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白の|運命《さだめ》〜選ばれし白属性魔法として生まれた俺は……〜  作者: 生きてる水


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34、夜2



 で、来たのは……なんと……裏山だ!


 なんと色気のない場所でしょうか……。

 まあ、人気のない場所ってもうここしか思いつかなかったしな……。


 ラーク姫は裏山に着くと仮面を外し、フードを外した。

 フードを外した時、髪の毛が全面的に出る。


 その時に香ってきた髪の匂いはとても、いい匂いだ……。

 なんだかんだ汗まみれの姫しか見ていなかったもんな……。

 風呂上がりはやっぱり髪の毛はいい匂いがするんだな……。

 まあ、いつもいい匂いなのだが……。


「ここは……?」

「俺が普段、魔法を使っているところです!」


 すると、ラーク姫は裏山にある修行スペースを一周し始めた。

 その間に俺が倒した木を見てみたり、砕けた岩なんかをじっくりと見ている。


「なんか……水魔法で壊されたって感じがしないな……こことか……」


 ――ギクッ――


 ポロッとこぼしたその一言に俺は過剰に反応した……。


「まあ気のせいかな!」


 ふ〜〜〜〜〜……。よかった〜!

 勘がいいよな……本当に……。


「それより話したいって……何か話したいことがあるんですか?」


 そうすると、ラーク姫はこちらの方を振り返った。

 俺は一気に感情が高まってきた……。

 なんか体が熱い……。


「うん……!あるよ……」


 可愛い……。

 ラークの表情がしっかり見える……。

 これってもしかして……。



「私のお父さんとお母さんのことなんだけどね!」


 ――――――――


 がっかり……。


 期待した俺がバカだった……。

 まあ……そんなようなことだとも思ったけど……。

 うん……。


「お父さんとお母さんのこと……?」


 俺はそのまま返した。


「そう……!今日、レオにあったじゃん。その時にゲッツァ君にだけ、詳しいこと教えていなくてモヤモヤしたっていうか……なんとなく言わないといけないとって思って!」


 ああ……そんな話があったな……。

 急な展開で俺の頭からそんなこと抜けていたよ!


「ああ……。でも、言いたくなかったら言わなくてもいいよ!俺も人には広めるつもりもないし……。それに広める人もいないっていうか……」

「違うって!私が言いたかったから言いに来たのよ!」


 あ……。

 俺は空回りしていたみたいだな……。


「ごめんなさい!」

「いいのよ!」


 ラーク姫にここまで言わせてしまったんだ、もう逃げないでちゃんと聞こう!


「私のお母さんが罪を犯したって言っていたでしょ?」

「聞いていました!」

「そうなの!私のお母さんは罪を犯したの……その罪っていうのが……許嫁がいたのに別の人と結婚しちゃったていう罪!」


 聞いた時は驚いた……。


 まさかそんな度胸のある男がこの世にいるのか……?

 俺もその人を見習わ…………いや、そんなことはない。

 立派な罪だ!それは許せない!


「そんな出来事が……」

「そうなの……。お母さんから聞いた話なんだけど……昔からお母さんもお父さんも両思いだったらしいの……。でも、お母さんには許嫁がいて……。でも、その男性に30回を超える告白をされたらしくて……それで、お母さんも好きだったから……それでね……」


 すごいなその男は……。


 許嫁がいる人にしかも当時、姫さまだった人物に……。

 そんなぶっ飛んだ人間がいるんだな……。

 ラーク姫は続ける。


「そう結婚したときにお母さんがこの国を飛び出しちゃったらしくて……。それで……それが大問題になっちゃって!」

「確かにそうだね……。許嫁じゃない人と結婚してしかも、この国を飛び出したなら少なくとも2つの問題を起こしているもんね!」

「そうなんだよ!結局……国の人に連れ戻されちゃうんだけど……」


 ってことは……。


「じゃあラーク姫のお父さんは?」

「お父さんは本当は死刑級の罪だったんだけど……実力だけはすごくて水の国の以外の他の国の人たちのおかげで許されてね……それで魔王を倒すまで魔界の最前線から出てはいけないっていう罪に課されたらしいんだけどね……」



 ――――――

 

 なんか聞いたことあるな……。


 俺の身近な人物でそんな人間がいたような……。

 俺は1人の顔が思い浮かんだ……。


「それがお母さんが犯したっていう罪なんだよね……」

「で、お父さん?お父様は?ラーク姫はあったことがあるんですか?」

「いや、だから一回も無くて……」



「ああああ!!!」


 俺は夜中に大きな声を挙げてしまった。


 何かが全て一致したからだ!

