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白の|運命《さだめ》〜選ばれし白属性魔法として生まれた俺は……〜  作者: 生きてる水


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38、誕生日3


「どうでしたか?誕生日パーティーは?」

「うん!とても楽しかったよ!」


 楽しかったのならいいのだ……。

 しかもちゃんとこの場所にも来てくれたのだ……何も文句言うことがない!

 

「パーティーが終わって、風呂に入る前にね……自分の部屋からゲッツァ君の姿が見えたからね……やばって思ったのよ!」

「人を待たせているのに風呂には入ろうと思うんですね!」

「いや、誕生日だからキッツキツのドレス着せられてさ!汗びっしょりだったのよ!仕方ないでしょ……それに急いで入ったんだからね!」


 ラーク姫のドレス姿……。見てみたいものだな……。


「そろそろ仮面を外してくださいよ!」

「あ、ほんとだ……。最近はこの仮面がいたについてきているんだよな……」


 そう言うと仮面を取ってくれた。


 これで表情がしっかりと見えるな……。

 いや、ケーキを食べてもらうのだから、仮面を取るのは当たり前だ!


「では早速ですが、わたしからも誕生日プレゼントがあります!」

「え?ほんとに?」


 ラーク姫は驚いていた……。

 どうやらもらえないとでも思っていたのかな……。

 

 俺は後ろの方からケーキを取りに行き、ラーク姫の前へと出した。


「え、これって?」

「ケーキです!」


 その瞬間にラーク姫の目は輝き出した。


「ケーキ……。やったー!わたしの大好物よ!」


 それは良かった……。本当に……。


「大丈夫ですか?パーティー後でお腹は満腹とかじゃないですか?」


 それにラーク姫は大きく首を振った。


「お腹はすごく空いている……。パーティーってなると何かと色々な人に話しかけられて食事どころじゃなかったもの……」


 王族も王族で大変なのだな……。


 俺はケーキをついに解放した。


「お〜〜!」「お〜〜!」


 2人とも声を揃えた。


 形が全く崩れていない完璧なケーキだ……。

 大事に運んだ俺を褒めよう……。


「じゃあ早速食べてもいい?」

「待ってください……」


 ついてきたフォークを取り出してケーキにかぶりつく気満々だ!

 でも、あれをしていない……。


「火魔法……」


 蝋燭はないので俺はケーキの上に小さな火を13個灯した。


「何これ?」


 こっちにはその文化はないのだな……。

 でもやはり誕生日ならやりたいよな……。


「歌いますよ!」

「え?何を?」

「ハッピバースデートゥーユー……………………」

「何よその歌……」


 ラーク姫は何かと可笑しそうだった。


 ――――しっかり歌い終わった。


「はい!ラーク姫……火を消してください……」


 ここまでが儀式だ。


「火を……?わかったわ!水魔法……」

「それはよしてください!」


 俺は慌てて止めた。


 まさか水魔法で消そうとは……。


「そんなことしたらケーキがダメになってしまいます!」

「たしかに……。じゃあどうすれば……?」


 消してと言われると水魔法を使おうとは……少し天然なのかな……。


「息を吹きかけてください!」

「息を……」


 ――――ふ〜〜――――


 すると火は消えていった。


「よし!食べましょうか!」

「なんだったのよ今のは……」

「そうしないとケーキが食べれないんですよ!」


 そんなこんなを言ってようやくケーキにありつけることができた!


「イッタダキマ〜ス!」「イッタダキマ〜ス!」


 口へと一口目を運ぶ。


 ――――――――


 うん!この味は完璧だ。


「おいし〜〜!!!」


 ラーク姫の舌にも相性バッチリのようだ!

 ひとまずケーキを選んで大正解のようだ!


 ――――――――


「ごちそうさまでした!美味しかった!」


 ホールで買ったケーキがいつの間にか食べ終わっていた……。


 いつの間に……。

 余ることも予想して夕飯の量を調整していたのだが……。

 まあ、全部食べてもらえるのが一番いいよな!


