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2話 まずはあいつをどうにかしましょうか

「ハイネお嬢様、今日はそろそろお休みになられては……やっと熱が下がったばかりでございます、お身体に触りますよ」

 私は後ろから労るように声をかけられて笑顔で振り向く。

「メアリー、私なら大丈夫です、リューデスハイム家の娘たるものこのままでは皆に笑われてしまいますから」

「っ……ご立派なお考えですハイネお嬢様!」

 私の返事に、ハイネのお目付け役のメイドであるメアリーが誇らしげに涙ぐむ。

 私がハイネとして転生し、転生する前のことを思い出したのが今から約10日前。

 ハイネの9歳の誕生日から少し経った頃だ。

 それから私が他の攻略キャラ達を蹴落とすために始めたのは勉学と魔法の鍛練だった。

 まずハイネ・リューデスハイムという女は嫌な奴であることに変わりはないが勉学に関しては学年トップの実力を保持している。

 それは必ず自分の武器になる。

 だから勉強は外せないだろう。

 そしてこの世界で勉学よりも重要視されるものが魔法の力だ。

 ハイネは名門貴族であるリューデスハイム公爵家の次女でありながら魔法に対する適正がかなり低くそれがコンプレックスとなりユーリたんに嫌がらせをする一因ともなっている。

 この世界では魔法というものは生まれながらに持つ適正に特に大きく左右される。

 使える魔法の系統も、その力が作用する範囲もだ。

 しかし厳しい道とはいえ自身の鍛練である程度までならその力を伸ばせるのもまた事実。

 だがハイネはとある一件を境にその努力を怠るようになってしまう。

 だからこそ私は鍛練をより積むことを選択したわけだ。

 そしてそれと同時にハイネが腐る原因となった事件を私自身の手で片付けなければいけない。

「それとメアリー、明日ですが、1日勉学に励みたいのでお昼過ぎから夕食までの間は私の部屋には誰も入れないように」

 私はメアリーのほうを見てしっかりと釘を刺す。

「分かりました! おまかせくださいハイネお嬢様」

 この様子では原作通りしっかり私の嘘に騙されてくれたようだ。

 原作でもこのやり取りは見れる。

 ハイネの過去回想という形でだ、だから何が起きるのかも全て手に取るように分かること。

 そう、暦で言えば明日はハイネの性格を歪める原因となった事件が起きるその日なのだ。

 そして彼女と出会うことの出来る運命の日。

 だから私は誰にも邪魔されるわけにはいかないのだ。

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