73話 これまでのことを纏めてみましょうか
イルの目的がセリムだったと仮定して、これまでのこと、主に私というイレギュラーの介入で変わった出来事を少し纏めておこう。
まず私がハイネになってから真っ先にぶち破ったストーリーはセリムがハイネとの確執から敵になるストーリー。
これは私がハイネとして生きていく上では絶対にかかせなかった行動だ。
その結果セリムが仕切っていたストリートチルドレンのグループは散り散りになりまた新しい別のチームに方々移っていったという話は人伝に聞いた。
それで恨みを買っている可能性はとても高い。
次はシグナの闇落ちルートの回避。
これに関してもひとつの半グレ組織を壊滅させているから恨まれててもおかしくない。
でもまだ半グレ集団の大半は檻の中だ、もしかしたらその中にイルの言う誰かがいた可能性もあるけど多分違う。
そう結論付けてしまえばまたゲーム内において統合性の取れないキャラがこの後登場することになる、今までの経験から考えれば多分この世界はどれだけ私が暴れてもゲームのシナリオに沿って進行しようとしてきた、それなら名もなきモブよりもセリムが相手でしたのほうが物語の統合性が取れる。
その次は飛んで実力テスト。
これに関しても大きな改変とはなったけど誰も被害は被っていないから関係ない。
後はイル自身が主犯だと主張していたユーリ誘拐未遂とスターダストインパクト事件。
史実ではユーリ誘拐イベントの裏にいたのは怪しげなカルト教団とジーク・エルメルダ。
スターダストインパクト事件はセリムの発足した犯罪集団だった。
これに関しては発生する時期のズレもあるしイルの言うことを信じるのであれば主犯もどちらもイルに塗り替えられている。
細かいことを振り替えればもっと相違点はあるだろうけど大きなものだけ纏めれば多分これくらい。
思えば散々の事象をねじ曲げてきたなとは思う。
でも後悔はしていない。
まぁそのせいで今それのツケを払わされているわけだけど。
「……後は、どこかで確証を得られればいいんだけど」
考えを纏めた結果私のなかで出た結論はひとつ。
私がセリムを引き抜いたことでバラバラになったストリートチルドレンのグループのことにたいする復讐。
そしてイルは多分、私だけじゃなくてセリムにも何か恨みのようなものを抱いているのだろう。
だからまだ私を殺さない、それは条件が整ってないからだ。
ここまで分かったらやることはあとひとつだけ、どこかのタイミングでこの考察の答え合わせをするだけだ。




