ですね」

「リョウくんは、何の魔札を持ってんだい?」

「銀魔狼ですけど」

「………え゛?」

 テオドアさんがよく分からない声(?)を出した。

「どーしたんですか?」

「いえいえ。まさか、銀魔狼を従えているとは思ってもみなくて」

 はぁ、この世界だと非常識にあたるんだな…。と軽く落ち込んでいたら、ミーシャが話しかけてきた。

「あのぉ~」

「なんですか?」

 顔を少し赤らめてミーシャは、ハッキリと俺に言った。

「私の主人になって下さい」

 なんででしょうか。俺は、何にも可笑しなことは言ってないはずなのに…。

「テオドアさん。どーにかなりませんか?」

「いえいえ。彼女が、こうゆうことを言うのは初めてですので」

 止める気ないんかい!…でも、後々探すのも面倒だしな。結局は、奴隷市場でメンバー集めになるらしい(アルセッドさんに教えてもらった)。素材とか報酬で揉めるから、奴隷でパーティを固めることが多いと。

「…分かりました。いくらですか?銀貨50枚のままでいいですか?」

「助けていただいたのもありますし、40枚でいいですよ?」

「そうですか。ならこれで払います。お釣りはいりません」

 そういって俺は、ストレージから金貨1枚を出してテオドアさんに渡した。

「どうしてこんなに?」

「俺からのお礼もあります」

「お礼?」

「えぇ、王都まで案内してくれたことです」

 今まで話に夢中で気が付かなかったが、もう王都が見えるぐらいのところまで来たようだった。

「そうですか。何かあったら来てください。王都にいますから。ギルドに私の名前を出してくれれば」

「何から何までありがとうございます」

 門番が馬車の窓を叩いた。

「身分証を」

「すみません。俺は田舎から来たんで持ってないんですけど」

「ならここで、借りの許可証を発行してやるから冒険者ギルドか商人ギルドに入ってくれ。まぁ、盗賊を捕まえてるなら冒険者ギルドだな」

「ありがとうございます」

 門番から、仮の許可証を受け取り王都へと入る。

「ようこそ、王都カルセドニアに」

 笑顔で送り出してくれる門番さん。ああいうのって、無愛想なのが多いと思ったんだけど違うんだな。


「じゃあ、私は商人ギルドに行くからここでお別れだ」

「ありがとうございました。また、会いましょう」

 テオドアさんと別れて、俺とミーシャは冒険者ギルドに向けて歩き出した。


 ………あっ、場所聞くの忘れてた。

マイペースな上に、どこか抜けている亮くん。

次回は、ミーシャがどんな亜人なのかが判明します。

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