いろんな。
畑仕事を手伝い始めてお昼を過ぎようとしていた時、気が付くとサユキが作業を終えて収穫の準備をしていた。サユキに聞くと、どうやら今日の作業ここまでで終了にして次は明日に廻すそうだ。
野菜を収穫して家に戻り、家族みんなで食事を終えるとみんなは自由に遊びに行った。
僕とサユキはに空飛ぶ遊び道具『ファルム』で遊んだ。最初、サユキに教えてもらいながらだった僕はどんどんコツをつかみ自由に行き来することが出来るようになった。
「チウ君すごいね。コツ掴むの速いよ!」
サユキが笑顔で話してきた。
「そうかな。結構簡単だよ!!」
「それに、地人が空を飛ぶなんて嘘みたい。空が怖い人がほとんどだって、噂で聞いていたから。」
「うん、確かにね。でも僕は趣味でバンジージャンプをしているから、こんなのへっちゃらだよ。きっとラビニたちも。嫌いな人ばかりでもないし。」
「そっか、そうだよね。そういえばチウ君はなんでバンジーを?しかもあんなに険しいマルビスの谷になんて、ほとんど地人は近寄らない所なのに。」
「一番近いからっていうのも有るけど、夢だったからかな。僕の叔父もバンジー好きで。」
「叔父?」
「父さんの兄。もう死んじゃったけど。僕にとってバンジーの師匠みたいな人。その叔父さんは人見知りであまり人がいないからマルビスの谷でやっていたらしいんだけど、あの谷は上級者しか出来ないって有名だったんだ。それで叔父さんみたいになりたいっていう憧れで。」
「そうなんだ。…それって楽しい?」
「うん、もちろん!!すっごく……なんて言うんだろ。こことは全然違うんだ。」
「なにが?」
「目に飛び込んでくる風景も、風の匂いも、色も、性格も。全部!!」
「性格?どんなのなの??」
「それは、感じてみないと分からないよ。」
「じゃあ、今度私も連れて行って。」
「えっ!?」
「私も、チウ君たちが感じる風を感じてみたい。ここでは見れない色を見てみたい。」
「わかった。今度来たときに見せてあげる。」
こうして僕はバンジージャンプの時と同じようにのめり込み、とても早く時間は過ぎていった。
その日の夜、僕はサユキ達と時を忘れて遊んだ。最初僕を見て怯えていたサユキの弟も一緒だった。しかし、全く怖がることなくみんなが寝るまでずっと一緒にいた。
3日目の朝、もうそろそろ家族が旅行から帰って来るかも知れない。ということで、一旦僕はバルハ(地人の住んでいるエリア)に帰ることにした。
サユキ達を起こさないように抜け出し……たつもりだった。そう、つもりだったのだ。サユキはいつの間にか、僕の目の前に立っていた。
「チウ君。また来てね、良かったら。」
「……うん。またファルムでいろんな所に行かせて。」
「何言っているの。今度はチウ君が私を連れて行くの。私が感じたことがない世界に。」
「そうだね、約束。じゃあね。」
「待って、これ。持っていって。お守り代わりよ。」
そう言ってサユキが取り出したのは、キップルの木を削って作った腕輪だった。キッ
プルの花言葉は『貴方を思う。』その事から、よく遠くに行く友達に空人・地人関係なくプレゼントに使われる。
「ありがとう。じゃあ、また。」
そうお別れを言って、僕はお守りの腕輪を受け取りルアン(空人の住んでいるエリア)を後にした。
家に帰ると幸い、まだ家族は帰ってきていなかった。空人嫌いの父さんがいたらと今思うと背筋が凍り付く。
急いでリビングの手紙を持って、自分の部屋に直行し、荷物を整理すると僕は何事もなかったように過ごした。そして夕方、大量のお土産と共に母さん達が、じいちゃんの家へ泊まりに行っていたユーニを連れて帰宅した。
「おにぃ。ただいまぁ~!!」
そう言って抱き付こうとしたユーニの荷物から飛び出てきた水筒が、僕の顔面を直撃した。僕としたことがついてない。そう思っているといつの間にか僕は気を失っていた。
「おにぃ、ねぇ。おにいってば!!」
頭にガンガン鳴り響く高音のユーニの声。それが僕の目覚まし時計の代わりとなっている。どうやらあれからもう夜が明けてしまったらしい。