「あっという間になくなってしまいましたね!」

「ほんとだよ〜!」


 ラーク姫もとても満足そうな顔をしている……。

 今日は大成功だったな……。

 まあ、日は多分跨いでいるから誕生日ではなかったのだろうけど……まあそれはそれでよしと!


 俺はケーキが入っていた箱を片付け、撤収の準備をした。

 もう相当遅い時間だ!

 少しの間だったけど、会えてよかったな……。


「ラーク姫……そろそろ帰りますか?」

「あ!………………うん!そうしよっか……」


 どこか腑に落ちなそうだ……。


「改めて誕生日おめでとうございます!13歳ですね!」

「13歳だな〜……」


 やはりどこか腑に落ちなさそうだな……。一体どうしたのだろうか……。


「俺もすぐ追いつきますからね!」

「うん!」

「じゃあ帰りましょうか……」

「あ!待って…………!」



 俺はラーク姫に袖をがっと掴まれた。


 この人はやたらと掴んでくるんだよな……。


「はい!」


 ラーク姫の表情は…………読めないな……。

 これは一体どう言う表情なのだろうか……。


「誕生日プレゼント……ちょうだい!」


 ラーク姫はゆっくりとした口調でそう言った。


「プレゼント……」


 俺は口ずさんだ。


 え?ケーキがプレゼントなのだが……。

 たしかにそう言われると、ケーキは誕生日プレゼントではないのか……?

 昔とかケーキは誕生日に食べるものでプレゼントはそれとは別に用意するものだからな……。

 そう言われるとプレゼント……。


 ………………ない!


 ないないないない!

 あ〜やってしまった。プレゼント……。もうこの際ははっきり言うしかないな……。


「ラーク姫……プレゼント用意していなかったです……申し訳ないです……」


 俺は45度くらいの一番丁寧な角度で頭を下げた。

 申し訳ない……。


「いや、謝らなくていいよ!用意してない方が良かったもん!」


 用意していない方が良かった……?

 え?ああ……俺からはプレゼントは受け取りたくないってことかな……?

 え?でも、仲良くなってきたし……。

 

「じゃあもう一回座ってちょうだい!」


 そう言うとラーク姫は再び腰を下ろすと、俺を隣に座るように促してきた。

 俺は言われるがままにラーク姫の隣に座った。


 いつもより近いな……。

 それにいい匂いもするな……。

 これから何があるのだろう……。


 誕生日プレゼントを買っていなかった罰とか言われて何かされるとかか?


「ねえゲッツァ君!わたし13歳になったんだよ!」


 ラーク姫は突然言い出した。


「はい!わかっています!」

「少年学校が卒業するのが15歳で、そこからわたしは女王の見習いとして政治に参加しなきゃいけなくなる……」

「はい……!」


 語り口調のラーク姫に相槌だけ打つ俺……。


「そして……20歳になると結婚して女王を継がなければいけなくなる……」

「はい……!」

「そうなったら……多分忙しくて自分の本当にやりたい事とかって出来なくなると思うの……」

「はい……!」


 本当にやりたいこと……?


「だから……やりたいことをするならこのタイミングかなって……」


 え?やりたいこと……。なんだ……。

 俺は何かに期待している……。

 まさか……。


「わたしの夢ってお父さんに会うことじゃない?だから……会えるならこのタイミングかなって……」


 期待していたものとは違ったが……。俺は驚いた!


「お父さんってカルバーツ……に?会うって……カルバーツは最前線にずっといますよ!それにカルバーツは知っての通り、魔王を倒すまで魔界から出てはいけない罪が科せられていますよ!今っていうのは……難しいんじゃないですか?」


「そんなことはわかっているわよ!だから……こっちから会いに行くのよ!」

「え!?」


 こっちから会いに行く……。

 っていやいや……それもそれでだ……。姫さまが国から消えたなんて言ったら国中が動く大事件だ……。


「それって……国中が動く大問題になってしまいますよ!」

「そんなのわたしもわかっているわよ!この国の姫さまだもん!」


 俺の熱量よりも熱い熱量でラーク姫に返されてしまった……。

 目も見ればわかる……。本気の覚悟のようだ!