 いや、確実にそうだ!


 ラーク姫の父親というのは…………そう!カルバーツだ!


 カルバーツは娘に一度も会えなくてって口癖のように言っていた。

 それにカルバーツに課せられている罪もまったく一緒だ。

 それにカルバーツは俺と同い年の娘がいるとも……。


 完璧に繋がった。


「どうしたの?突然、大きい声をあげて……」

「ごめんなさい!なんか……すごいなって……」

「え?なにが……?」


 ラーク姫は不思議そうな顔をしていた。


 そりゃあそうだ……。

 急に叫んだのだから……。


 でも、どうしたものか……。


 このことをラーク姫に言った方が良いものなのか……言わない方がいいものなのか……。

 俺は頭を悩ませた……。


「それでね……私には目標があってその私のお父さんに会うことなんだよね……今日落ち込んでいたのはもちろん……おじさんが亡くなったこともすごく悲しかったんだけどね……。その報告を聞いたらね……私の知らないところで唯一のお父さんが死んでしまったらって考えちゃって……」


 ラーク姫の目には涙が浮かんでいた。

 大粒の涙がボトボトと床へと落ち始めていた。


「自分の立場上ね……弱いところって見せられなくて……。それでね……海でゲッツァに励ましてもらって……弱いところを見せるならゲッツァかなって……」


 俺はこういう時どうすればよかったのか……。


 ただただ、ひたすらラーク姫が泣き止むまでラーク姫の話を聞いてあげた。

 それしかできなかった……。


 ――――――――


「なんかいっぱい泣いたらスッキリしちゃった!」

「俺で良ければいつでも聞きますよ!」


 本当に聞くだけでよかったのだろうかな……。

 俺が抱きしめられればな……。でも俺にはカルバーツみたいな強さも男気もないからな……今はまだ……。


「ラーク姫!俺もラーク姫に話すことがあります!」


 泣き止んだラーク姫は目を少し膨らませてこちらを覗き込んできた……。

 うん……今はまだ……。


「火魔法“火玉(ファイヤーボール)”、電魔法“電玉(エレキボール)”」


 俺は片手ずつそれぞれの魔法を手に出した。


「へ?」


 ラーク姫の表情は驚いていた……。


「俺も人に言えなかったことがあったんですけど……実は白属性魔法なんです!」


 ラーク姫も秘密を話してくれたのだ……それなら俺も言わなければならないしな!


「白属性魔法!!!!!!」


 今度はラーク姫の方が夜中に大きい声で叫んだ!


「白属性魔法って……あの伝説の……本当に存在したんだ!」

「やっぱり貴重なんですね!」


 いい反応だ!

 ネタバラシのやりがいがある。


「なんか今まで白属性の人に敬語を使われてたのがすごい違和感なんだけど……」

「それは一応、姫様ですから……」


 すると……ラーク姫は先ほど見ていた岩の前へと行った。


 そして、転がっている石をよく見始めた。


「たしかに……これは電魔法の衝撃でしかこんなんにならないしね……。今までゲッツァ君に感じていた違和感や責任感はこれだったのか〜……」

「ラーク姫は勘が鋭すぎてたまに怖かったんですよ!」

 

「でもなんか嬉しいな……」


 俺の嬉しいです……。一緒に秘密を共有できる人がいて……。


「私が白属性の人よりも強いのって……」


 そっちか〜〜い!!!

 

「すぐに追い抜きますよ!」

「いやだね!絶対に負けないもんね!」


 ラーク姫は笑顔だった。

 この笑顔も可愛いものだな……。


「でも、なんで白属性のゲッツァ君がこの国にいるの?しかも結構長い間……」

「話すと長くなるのですが……」

「うん……聞くよ!興味があるもん!」

「じゃあ話しますね……」


 多分ラーク姫なら大丈夫だろう……。

 なんたってカルバーツの娘だ。それだけで信用できる……。


 それに……俺にもできたこういう話ができる人物だ!