「おにぃ、起きろ!!起きてるだろ!!返事して、おい!!!」
「っつ、うるさい!勝手に人の部屋に入るな!!」
「何言っているの?寝ぼけてる?」
そういうユーニの言葉に目を開けると、そこはなんとリビングだった。そう、僕は一晩をリビングにあるソファーで過ごしたのであった。
「………………。」
「驚きすぎて言葉も出ないの?それとも昨日ぶつけたとこがまだ痛い?ってか。」
そう言われて昨日のことを思い出す。そしておでこに触れると、なぜか少し大きめのガーゼが絆創膏代わりに貼ってあった。それに触った瞬間頭に激痛が走った。
「…………………っつ!!!!お前、どんだけ怪力少女なんだよ!!」
「そのあだ名もうやめて!!運がないおにぃにそんなこと言われたくない!」
そんな会話を続けていると母さんが
「もうそのくらいにしなさい。ご飯、出来たわよ。」
と仲裁の言葉を述べてくれたおかげで、ユーニとの会話は途切れた。
食事を終えて、自分の部屋にこもってゴロゴロしているといきなり窓にスライムが貼りついた。それと一緒にラビニの声が聞こえてきた。
「……呼んだ?」
そう言って窓を開けるとラビニが切羽詰まったような顔で飛び込んで来た。
「………!?一体どうした。いつも言ってるけど逃げ込むなら」
そう言い切る前に、ラビニが言い出した。どうやら全く宿題をやっていなかったらしく写させて!ということらしい。
いつものことだからしょうがなく一緒に宿題をすることにした。そしてやり始めて20分後、
「………なぁ。」
とラビニが口を開いた。
「今度はなに?」
「どうってことないんだけどさ。チウ、昨日までどこ行ってた?」
「……?なにかようでもあった?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどさ。噂でルアンへ1人、地人の少年が入っていったって聞いたから。もしかしてチウ、サユキとかって言うあいつを見に行っ
たのか?」
しまった。僕は噂好きのこいつが父さんの次にヤバい存在だということを僕はすっかり忘れていた。ラビニに言ったらいつ父さんの耳に入るかは時間の問題だ。宿題に集中しているように見せかけてその場はしのげたが、それからどうしたのかは記憶にない。
梨真「どうも(^-^)/作者第2号梨真と」
もみじ「やっほい釣れたぁ!!」
梨真「……やっほい釣れた君です。」
もみじ「おい違うだろ!!ちゃんと相方の名前位紹介してくれ!!」
梨真「え?あなた相方ですか?」
もみじ「連載遅れたせいでそこまでの仕打ちは厳しいぞよ。」
梨真「…え~あなた明治時代の生まれ変わりかなにか?」
もみじ「違う!!お前と同い年だ!!俺だよ。釣りには目もない相方の!!!!」
梨真「あ~なんだ巡音ルカか。」
もみじ「おいお前ボーカロイドのやつと友達なのかよ!?」
梨真「あれ?でも俺って………わかった!!ルカ男君だね!!!!久しぶりぃ元気にしてた?」
もみじ「もう止めてくれぇ~」
梨真「はい。ってことで改めて、作者第2号梨真と」
もみじ「作者第1号もみじだ!!」
梨真「おふざけが長すぎたので早速予告と行きましょう♪」
もみじ「そうしよう!!予告!!」
梨真「なんだかチウは迷いかけだね。さてその迷いは解けるのか!?」
もみじ「そう出来たやつはなんと毛むくじゃらの男だった!!」
梨真「え~!?」
もみじ「次回、」
梨真&もみじ「『【翔べないイカロス其の七】!!!!!!』」
もみじ「見ろよな。」
梨真「見てください。」
もみじ「ちなみに聞くが梨真」
梨真「なんだい?もみじ。」
もみじ「お前ボカロ好きだったんだな。」
梨真「もみじこそ、強烈な釣り好きってことバレたね。」
もみじ「………………まぁ、」
梨真「おあいこだ。」
もみじ「そうだな。」
梨真「では解散!!またね~」
もみじ「グッバイ バ バイ バ バ バイ バイ ♪」
(初音ミク さよなら・グッバイより。)