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白の|運命《さだめ》〜選ばれし白属性魔法として生まれた俺は……〜  作者: 生きてる水


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7、帰省

 


「ただいま〜!」


 カルバーツが家に来たのは夕飯時だ。

 俺はあの後、手伝うつもりだったのだが、いつの間にか寝てしまっていた。

 まあ5歳だから仕方がないか……。

 

 目を覚まし、少ししたらカルバーツが帰ってきた。


「カルバーツ!」


 俺はソファから降りると、急いで玄関の方へ向かう。

 この世界では5歳であるが、向こうの世界で14年間も過ごしてきたのだ……。


 でも、昔から子供っぽいと言われる事があったし、小さい時から育てられると、それもそれで、5歳の自分に違和感がなくなっている。

 出迎える俺をカルバーツは抱えてくれた。

 

「お〜しゲッツァ!元気だったか〜!」


 やはり、この世界の父親的存在はカルバーツだ。


「うん!元気だったよ〜!」

「そうか〜!それは良かった!」

 カルバーツは俺をぐるりと一周させると床へと下ろしてくれた。

 

 そこへ、シーエーさんもやってくる。


「おっす!お疲れ!」

「おう!シーエー……。ご飯できてるか?」

「おう。早くこいよ!」


 そう言われると俺たち3人は急いで食卓へと向かった。

 

 テーブル一面が輝いて見える。

 この世界の食は普通に美味しい。なんなら向こうの世界と似ている感じだな。

 米もあるし、麺だってある。

 見た事ない魔物肉や気持ち悪い海鮮もあるが……。

 

「ウッヒョ〜!」


 カルバーツは声を上げる。

 俺もよだれがだらだらだ。

 一ヶ月に一回しかない。カルバーツの帰省だ。それは豪華な食が出るに決まっている。


「いっただきま〜す!」×3

 

 俺たちは食卓に並ぶご飯達にかぶりつく。

 やはりうまい!シーエーさんの腕は本当に素晴らしい。

 やはり、美味しいものが食べられるというのは生き甲斐にもつながってくる。

 本当に幸せだ。

 

「この肉はあれか?オークのやつか?」

「ああ!オークロードだったかな……」


 豚肉のような食感のオーク。まあ豚だからな……。

 

 この世界で5年間も生きていれば魔物の種類も覚えてくる。

 そのため、最初にカルバーツが戦ってきた魔物たちがどれだけ、凶暴なやつだったのが身に染みてわかる。


 そして、ここは魔界だ。最前線じゃなくとも魔物はウジャウジャといる。

 ここホールグリットが魔物に襲われることなんて日常茶飯事だ。


 そんな時、俺は外野から小さく魔法を放ち、シーエーさんに怒られるのも日常茶飯事。

 とにかく、魔界は危険なところだからな……。

 

「ところでどうだ?最前線の状況は……?」


 シーエーさんが口を開く。


「ああ……。相変わらず、押し込まれているよ……」

「そうか……」


 二人とも少し、悲しそうだ。

 

「まあそりゃあ!ロイズがいなくなってからはよくやっている方だ!まだ、ホールグリットが落ちていないことが奇跡だな!」

「そうだよな……今や、最前線にホールグリットも飲み込まれそうな勢いで下がってきているからな……」


「まあ、若手もどんどん育ってきている。今が一番踏ん張り期だな!」

「そうだな……。俺らが頑張らないとだな!それより今回はどれくらい最前線を離れるんだ?」


 ………………

 この質問の答えは重要だ。

 

 この答えにより、カルバーツがどれくらい俺らの元にいれるかが決まるからだ。


「明日の朝に出ようと思うよ!流石に半日も俺抜きだと保たないからな……最前線は……」

「それしかいれないのかよカルバーツ!」

「ああ!でも今日はみっちりと付き合ってやるぜゲッツァ!」


 最近はこんな感じだ。一ヶ月に一回帰ってきてもほとんど、休む間もなくまた戦いへといってしまう。

 それだけ、この世界が厳しいのかを分からせられる。

 

「カルバーツ聞いてくれ!俺、火魔法をマスターしたんだぜ!」

「お〜そうか!水魔法はどうなんだ?」


 その質問は心にくる物がある。無視しようかな……。


「ん〜……」


 そんな困惑した表情をしていると、シーエーさんとカルバーツは吹き出し、笑い出した。


「なんだよ〜!」

「悪いなゲッツァ!これからも頑張れよ!」


 優しいエールだ。


「明日からも水魔法だな!」


 シーエーさんの言葉も優しい。




 そんな男3人だけの食卓は大いに盛り上がった。

 もう爆笑の渦だ。

 

 そんな会話をしていると、笑い転げたカルバーツの胸元から一つ、巾着袋のようなものが落っこちてきた。


「なんだこれは!カルバーツ!もしかして……ゴブリンの耳とかか?」


 こんなテンションになった時は何を言っても楽しいものだ。


「いや、そんなもん持ち歩いてるか!」

 すかさずツッコんでくれる。

 

 カルバーツはその巾着袋を優しく持つと、大事そうに懐の中へとしまった。

 いつも、大胆不敵で大雑把なカルバーツが大事そうにしていると、気になるものがある。

 カルバーツに出会った時からその巾着袋を大事そうに持ち歩いている。


 前からちょくちょく気になってはいる……。

 あの袋はなんなのか……。

 よし!今日は思い切って聞いてみよう!

 

「なあカルバーツ!前々から気になっていたんだけどその袋なんだ?」


 その質問を送ると一瞬で空気は重たくなった。


 やばい。まずい質問だったのか……。

 しばらく間が相手からカルバーツは口を持ち上げる。


「これは……妻からもらったものだ……」

 

 え!!!!!

 

「カルバーツって結婚してたのか?」

「おう!まあ色々あるけどな……!」


 5年間一緒なのに初めて知った。

 シーエーさんが結婚しているのはわかっていたのだが、カルバーツもしてたんだ……。

 

 でも、シーエーさんは1年に一回ほど家族に会いに人間界へと帰る。


 しかし、カルバーツは帰らない。


 もしかして……。

 戦いで死んじゃったとかなのか……。

 それならこの空気になるのも仕方ないな。ちゃんと謝っておこう。

 

「ごめんなさい!なんか変なこと聞いちゃって……」

「いいってことよ!せっかく戦いから離れて男3人だしな!」


 どういう返答なのだろうか……。

 

「ゲッツァそろそろ風呂に行って来な!」


 水魔法で皿を洗っていたシーエーさんが言ってきた。


「おう!入ってくる」


 この場は一旦引こう。


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