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悪魔か天使  作者: 桃太郎
2/7

一話第二部

(私が神妙にしてるのに疑うなんて!なんていやな奴なの!!)


コックローチを口に突っ込んで噴出してやりたがったが、耐えた。


「非現実なことばかりだったでしょう?そういう時は、普通の事が気になるものなのよ」


「ふーん…。まあいいや、俺は天使なんだからな、ちゃんと敬えよ。さっきから叫びっぱなしだったからな、咽がいてーや。なんか出せ。」


優越感にゆがんだ顔でドッカと、私の、この私専用のソファーに座りやがった!!我慢、我慢よ雪華!!怒りの形相を、必死で押し隠して笑った。


「……今コーヒーのスイッチ入れたから、ちょっと待ってね?・・・待つ間に、これで遊ぶ?カメラって、言うんだけど。知ってるかな?」


「カメラ?もちろん知ってる」

興味なさそうに装っているが、目がチラチラ動き、カメラを意識しているのがまる分かりだ。

「買ったばかりだから、試し撮りしたいのよ。自分を写すのも寂しいものがあるし、あなたで試し撮りしていいかな?」


反応は劇的だった。

「マ、マジで!?まあ、ええけど。」

普通にしているつもりなんだろうけど、緊張のためか、背中の羽がひろがり、細かく震えるたびに、羽が抜け落ち、床をよごしていく・・・。

(が、我慢よ。これがうまくいけば、全てにけりが、ケリがつく!)





ペット売ります。



先ほどの写真をのせて、準備よし♪

機嫌を直してコーヒーをいれ、私の財布を潤してくれる奴めの、最後の奉仕を施してやろう。

……ところが!!


「なあ、なんで俺の写真がオークションで売りにだされてんの?」ときた。

「チッ、なんで人外生物が文字読めるわけ?オークションを知ってるわけ?はー、私丸め込むの苦手なんよねー。たいぎいわー。(え?ほんまよう!?これじゃあ厄介払いとお金、両方手に入れようとしているみたいじゃん!?こんな気分悪いの見ることないよ!!)」


「本心駄々漏れだし!つか、心の中の建前もヒデーし。喧嘩売っとんのか!!」

「ウッサイ!人の心読むなんて、なんてクズなの!!」

「それお前が言うか!?どんだけ自分のこと棚上げなんだよ!つーか、神の許しのあるお前と違って、天使たる俺様が一般人に見えるわけねーだろ?ネットの世界から見たら、テメーは自分のソファーを撮って、自分のペットです♪て言い張っている頭の悪い女だぞ。ま、これで。俺のカッコイイ姿が見える、それがいかに幸運か分かったろ?」


天使の言葉を聞いたとたん、顔から表情が抜け落ち、持ってきたコーヒーをぶちまけ、それでも収まらない苛立ちに、カップまで投げつけてしまった。


「ギャー!!あじあじあじぃぃぃぃぃギャフ!?」


(チッもったいない事を!!)

躍り狂っていた天使は静かになったが、割れた物は直らないのに。


「お前が来てから最悪なことばっかりじゃん!人のソファーも汚しやがって!!帰れ!チリに帰れ!!」

「はぁ!?コレはお前だろ!!お前がぶちまけたんだろーが!!最悪なのはこっちじゃボケ!!テメーなんざ地獄逝きになってろ!神様!神様!!まだ天界につながってるんでしょ!?聞いてましたよね!帰りますからね!?あいつは地獄がお望みだそうですよ!!」

テレビに向かってひたすら喚いていたと思ったら、こちらに向かってニヤリ。

「じゃあな!!せいぜい苦しみながら逝け!!」

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