92話 迷わず見つけてくれました
皆で通る光を選んだとき、オレは確信してひとつの光を選んでいた。
でもそれを他の奴らには伝えることもしなかった。
光の先に蒼い輝きを見たような気がする、そんなオレの勝手な願望だったからだ。
あいつはいつも自分勝手だ。
自分の欲に忠実なように見えて実際は誰よりも周りのことをよく見ていて自分より周りのことばかり優先する。
そのくせ自分に向けられた好意には疎いときた。
全て完璧じゃないと気が済まないのにユーリを相手にすると途端にIQが百ぐらい下がる。
っていうかジークが言ってた予知みたいなものって何だよマジで。
何でそんなもん持ってるのにオレに真っ先に言わなかったって腹が立つのはオレがこの中で一番ハイネと一緒に過ごした時間が永いと自負しているからだ。
秘密だって言うなら守ったし、どうしてほしいなんて言われれば何だってした。
それなのにあいつは自分にだけ負担がかかる選択をした。
そんなところは昔から全く変わってない。
守るからって言ったのにまた守れなかったオレをハイネは赦してくれるだろうか、いや、怒りすらしないんだろうな、絶対に。
あの日、オレを泥まみれにしてはっちゃけた日からあいつはずっとオレの前にいて、太陽みたいに輝いて道を照らしていてくれている。
今だってそうだ、手を伸ばせば届くところで蒼く蒼く輝いてくれている。
ずっと、ずっとずっと好きなのに、残念なことにこの初恋が実らないことはもう既に知っている。
それでもオレの気持ちが変わることなんてあり得ない。
早く掴んでやらないと、あいつが独りで泣かないで良いように。
光が近付くにつれてオレは杖を持った手を腰の剣に添える、いつでも何が起きても反応できるように。
そして、もう片方の手はしっかりとハイネを掴めるように大きく開いて前に伸ばした。




