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True Story  作者: 紅龍黒椿
13/51

初クエスト ~再び森にて~

 ようやく森に着いたのはいいのだけれども…。

「気持ち悪い」

「カーミラ。あんなに、はしゃぐからだよ?」

 緊張感のない夫婦。こんなんで、この森の調査出来んのかな。

「回復魔法使いますか?」

「ほっといていいぞ。カミトさんが何かやるみたいだからな」

「少し先に進んでもらってもいいかな?余り見られたくないんだ」

「分かりました。ミーシャ、ティアナ行くぞ」

 魔術か何かだな。あの魔力の流れからすると。


 カミトさんたちがなかなか来ないので、いったん休憩をはさむことにした。

「ミーシャ。この先に何かいるか?」

「います。大型の魔獣が3頭」

「そうか。こっちに気づいているのか?」

「おそらく。こちらに向かってきています」

 ミーシャの気配察知は便利だな。ポイント貯まったら強化してみようかな。

「さてと。面倒だが戦闘開始の準備だけしておくか?」

「そんな余裕ないみたいです。何やら数が増えてます」

「数が?ティアナ」

「群れの行動だとすると…。軍団狼(セルゲイト・ホロウ)かもしれないわ」

「ランクは?」

「単体ならC-。群れでカウントするなら、A+ってとこね」

 なるほどな。こりゃぁ、出し惜しみなんてしてる場合じゃないな。

 手当たり次第、スキルを盗っていかないと死ぬかもしれないしな。…いらなきゃ、合成すればいいんだし。

「来た来た。死なない程度に頑張ってくれよ?」

「言われなくても!」

「分かりました」

 さてと、どうやって戦おうかな。…スキルを奪いながら戦うとなると、短剣かな。

 ミーシャには、弓とトリリオン・ダガーを渡してあるから問題はないし、この短剣壊しても問題はないだろう。

 その前に鑑定しないとな。


軍団狼 ランク 単体C- 群れA+ レベル30

成長の可能性無し 状態 正常

 スキル

 咆哮 Ⅱ 爪攻撃 Ⅵ 多色の牙 Ⅸ マーキング 位置把握 Ⅹ


 おお。面白そうなスキル持ってんじゃんか。…マーキングはいらないような気もするけどもらっておくか。

にしても、爪攻撃ってスキルじゃないないと思うんだけど…。

 スキルを奪いながら狼を1匹ずつ、斬っていく。もう何匹目の狼を斬っているのが分からないくらい、俺たちの周りには狼の死体がたくさん転がっている。

「ミーシャ!後、どれくらいいるんだ?」

「この先にいる、長を狩れれば時期に去っていくと思いますけども…。多すぎて先に進めません!」

 そういうことか。だったら…。

「ミーシャとティアナ。ここでこいつらの足止めを頼む。俺は長を倒しに行く」

「無茶だけはしないでください」

「できるだけ早くして欲しいかな~。疲れたもん」

 ティアナめ。戦闘中だってのに随分と余裕のあるセリフだな。

「それなら、外してもいいんだが?外れても俺は困らないからな」

「やめてください。ちゃんと仕事はしますから、外さないでください」

「なら、ちゃんと言われたことをしてくれ。できるだけ、出来ないことは頼まないから」

 それで納得していただけたようだし、大けがされないうちに倒してきますか。だいぶ、二人も疲れが顔に出てきているし。

 立ちふさがる狼のスキルを奪い、首を刎ねていく。威圧って便利だな。奪っておいて正解だな。咆哮は使い道があまりないし。街中で吼えるわけにもいかないからな。


『…お主が銀魔狼の使い手か』

「キサラギは使ってないんだがな」

 なんでこうも会話が成立してしまう、魔獣と出会ってしまうんだろうか。シュネは狼の死体を食べてるし…(見えないところで食べてくれよ)。

 吐き気を堪えて鑑定を使う。


 軍狼長(セルゲイナス) ランクAA レベル53

 成長の可能性あり 状態 衰弱

 スキル

 ???(条件がそろってないため鑑定不可)


 条件ってなんだよ!?

「お前死にかけか」

『ばれていたか。今なら簡単に殺せるぞ?』

「お前みたいに、他の軍狼長って話せるのか?」

『我ぐらいだな。…それがどうしたのだ?』

 キサラギの気配が分かっているのにこいつは、妙なところで察しが悪いな。

「俺の仲間にならないか?」

『何を言う。我がいなくなったら他の(もの)たちが』

「心配すんなよ。ブランクカードの能力にこんなことも書かれていた。『眷属にしたものに仲間がいた場合は、その者達も一緒に…。』とな。どうしたい?お前の仲間も、後ろにいる2頭だけになっちまっているが」

 あいつら、狩るの早すぎだっての。レベルの低い俺の気配察知ですらわかるって…。

『分かった。この者たちの命が助かるのなら、仲間になってやろう』

「ありがとよ」

 仲間にしたい奴らは、こうやって協力してくれそうな魔獣とかが一番だ。裏切られたりしたら面倒だしな。


「終わったみたいですね。リョウ様」

「コウくんのあれはちょっと見たくなかった」

「コウも食ってたのか」

「…はい」

 手が空いたとき、あいつらも勉強させないといけないな。このままじゃ、本当に俺たちが吐いてしまう。


「見つけた。大丈夫だったかい?」

「今、終わったところです。傷だらけですね」

「デーモン・ガードに襲われてね」

 ふーん。その顔を見るとその魔物も、この森にはいないんだろうな。ポケポケお嬢様もばてばてだし、よほど強かったのだろう。

「少し休憩してから、先に進もう。ここから先が…森の最深部にあたる区域だから」

 やはりそうか。ミーシャは気が付いていないようだけど、狐の耳がピーンってなってるし。


 さてと、スキルはどうなっているのかな~。

 休憩することになったので、俺とミーシャ、ティアナのステータスを確認することにした。


ミーシャ レベル24 スキルポイント 55P

 スキル

 短剣術 Ⅹ 気配察知 Ⅻ


 ティアナ レベル30 スキルポイント 87P

 スキル

 剣術 Ⅷ 回復魔法 Ⅶ 魔装 Ⅲ


 ティアナだけ新しいスキルが出てるな。魔装は、体や武器に魔力を纏わせることができるスキルなのか。

 俺も覚えられたらいいな~。


 リョウ レベル23 ポイント 73P

 スキル

 短剣術 Ⅷ 咆哮 30 爪攻撃 55 多色の牙 60 マーキング×73 位置把握 66


 あれ?数字の表示が変わってる。もしかして、ステータスを表示してくれてる方が諦めたとかじゃないよね?

「行こうか」

「……あっ、はい」

 どうしよう。カミトさんに聞くわけにもいかないし、どうしたらいいんだろうか。


数字表記は、この世界の標準です。by神

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