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白の|運命《さだめ》〜選ばれし白属性魔法として生まれた俺は……〜  作者: 生きてる水


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54、火の国2



 もうすっかり夕暮れだ。


 それにしても火の国は広すぎるな……。

 そして、迷って迷ってやっとの思いで宿へと着くのだった。



「ただいま〜!」


 と部屋に入ると香ばしい香りが俺の鼻先を刺激してきた。

 この濃厚な匂いは……。


「おかえり〜!遅かったわね!」


 キッチンには……エプロン姿のラークだ!


 それに……髪を後ろの方で一つ結びにしている。この髪型もレアだ!

 そして何より……仮面を外した素の姿を久々に見た気がするな。

 この表情が俺の色々あった1日の疲れを一気に吹き飛ばしていった。


「いっただきま〜す!」「いっただきま〜す!」


 やっとご飯にありつけた気がした。

 やっぱり眺めているだけではお腹というのは満たされないものだ!


 一口――うまい!


「この前も聞いた気がするけど、ラークってなんで料理できるんだ?」

「もともと料理が好きで……お城の厨房とかもたまにお手伝いしていたんだよね!」


 ああ……それでね……。

 料理ができる女性……素敵だ。


 そして、ペロリと食べ終わってしまった。


「おいしかったです……」

「そう?よかった。ゲッツァ君が少年学校を無事に卒業するまでは料理は任せてください!」

「頼もしいです!」


 これから毎日、ラークがご飯を作ってくれるとなると幸せだな……。


 こんな幸せがずっと……

 おっと行けない。少年学校を卒業することが優先事項だ。

 なるべく早くこの生活を終わらせなければいけない!


「……ということが今日あって……明日から少年学校へ通うこととなったんだけど……」


 ご飯を食べ終わり、俺は今日あった経緯などを詳しく話した。


「私が買い物に行っている間にそんなことがあったんだ!」

「そうなんだよ……色々と大変だったんだよ……」

「卒業まではどのくらいの時間がかかりそうなの?」

 

 そこが重要だよな〜。

 詳しくは本当にわからないんだよな……。


「1年とか……かな〜?」


 俺は適当な感じで答えた。

 だって分からないからな!


「1年か〜……だいぶ足止めをくらっちゃうな〜……」


 ラークは少し残念そうだ……。

 もっと早く親に会えるかもしれなかったんだもな……。


「1年もこの部屋を借りるとなると、流石にお金が足りなくなっちゃうわね……」


 やべ!お金のことを何も考えていなかった。


「お金……なるべく早く卒業するように頑張ります!」

「いやいや、多分1、2ヶ月もこの部屋に住んでいたらどっちにしろお金は尽きちゃうわよ!」


 あ……そうなのね……。


「じゃあ、激安物件に移すとか対策しないとですね……」


 すると、ラークは人差し指を俺の方へ向けて横に振った。


 ――チッチッチッチッチ――


「お金のことなら私に任せてよ!」


「え?まさか……」


 俺の頭ではラークが泥棒をしている姿を想像した。

 美人怪盗……。


「泥棒なんかしないわよ!」


 俺の妄想へとツッコミを入れてきた。


「じゃあどうするのですか……?」

「稼ぐのよ!」


 ラークはポーズを決めた。


「泥棒ですか……?」

「だから!泥棒じゃないっての!」

「ならどうやって……?」


 すると、ラークは自信満々に話し始めた。


「ギルドよ!ギルド!ギルドに来ているクエストをこなしていくことでお金を入れるのよ!」


 ラークは俺の目の前にカードを差し出した。


「このカードは……?」


 カードは立派なもので俺の少年学校のカードに比べて出来の良さが違う。


「ギルドカードよ!今日、実はギルドに登録をしてきて明日からクエストをこなせるよにしてきたのよ!だからお金問題は私に任せなさいよ!」


 ラークは胸をドンと叩いた。


 ギルドか……。

 まあ、俺が少年学校に行っている間はラークは暇だっただろうし、いいかもしれないな!


