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True Story  作者: 紅龍黒椿
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招待と正体②

 報酬はなんか凄いことになっていた。

「ちょい待て。白金貨50枚とか多すぎだろ!」

「そうかしら?破壊王の分身体を狩ったのだから当たり前の報酬よ?これでも少ない方なのだけれどもね」

 これで少ないとかおかしくね!?

「君の力はおかしいよ?」

「…俺の称号を知ってるならおかしいとは思わないだろ?」

 カミトさんの力なら分かるはずだろう?

「確かに、でもそれだけじゃないだろう?」

「…さぁてな」

 俺の正体なんかばらしてどうするんだ?お前らからしたら頭の可笑しな人間って思われるのが落ちなんだからよ。

「おかしなことを聞いてるのは分かっている。それに、今日のパーティに行けば嫌でも君の正体が分かる」

「…ふーん。分かったらどうするってんだ?」

「本当のことを知りたいだけなんだよ」

 …カミトさんの瞳に何か不思議な光が灯っている。まるで何かに取りつかれているかのように。

「カミーユ」

「なんでしょうか?」

「カミトさんに解析を使ってくれ」

「?…分かりました」

 お前らもしかして、何かに取りつかれているっていうわけじゃないよな??

「…ご主人様」

「結果は?」

「……カレイドさんの魔札の効果です」

「やれやれ。まさか、解析持ちの子がいるとは思わなかったな」

「パパ?」

 別室から出てきた本物のカミトさんたち。どうやら、カレイドさんの独断だったようだ。


「報酬の金額は確かに合ってるわね。それと、貴方たち全員をAAランクに認定するわ」

 カレイドさんがこってり説教された後に、ナギサからとんでもない言葉が出た。

「それは、ヒナタとカミーユもか?」

「そうよ。麒麟に高能力のハーフドワーフだもの」

 ふむ。確かにそうだな。この世界でも、麒麟は伝説上の生き物らしい。本来のランクはSSS以上…つまり測定不能らしい。

「さて、報酬も受け取ったわけだし行きましょうか」

 あ~行きたくない。面倒な催し物はなるべく避けたかったのに…。


 ここがナギサの家かよ。

 ギルドを出て徒歩2分のところに、大きな家が合った。

「今日は、ほかの町のギルマスとAランク以上の集まりなのよ」

「カミトさんとカーミラさんはいくつなの?」

「言ってなかったね。僕たちは、Sランクの冒険者だよ」

 マジですか。まさかのSランク…。

「行くわよ。ママは怒らすと怖いのだから」

 カレイドさんを含め、真っ青になるカミトさんたち。

「絶海の勇者って知らないの?」

「記憶ねぇって言ってんだろ」

「絶海の勇者ね。随分と恐ろしい母親ね」

 有名みたいだな。でも、勇者ってこの世界にいるんだな。


「ここで待ってなさい。ママを呼んでくるから」

 と言い残して、ナギサはどこかに消えてしまった。

「カレさん?いつ戻ってきたのかしら」

「ミュウちゃん。許してくれ!」

 カレさん?ミュウちゃん??

「お母さん。またメイドの恰好してたのね。ナギサが探しに…って戻ってきたわね」

 確かにな。しかも、物凄い笑顔で。

「パパが帰ってきたのに報告をしないから」

 そういうことか。全部あいつが仕組んだことなのか。

「さて、カレさんの調ky…じゃなくてお説教は後にしておきましょう。カミトにカーミラ」

 今、調教って言おうとしてなかったかな?

「何でしょうか。お義母様」

「お母さん?」

「破壊神と会ったそうね」

「…ええ」

「うん」

 やはり、過去に何かあったようだな。

「そして、彼ら…ってあら?報告より二人多いわよ?」

「一昨日買ったそうです。その為報告が出来なかったの」

 これは俺が悪いのかな??

「そうですか。…貴方、転生者かしら?」

 転生者ねぇー。間違ってはいないけれど、答える義務はないよな。

「何のことでしょうか」

「…とぼけるのね。かまわないわ」

 構わないなら聞くなよ。

「パーティに参加すれば嫌でも分かるから」

 そうかい。でも、俺を知っている奴なんてこの世界にいるわけがない。

「着替えてきなさい。間もなく始まるわ」

 メイドさんに案内されて俺は、衣裳部屋に連れてこられた。

 好きなのを着ていいそうなので、黒のスーツで固める。

 女性陣がまだかかるというので、先に会場入りをした。

「慣れない服装だと疲れるな」

「ご主人様ー!」

「ヒナタ…少し落ち着け」

「むう。いいじゃないの!」

「…はいはい」

「リョウ様、似合ってますか?」

 恥ずかしいなら聞かなきゃいいのに…。

「似合ってるよ」

「はうぅ」

 ん?熱でもあるのか?

「鈍いよね。リョウ君」

「何の話だ?」

「…にぶちー」

 俺、悪いことしてないよ?

「りょーたん?」

「は?」

「あー!やっぱり、りょーたんだ!」

 俺のことをそう呼ぶのは、元の世界に一人だけいた。

 彼女は、俺の…元いた世界の彼女だった。

「皇 枢」

「やっぱり、神様の言うことは本当だったんだ」

 なんで、お前がこの世界にいるんだ?それに、神様の言ったことってなんなんだ?

まさかのリョウ君の彼女(転生前の)が登場!


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