48、リュウガ一家3
ウマオを安全なところに結びつけたゲッツァは壊れた扉から館の中へと侵入した。
状況は……ラークが大勢に囲まれながらも格闘中、魔法を交えながらうまい具合に次々に倒していっている。
もう、30人ほどは床で伸びている。
「ラーク大丈夫か?」
声は届いたようだ。
「うん!ゲッツァ、奥の階段から上の階へ行って!多分リュウガがいるわよ!」
「おう!」
俺はラークの言われるがままに上へとあがる階段へと向かっていった。
「通すかここを!」
「そうだ……リュウガ様に会わせるわけに行くか……」
俺の前には大男が2人立ち塞がった。
よ〜し!ラークにいい格好させてばっかりだったからな……。俺も……
「水魔法“水竜“」
――――バーン――――
俺の目の前を水の大魔法が横切った。
気がつくと大男2人は魔法が飛んできた逆側の壁へと突き刺さっていた。
………………。
「ゲッツァ君。早く行きなさい!」
ラークめ……視野が広いことだ。
まあ、俺にはリュウガというリーダーを倒すという使命があるからな……。
俺は少し残念がるも仕方なくレッドカーペッドを踏みしめ上の階へと駆け上がっていった。
上の階は先ほどの部屋とは違い大きなスペースはなく小さな一つの部屋だけだ。
部屋には玉座が一つ……そこに偉そうにガタイが良い身体中が刺青だらけの男が座っている。
何となく機嫌が悪そうだ。
俺はこいつがリュウガだということを何となく把握した。
「おい……お前がボスのリュウガか?」
俺の声はこの小さな空間に響き渡った。
「ああ……そうだが……お前はどこの誰だ?」
図太い声でリュウガは答えた。
「俺はゲッツァだ」
「ふん……聞かん名だな……」
するとリュウガは立ち上がった。
「どうして村を襲ったりしたんだ?」
「どうして……。はっはああはっっははあ……」
突然リュウガは笑い出した。
「何がおかしい?」
「いや〜お前みたいなガキが俺に怯えずに堂々としていることだな……」
リュウガはどんどんと俺へと距離を詰めてきた。
俺もリュウガと距離を近づけるように向かっていく。
お互いが射程圏内と入った。
「よくも俺のアジトをメチャクチャにしてくれたな?クソガキが!火魔法“火息”」
俺は予め攻撃を予測していたため、火の息を右側へと転がるようにして避ける。
そして、俺は構えると、上空へと火魔法を集中された。
「何人の人をメチャクチャにしといて言っているんだリュウガ!火魔法“紅蓮連弾”」
小型の火球を連射させる。
「チッ……厄介だな……火魔法“炎装壁”」
すかさずにリュウガは火魔法の壁を作り出し、俺の火球を防ぐ。
――――ババババババババッババ――――
しかし、俺の魔法は止むことがない。
火球は物にぶつかった瞬間に爆発する。
リュウガが作り出した火の壁をどんどんと押しこんでいく。
「くそう……はあああ!!!」
――――バーーーン――――
リュウガは火の壁に倍の魔量を注ぎこむと俺の魔法を弾き返した。
「どうだ!クソガキが……」
しかし、その場には俺はもういない。
俺は次の攻撃手段へと移っていた。
「火魔法“火拳“」
――――ドスッ――――
俺は火で燃やした拳をリュウガの腹へと突き刺す。
「グハッ……」
そして、もう一発……。
――――ドスッ――――
「っつてめえ!火魔法“火拳”」
リュウガも拳に火を纏い俺目掛けて殴りつけてくる。
ただ俺はこのパンチは見えている。
素早くバックステップを取り距離を取る。
「火魔法“火虎”」
火の虎の化身がそのままリュウガに襲いかかる。
――――バーン――――
決まった……か?
「火魔法“火息“」
リュウガのいたところから火の息が飛んできた。
うわあ……。
――――――――
「くっそ……避けきれなかったぜ……」
俺はこの攻撃には正面から着弾してしまった。
しかも、火息にしてはダメージが多い気がする。
リュウガの野郎、魔量をたくさん圧縮させて打ってきやがったな……。
すると、奥の方からリュウガも起き上がってきた。
流石に両者とも息が上がっている。
リュウガは俺の今までの相手の中で上位に入る強さだ。
戦い慣れもしている。そして、一個一個の火力が大きいな。
「どうだガキ!こんなんでくたばってもらっちゃ困るしな……」
「それはこっちのセリフだ!」
再び、お互いが射程圏内へと足を踏み入れる。
「火魔法“火拳“」
リュウガは再び自分の拳を燃やすと俺へと襲いかかって来た。
俺はそれを攻撃をよく追いながらスウェーや腰を振ったり、しながら上下左右に避ける。
俺はここで決めていた。次の使う魔法で一気に仕留めると……。
それの隙を今は観察している。
おそらくリュウガも何かを狙っているのだろう。
でも、俺は隙を見せない。
「おらああ!!」
リュウガは大きく拳を振ってきた。
この大きく振った瞬間を俺は見逃さなかった。
間一髪で拳をかわすと、振ってきた腕を取るとそのまま一回転して踵をリュウガの頭へと落とした。
――――ゴンッ――――
そして、そのまま真上へと立ち上がる。
これで決める。俺が今使える火魔法で最大火力の魔法。
「火魔法“獄炎天墜“」
俺は火を圧縮すると一本の火柱を生み出しす。
「これで終わりだリュウガ!」
――――ドカーン――――
館中にどでかい爆発音が響き渡った。
俺の魔法は床を突き破る。
2階と階段は崩れ落ちると、1階も突き抜け、地下室まで貫通した。
リュウガには命中しているだろう……。
多分勝っただろうな……。
もう魔量が尽きそうだ。
俺がそのまま落ちてきた地下は薄暗い石造りになっていた。
――――――――
何やら奥の方から声のようなものが聞こえてきた。
俺は声に惹かれるとそのまま声の方へと駆けていく。
驚いた。
地下は牢屋になっていた。
牢の中には多くの裸の女性。そして、傷だらけの男性が数人……。
多分、襲われた村の住民だろうな……。
「お前は……?」
牢の中にいた1人の男性が話しかけてきた。
「俺はお前らを助けに来た!ちょっと待っていろよ!」
俺は土魔法を使い鍵を作ろうとした。
「おい……!後ろ……!」
牢にいる男性が必死になって俺に伝えている。
後ろ……?
――――バーン――――
「ぐわは……」
俺の背中に何かが突き刺さったような衝撃が走った。
これは致命傷だ……。
「くっそ……不意打ちかよ……リュウガ……」
後ろには不敵な笑みを浮かべるそこら中が血だらけのリュウガが立ち尽くしていた。
こんなところで…………。