「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます!」

「おまかせあれ!」

「でも、できるだけ怪我がないようにお願いします……」

「大丈夫よ!私はゲッツァ君と違ってあんな危険な闘い方はしないんだからね!」


 胸が痛いぜ……。


 まあ、戦いに関しては問題ないだろう……。

 この人間界にラークを脅かすような奴や魔物なんかはいないだろうからな……。


 よし、これで今後のことはなんとなく決まったな!


 俺はいち早く火の国の少年学校を早期卒業する。

 まあ、火魔法は好きだし得意だから水の国よりも楽しみなのがある。


 そして、ラークはギルドのクエストをこなしながら生活を支えてくれると……。


 こうなると……俺ってめちゃくちゃヒモ男っぽくね?

 お金稼がないでラークに生活を支えてもらうなんて……。


 まあ、今はいち早く魔界へ入るためには必要なことなんだ。


 仕方ない……仕方ない……。

 この恩はいつか絶対に返す。

 必ず……。



 

 そして、俺らはラークの提案で温泉へといくこととなった。

 ラークはお城では毎日入っていたらしいのだが……俺はこの世界に来てから初めての温泉だった。

 当然、一緒になんて入れないからそれぞれが男湯、女湯で……。


 ――――――――


 俺は湯船へと浸かった。


 ふ〜〜〜う……。

 うん。やっぱり温泉は気持ちいな。


 今までは湯船に浸かるとしても水魔法で溜めた浴槽に火魔法で熱して入るというなんとも原始的な方法をとっていたからな!


 やっぱり自然に湧き出ている温泉というのとは違うな……。

 まあ、周りには男ばっかりで少し男臭いがな……。


 ――――ガラガラ――――


 勢いよく男湯の扉が開いた。

 そこには何やら見たことのある影が湯気の中から見えた。


 (あれは……絶対にシュバだ!)


 そこにいたのは今日知り合ったシュバという筋肉男だ。


 なんかここで絡まれたりしたらめんどくさそうだな……。


 ということで俺は自分の姿を上手く隠しながら温泉から上がることにした。

 もっと長風呂したかったのにな!


 それに明日からイヤでも関わるようになるからな……。

 明日からちゃんと仲良くしてやろう……。




 結局、ラークも長風呂だったため、温泉に浸かっている時間よりも待ち時間が長かった。


 そして、部屋に帰ると色々あった1日だったため、2人はすぐに就寝してしまった。


 ♢ ♢ ♢

 

 次の日の朝……俺は起きるとラークは隣のベッドの上にはいなかった。

 あれ……と一瞬不安になったものの早起きはラークの特権だったことを思い出した。


 テーブルの上には朝食と……何かが書かれた紙だ。


 朝早くから朝食も作ってくれたんだな!なんてできる人間なのか……。

 姫さまならもっと傲慢にあってもいいと思うのだが……。


 そんなことを思いながら俺はテーブルの上の紙を読んだ。


 『私はギルドのクエストへと行ってきます!朝食は温めなくても美味しく食べれるようになっているよ!あと、お弁当も作っておきました。学校の休み時間に食べてください!夕飯には戻る予定なので夕飯は一緒に食べましょう!』


 俺は辺りをキョロキョロするとテーブルの端っこには木で出来たケースが置いてあった。

 俺はそれをそっと開けた。


 ――――――――


 わ〜お!

 美味しそうな料理が箱いっぱいに詰まっていた。


 ラーク……本当に姫なのか?


 本当に欠点どころかもはや完璧ではないか……。

 顔も性格も家事もお金も強さも……。


 こんな人を好きにならない人がいるのだろうか……。

 それに、俺も釣り合うのだろうかな?

 少しでも、ラークの負担を減らさないとな!


 よし!一年じゃ遅すぎる。俺は半年で必ず、必ず、必ず……少年学校を卒業してやるぞ!


 俺の心には一気に火が灯った。

 どうやったらランクが上がるかもわかっていないのに……。


 俺は急いでかつ味わってご飯を食べると弁当を片手に少年学校へと急いで駆け出して行った。

 こんな早くから学校に向かうなんて、いつかの学生生活を思い出すな!


 


 俺の少年学校を半年で卒業という無謀な挑戦が幕を開けた。

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