初クエスト ~報告~
騒ぐシシナギさんを、ミーシャと一緒に引きずって冒険者ギルドまで来た。
「いい加減に諦めてください。あれに勝てないんじゃ先に進めるわけないじゃないですか」
俺の一言でおとなしくなるシシナギさん。
「カミトさん。ポケポケお嬢様とギルド長を連れてきてください。森に問題が起こってるそうです」
「分かったよ。うーん、2階のあの部屋に行ってくれるかな?ギルド講座に使った部屋」
「あそこですか。分かりました」
カミトさんってこのギルドの権力者の一人なんだろうか?
ミーシャとシシナギさんを連れて2階に上がる。
「君たちは何者よ」
「見ての通りだよ?ただの冒険者」
ちょっと訳有りっていうことを除けばね。
「いったい何よ。私たちを呼び出すなんて」
「また、ポケポケお嬢様って言ったらしいわね?」
「カミトさん。なんでこの人ら怒ってんですか?」
「自覚ないのかね君は」
何の自覚でしょうか?いきなり入ってくるなり怒ってんですよ??
「あら、ヨウコ」
「カーミラ。お前、カミトくん以外にもそう言われてたのか」
「うるさいわね。なんであなたが一緒にいるの?」
「それを説明したかったので、3人に来てもらったのです」
ようやく本題に入れる。まったく、脱線させているのは誰なんだろうか。
「王都近くの森で、森の巨熊が出てきました」
シシナギさんの言葉に固まる3人。
「よく無事で帰ってきたわね?」
「そこの二人と一匹に助けられたわ」
「そう。それより、まずいわね。上級者は今日の朝、灰高山の主と戦うために出払ってるし」
灰高山か、行けるレベルになったら行ってみたいな。…何処にあるかは知らないけどね。
「今いるメンバーで、勝てそうな冒険者は、ここにいるカミトにお姉ちゃん。あとは、ヨウコ姉だけよ?」
俺たちは含まれてないのか。安心した~。
「彼らは?これ(森の巨熊)を狩ったのは、彼と彼女よ?」
「そうね~。でも、彼らはちょっと訳有りでね」
「魔札剣士なんでしょ?安心しなさい。言わないわよ」
「そう?なら、カミトお兄ちゃんとお姉ちゃんに、ヨウコ姉、ヨツヤくんにミーシャちゃんの5人で森の中を見て来てくれないかしら。最悪は、元凶を討伐すること。報酬は、戻ってきてからにするわ」
「了解。じゃあ、明日の8時に正門に集合しよう」
なんでだろう。俺とミーシャの意見が聞かれずに話がどんどん進んでいく。コウとシュネに至っては、我関せずという感じに肩の上と頭の上に乗って眠っていた。
「分かりました。ミーシャ帰って寝るぞ。疲れた」
「そうですね。では、失礼します」
さてと、明日はどんな一日になるのだろうかね。
冒険者らしくなってきましたね~。