 もう心は決まっているようだ……。


「本当にやるんですか?」

「ええ本気よ!わたしは……」


「でも、ラーク姫がこの国を万が一成功したとしても最前線ってめちゃくちゃ遠いですし……そして、万が一最前線に辿り着いたとしてもラーク姫はカルバーツの顔を知らないでしょ?」

「だからゲッツァ君にこんなこと言っているのよ!」


 え?だから……?

 どう言うことだ……?


「だから!私が最前線に行くのにゲッツァ君もついてきて欲しいんだよね……!」

「はい?!」


 また大声をあげてしまった……。

 俺も最前線に……?


「1人じゃ多分辿りつかないし……それにゲッツァ君はお父さんの顔もわかるんでしょ……?」

「それはそうですけど……」


 別に悪い提案ではないと思う……。

 俺だっていち早く最前線には戻りたいとは思っているのだから……。


 でも……おばさんのこともあるし……それにラーク姫がこの国を抜け出すのも……。

 問題が大ありだと思う……。


「私は姫さまだし……今まで国のためを思ってやってきたし……この国が今どんな状況なのかとかはなんとなくわかっているの……」


 それはそうだと思う……。

 ラーク姫は人一倍頑張っているのは近くで見てきた俺が一番わかっている……。


「でも……最後の……人生……最初で最後のわがままなの!お父さんには会いたいの!……女王になることも受け入れる!……生まれながらに決められた許嫁との結婚だって受け入れる!この先に当たるだろ役割にも責任を持ってやって行く…………でも、お父さんには会いたい!お父さんは最前線でいつ命だって落とすかわからない状態で、もし無事に魔王が倒せたとしてもお父さんがその時まで生きている保証なんてできない!……だから……だから……今の……今のうちに……会えるチャンスがあるなら……私はお父さんに会いたい……!」


 ラーク姫は涙は浮かべていなかったが必死にこらえて俺に伝えた……。

 本当に強いな……ラーク姫は……。


 俺も同じ状況だったら……自分の気持ちを素直に言えただろうか……。

 言えなかっただろうな……。俺は……。


 こんなことを俺に言うだけでも相当、怖かっただろうな……。


 手だって震えている……。

 そんな覚悟を見せられておいて……俺は……俺は……。


 俺はその場を立ち上がった。


「ゲッツァ君……」


「……わかった!俺がどこまでもお供をしますよラーク姫!」


 俺はそっとラーク姫に手を差し出した……。


「ゲッツァ君……ありがとう……」


 ラーク姫は俺の手を受け取ると、その瞬間にポロポロと目から輝くものが出てきた……。

 震える手を俺は力強く握りしめた……。


「ありがとうなんてとんでもないですよ!俺だっていち早く最前線に行きたかったところだったのでちょうど良かったですよ!」


 少しでも……少しでも……強くて美人で完璧なラーク姫の小さな手を……

 小さな足を……小さな体の支えになれますように……。



 


「じゃあ私……帰るね!今日……ありがとうね!最高の誕生日プレゼントもらっちゃった!」

「いえいえ!とんでもありませんよ!また頼りたいことがあったら言ってくださいね!これからは長い道のりなので!」


 ラーク姫は涙を拭き終わるとお城まで帰っていった。


 そして、俺も家へと帰った。


 俺はラーク姫と魔界へと入り最前線でカルバーツに会う……。

 魔界……久しぶりだな……。


 ラーク姫……。

 これからどんな事があっても俺が支えてみせますよ!


 だって俺はラーク姫が…………


 大好きだから!

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