 全部を話そう……。

 カルバーツのことも含めて……。



 俺はその夜にラーク姫に俺の全てを話した。


 魔界で双子として生まれたこと……。

 生まれた時に父親はもう死んでいて、俺を産んだ瞬間、母親も同じく死んだこと。

 双子の妹、ミュウラも白属性で今も多分どこかで生きているということ……。


 そして、魔界のホールグリットで5歳まで育ったこと。

 カルバーツに助けられてシーエーさんに育てられたこと。

 3歳から、魔法を始めたこと。


 5歳の頃に最前線が一気に後退して魔物がホールグリットまで飲み込んだこと。

 その際に俺の命の恩人のカルバーツが俺をこの水の国へと導いたこと。

 シーエーさんの協力もあり無事に水の国へと辿り着いたこと。


 そこからシーエーさんのおばさんの家で住まわせてもらっていること。

 シーエーさんも魔界の最前線へと帰ったこと。


 そこから少年学校に入学したこと。


 将来はカルバーツのために最前線へと行き、カルバーツや最前線のみんなの役に立つこと。

 そのために少年学校で力をつけていること。


 そして、カルバーツがラーク姫のお父さんであること……。


 正直、それを聞いた時は何度も聞き返された。「なんで?」「本当に?」って……。


 俺も確信はないが、カルバーツの巾着袋や罪が重なっている点や娘にあったことがないという点も全ての根拠を話すと、ラーク姫もだんだんと信憑性を増していった。


 そして、ラーク姫がカルバーツを父親だと確信を得ると、どんな父親だったのかと強烈な質問攻め!

 こんなに熱くなっているラーク姫は初めて見たかもしれないな……。


 その質問に対して、全て答えた。


 カルバーツの悪いところはしっかり隠してやったが……。

 パンツ忘れや、俺が幼いときに授乳を見たこととかな……。


 実の娘にはカッコ良い父親でありたいだろうしな!

 これで貸し1としよう!

 そんなこと言ったら俺はカルバーツに何個借りているんだろうな……。


 そのカルバーツの話を聞いているラーク姫はすごく楽しそうだった。

 とても笑っていた……。

 いつまでもこの笑顔を横で見ていたいものだな……。

 できるならな……。


 俺はこの日に全部をラーク姫にか立つことができたと思う……。

 転生をしたということを伏せてね……。


 2人の話に花がたくさん咲いた……。

 2人とも何回笑っただろう……。

 何回楽しいと感じただろう……。

 何回……幸せと感じただろう……。

 

 そんな話をずっと続けていたらいつの間にか朝日の光が登ってきていた。

 朝日が2人の目元を刺激した。


「いつの間にそんな時間だったんだね!」


 もう……こんな時間だったんだな……。

 人生、初のオールだな……。


「本当だ……。全然、眠くないんだけどね……」

「わたしも〜!」


 そう言うと2人で笑った。


「じゃあそろそろ解散しようか……そろそろ見張り兵が増える頃だと思うから……」

「わかった……気をつけてね!絶対に見つからないようにね!」

「うん!大丈夫よ!だってわたしは白属性さんよりも強い姫さまなんだからね!見つかるわけないでしょ!」

「白属性より強いは余計だな……」


 そして、2人は裏山を去ることとなった。


 ラーク姫はお城に帰る直前に俺の腕をグッと掴むと、


「また……ここに来ていい?」


 って……。


 それには「もちろん」と答えた。うん……。答えられた。


 そして、2人は無事に解散した。


 ちなみに、次に会うときは俺が今日の芝生で寝転んでいればいいらしい……。


 そうすると、ラーク姫がその場所へと来てくれるらしい。

 で、1時間ほど待っても来なかったら今日はダメだというサインらしい。

 

 まあ姫さまは忙しいからな……。


 それにしても……1時間も待つってさすがに長すぎでは……?

 俺ってそんなに暇って思われているのかな……。

 まあ、俺的には会えるだけで嬉しいからいいけど……。


 それに俺の目標はカルバーツだ!

 カルバーツは難関な相手に30回を超える撃沈をしたのだ……。

 それに比べれば1時間なんか屁でもなんでもない……。


 力以外でも心の方でもカルバーツが目標になるなんてな……。

 本当に俺にとってカルバーツとは偉大な人物だな……。


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