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白の|運命《さだめ》〜選ばれし白属性魔法として生まれた俺は……〜  作者: 生きてる水


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55、ライセンス


「本日は二名の卒業試験を実行する!シュバ!ゲッツァ!前へ出てこい!」


 俺らはみんなが囲う魔法試験会場で堂々と前へと出てきた。


 相手は……シュバ!


 強敵なんてもんじゃない!下手したらラーク並みの化け物だ。

 こいつにどうやったら勝てるだろうか……。



 火の国に着いてから半年が経過した。


 毎日が同じような日々だ。


 朝、起きるとラークが作ってくれた朝食とお弁当が置いてある。

 朝食を食べてからすぐに学校へと出発。


 学校に着いたら広いスペースへと行き授業が始まるまで火魔法の修行。

 火の国の少年学校だから当然、火魔法以外は使わないようにしている。


 そして、授業の時間になったら授業へと行く。


 まあ、授業といっても集められるのは広いグラウンドのような場所なのだがな!


 この火の国の少年学校の授業はただひたすらに闘わさせられる。

 水の国と違うのは怪我も当たり前のようにするし、危ないようなことがあっても一切止めたりはしない。


 本当に自由だ。

 だからといってみんな匙加減というのを知っているらしく死人などは1人も出たことがないらしい。


 その授業を通して先生がこいつは上のクラスへと上がっても良いと判断した者だけが上のクラスへと上がれる。

 本当に水の国と全然違いとても適当だ。


 なんなら魔法を先生から教わったことは一度もない。

 自分で頑張らないと強くなれないのが火の国の少年学校だ。


 俺は初日からランク5で無双。


 無論、シュバも無双。


 そして、すぐにランク6へと階段を登っていき、半年が経過した今では一番上のクラスのランク9に属している。


 ランク9の生徒も強いものが多いのだが、俺の敵ではない。

 ほとんどを生徒を圧倒している。

 ラークとずっといるからあまり分からなかったが俺は同年代や年が近い中ではかなり強いらしい……。


 だが、俺の影が霞むように俺よりもとんでもない奴がいる。


 それがシュバだ!


 シュバとは俺が少年学校入学と同時期に入学した俺の一つ上の筋肉男だ!

 このシュバ……力はもちろん魔法も半端じゃない!


 次々と生徒をボコボコにして行く。

 そのため、シュバは少年学校の生徒に怖がられている。


 だからそんなシュバとは俺がよく相手をさせられる。

 強い奴と戦うのは好きなんだけど、シュバとはあまり戦いたくない!


 理由としてはこいつは全く頭を使わずに力で捩じ伏せてくるからだ!


 ラークとの戦いだったりは心理戦や駆け引き、そういうところも楽しんで戦うことができたのだが……。

 こいつは……心理もクソもない!ただただ、突っ込んできて魔法を弾き返し力で捩じ伏せる。

 何も戦いで収穫するものがない!


 でも、シュバは強い……というか強すぎる!


 一度も勝てたことがない。

 本当にラークといい勝負をすると思うな!


 そして、授業が終わる頃には夕陽が落ちていて真っ暗。


 家に帰るとクエストをこなしてたっぷりと稼いだラークが料理を作ってくれて待っていてくれる。

 これが1日を頑張ってきた毎日のご褒美だ!


 夕食時にたくさんの会話をする。

 1日であったお互いの出来事など……話す話題は尽きることがない。


 そして、就寝。


 これが終わるとまた次の日の朝にはラークはいなくなっている。


 そんな毎日を送って半年。

 俺は卒業試験を受けている。




「これから卒業試験を始める!よ〜い……スタート!」


 戦いの火蓋が斬られた。

 シュバは構えることもせずにその場に仁王立ちだ。


 これがシュバのスタイルだ!


 シュバは攻撃を避けることをしようとしない……。

 なんなら全部受けているようにも感じる。


「動かないなら俺から行くぞ!“獄炎天墜(ごくえんてんつい)“」


 俺は最初から最大火力でぶっ放す!

