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True Story  作者: 紅龍黒椿
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目が覚めたら……

「ここは?」

「おや、目が覚めたかな?」

 声のした方へ顔を向けると、30代半ばくらいの男がいた。

「大丈夫かい?2日程寝ていたけれど」

「大丈夫みたいです。助けていただきありがとうございます」

「そうかい。神隠しの森の入り口に倒れていたんだよ?」

 神隠しの森?

「すみません。記憶が…」

「記憶が…?それはいったい」

 そういうことにしておけば、簡単に誤魔化せるだろう。

「えぇ、名前以外何も覚えていないんです」

「そうか。…名乗るのが遅れたね。私は、アルセッド・クロウリィだ」

「お…僕は、四夜 亮です」

「ヨツヤ・リョウね。それより、君はこれからどうする?」

 どうしようかな。…僕は、駄目もとで頼んでみるか。

「この世界…常識とか教えてください」

「いいよ」

 なんか、優しい人だな。

 この日から俺は、アルセッドさんの下でお世話になることになった。


 一日目


 この世界の常識と作法を教えてもらった。

「そうじゃなくて、こうするんだよ?」

 アルセッドさん、結構厳しいんですけど。

 ………結局、合格点を貰えたのは日が暮れてからだった。

 なるほど、亜人とかいるんだ。


 2日目


 戦い方を教えてもらった。

 この世界には、魔物、魔獣、魔人といったものがいるらしい。

「この三種類の違いってなんですか?」

「分からないんだよなぁ」

 いまだに、謎が解かれていないとかなんとか。

 武器は、剣術、弓術、格闘戦を教えてもらった。

 単純に、近、中、遠に対応できるようにだとかなんとか。

 後で、スキルリストを確認したら、剣術 Ⅰ、弓術 Ⅰ、格闘術 Ⅱを取得していた。

 スキルポイント使わないって楽でいいね。


 三日目


「そろそろ、教えられることがないな」

 俺は、普通の人と違って物覚えが良いらしく1週間かかるのを約三日でこなしてしまったらしい。

「仕方ないね。これから、どうする?」

「明日、村を出ていこうかと」

「冒険者ギルドかい?」

「えぇ。いつまでもここで、お世話になっていられませんし」

 というか、レベルを上げたい。

「分かった。明日、紹介状を渡してあげる」

「何から何まですみません」

「気にしなくていいよ。それと、これを」

 アルセッドさんは、俺に20枚くらいのブランクカードをくれた。

「これは?」

「ブランクカード。これに、魔獣、魔物、魔人を封じると使い魔にできる」

 便利だな、異世界。

 でも、これ使うとレベルが上がりそうにないな。

 考えて使わないと、失敗しそうだな。

「それと、ほんの少しのお金だ」

「これが、少しですか」

 白金貨5枚、金貨30枚の入った袋を受け取った。

 確か、この世界のお金って…。


 白金貨 1枚 ……… 5年ほど働かなくてすむぐらい。金貨10枚で、白金貨。

 金貨 1枚 ……… 1~2年自由に暮らせる。銀貨で、2枚。

 銀貨 1枚 ……… 一生懸命働いて、ようやく稼げるくらい。約半年分。銅貨で、50枚。

 銅貨 1枚 ……… 普通に稼げる。石貨で、100枚。

 石貨 1枚 ……… 簡単に手に入る。薬草を売ればすぐに手に入る。石貨だけだと生活が厳しい。


 という感じになっている。

「多くないですか?」

「気にしなくていいよ。お金はたくさんあるし」

「そう…ですか」

 この人、いったい何者なんだ?

「ほら、今日はもう寝よ?」

「分かりました。おやすみなさい」

「おやすみ」

 なんか、腑に落ちないなぁ。

 スキルでも取るか。

 無難に、鑑定とか取っておこう。


 結果………鑑定 1P、回復魔法 Ⅰ 1P、結界魔法 Ⅰ 2P、気配察知 Ⅰ 1P


 を取った。

 よし、寝よう。安全に旅もしたいからな。


「ようやく寝たか。リョウはどこまで強くなるのかな?」


 翌朝


「お世話になりました。また、来ても?」

「いつでも来なさい」

「ありがとうございます」

 アルセッドさんから紹介状を受け取り、ストレージにしまい込んだ。

「いってらっしゃい」

「行ってきます」

 こうして俺は、村を出た。

 まずは、倒れていたという神隠しの森にでも向かってみよう。何か、あるかもしれないし。

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