美女と変態
佐倉慧はふと、ある疑問を口に出した。
「このギルドって名前ないよね?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
沈黙がその場を覆う。
そしてついに翔真が口を開いた。
「い・・・・・・・急いで名前を考えろおお!」
今更かよ・・・と慧は内心で突っ込んだ
「意外だなー」
街を歩いている途中、慧は何気なくつぶやいた。今は買い物中である。
何が意外かというと、翔真である。彼と会ったときは何もかも完璧にこなすイメージがあった。だが、今回のようにギルドの名前を考えていなかったなんて、どこか変なところが抜けていたのである。
てっきり考えていたのか何か理由があるかで言っていなかっただけだと思っていたが・・・・まさか何も考えていないとは、意外である。
「あたしよりもできる人なのかなーと思ってたのに」
だが、あって間もないのだからお互いのことをあまり知らないのは当然だが・・・
「それにしてもギルドの名前くらいは・・・・」
もはやあきれるしかなかった。
それに自分のほうがしっかりしているとも思った。
今だって誰かにストーカーされているのに気付いている。
別に珍しいことではなかった。
自分は人よりも美人である自覚はあったし、何よりも両親が美形である。似ていなければ困る。
告白も何度かされた。だが、付き合ったことはない。恋というものがわからないからだ。
まあ、つまりストーカーの類はよくあることだった。
そして今日もいつも通りまこうと思ったがなかなかまけない。
(今日のやつはなかなかやるなぁ)
しかし、気付いたら前方は壁があった。
逆に自分が追い込まれていたのである。
もはや戦うしかないと思い武器を転送する。手元に槍が現れそれを握る。
相手は自分と同じか少し上くらいの歳の男である。メガネだ。
(死なない程度に攻撃し気絶させる!)
槍を構え相手に突進する・・・・が、相手は後ろに引き、さらに自分と距離をとった。
そして弓を構える。
不利だった。槍に対して遠距離攻撃は不利だ。さすがにあきらめた。
助けでも来ない限り無理だ。こんな時漫画やアニメの主人公なら助けに来るんだろう。しかし現実はそうはいかない。
麻痺針を打たれ体の自由を奪われた。
体目当てなのはわかっていた。
男は近づいてきて慧が動けないことを確認する。
そして手にあるものを転送した。カメラである。この世界にそんなものが存在するのかという疑問も抱く余裕すらなかった。
恐怖が自分の心を支配した。
男が次々と写真をとっていく。足から頭まで全身とっていく。
そして慧のスカートに手をかけ、めくる。
白いレースのパンツがあらわになる。
そしてシャッターを切るその瞬間・・・男は倒れた。
その後ろに翔真がいた。
そして何も言わずに動けない慧の体を抱きしめ声を発する。
「もう大丈夫だぞ」
来るのが遅いとかそういうのは関係なかった。
ただ来てくれたことがうれしかった。
その日、慧は恋というのが少しわかった気がした。