 炎の柱はシュバへと振り落とす。


 ――――ドーン――――


 普通ならこれで終わりなのだが、シュバは何事もなかったかのようにそこに立っている。


 しかし、この状況を見ても周りは特に反応しない。

 シュバという人物がどのような者なのか周りは気がついているからだ!

 所詮、俺ら生徒の攻撃ならびくともしないからな!


「火魔法“炎人“」


 シュバは自分を燃やし出した。


 ――――――――


 燃え盛るシュバはもう炎と一体化した人間だ。


 あれを制御し続けるのは難しい。あんな図体でありながら魔技(マジックセンス)もとんでもない。

 意外に器用……。


「火魔法“紅蓮降雨(ぐれんこうう)


 シュバの放った魔法は俺の頭上から火の雨を注ぐ。

 範囲攻撃もあるんだよな……こいつ!


 俺は逃げ場をなくした。

 こういう時に水魔法を使えればいいんだけどな……。

 でも、今の俺には……。


 俺は背中に掲げていた槍を取り出した。


「火魔法“炎槍火車(えんそうかしゃ)


 俺の魔法は槍に伝わって行くと槍は火を噴き出した。


「やああ!」


 ――――――――


 俺はその槍を一振りすると炎の雨をかき消すと、シュバまでの道のりが綺麗に切り開かれた。


 この槍は魔槍と言う。

 魔槍とは魔法を纏える槍のことで、他にも魔剣など様々な武器が存在する。

 

 この槍は俺の誕生日にラークから貰ったものだ。


 クエストはお金だけでなく、こういった物が取引されるケースがあるらしく、その日が俺の誕生日だったのを知ったラークがクエストをクリアして俺にプレゼントしてくれた。


 これを俺にプレゼントしてくれた瞬間……俺は忘れないだろうな!

 間違いなく一番嬉しかった思い出だ!


 まあ、そんな華やかな思い出を戦いの最中に思い出している暇ではないな!


 俺は魔槍を燃やしたままシュバへと飛びかかった。


 喰らえ!俺の魔槍を……



 ――――ボカーン――――



 試験会場は爆発が起きた。



 煙の中から1人の影が……。


「勝者はシュバ〜!!」


 先生がそう叫んだ。


 俺は見事にやられてしまった……。


 俺が飛び込んでいった瞬間にシュバは圧縮した火魔法を俺ぶつけてきた。

 それを防ぎきれなかった俺が見事に火だるまだ!


 会場からは「よっしゃ〜」と言う声で溢れた。


 これはシュバを応援していたと言うことではなく、多分シュバがこの学校を卒業してくれることへの喜びだろうな!

 なぜならみんなシュバにボコボコにされた身だからだ!


「シュバ!少年学校卒業をここに認めよう!」


 先生はシュバに何やらバッチのようなものを渡した。


「ありがとうございます!」

「見事だった。窓口まで行けば魔界へのライセンスなどの申請が行えるぞ!」

「わかりました!」


 俺は敗れてしまったな……。


 次の卒業試験はいつあるのだろう……。

 でも、半年で卒業という目標は達成されなかったな……。

 少し、悔しいな!


 そんな火だるまの俺に先生はポーションを持って近づいてきた。


「いい戦いだった。これポーションだ!飲め!」

「あ、ありがとうございます!」


 俺はポーションを受け取ると一気に飲み干す。


 すると、体が楽になり傷がどんどんと癒えていく。


「そして、お前にもこれを渡そう!」


 なになに?ポーションの他に何を……?

 すると、先生が俺に渡してきたのは先ほどシュバに渡していたバッチだった。


「は……?」

「は?ではないぞ!ゲッツァ!少年学校卒業をここに認めよう!」


 え……俺卒業できるの?


「俺……負けましたけど……」


「いや、勝ち負けなどどうでも良いのだ!ただ実力があるか見るテストだから……それに……もうお前らのような強者を置いておくと少年学校の迷惑なので早めに卒業させろと上から命令が……」



 俺ら……迷惑扱いだったのかよ!

 俺は周りをキョロキョロと見てみる。


 すると、俺が卒業と聞いてシュバ同様にみんなが大喜びしている。


 俺も嫌われていたのだな……。

 気が付かなかったぜ!



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