5/7
弱さ
その夜ライトは夜の街を歩いていた。
自分はなぜ負けたのか。少し一人になりたかった。
すると自分の向かい側から人影が現れた。
翔真だった。
ライトにとって少し大人びてせの高い彼は憧れでもあった。
「こんな時間に何してるんだ?」
翔真のやわらかい声が夜の街に響く。
「今日、俺はなんで負けたんだろう」
「お前は自分が強いと思うか?」
「いや、弱い・・・」
確かに自分は弱い。
「だったら、まずは自分の弱さを知ることだ。そうすればお前の弱さは武器になる」
「どういう意味だ?」
時々翔真はよくわからないことを言う。
「自分が弱ければ相手の弱さも自然とわかるものなんだよ」
ライトはあまり理解できなかったがなんとなくわかった気がする。
「ま、そのためには自分の弱さを知らないとな」
「自分の弱さか・・・」
しばらく考えてからライトは何かを決心したように走り出した。
そして翔真に礼を言う。
「ありがとう翔真!もう一回頑張るよ!」
その後ろ姿を翔真は見送った。