32、関係3
「ただいま〜!」
「おかえりなさ〜い!今日は早かったね〜!」
いつもと変わらず元気で暖かい声だな……。
「今日のご飯は〜?」
「今日はこれも……あれも……これに……あれに……」
――――――――
美味しいご飯で腹を満たした後、暖かい湯を体に浴びていつもより早く布団へと着いた。
今日の出来事のことを俺は振り返っていた……。
ラーク姫……。
レオ……。
水の国……。
女王……。
この国ではなにが起きていたのか……。
それにラーク姫はなにを背負っているのか……。
この国の女王様は何度か見かけたことがある!
孤高で美しく誰よりも先を見ているような気がした。
そんな女王様がどんな事件を起こしたのと言うのか……。
そして、今頃ラーク姫はなにをしているのだろうか……。
大丈夫なのかな……。
ひどく落ち込んでいたようにも感じていたし……。
今日は眠れないな……。
今回は初恋の時とも違うし失恋の時とも違うような感覚だ!
落ち着いた状態でラーク姫のことだけを考えてしまう……。
好きとかではない……。
いや、好きな気持ちはもちろんあるんだけど、その感情よりも心配が勝つっていうか……。
時刻を確認すると、もう12歳はとっくに寝ている時間だよな……。
俺は布団から起き上がると、家の外へと出た!
寝れないから散歩して冷たい風に当たれば体も心も落ち着くかなって!
おばさんはもう寝ているし、余計な心配をかけないようにしよ!
明日から長期休みだし!
学校も無いし……まあ、朝練はもちろんするつもりだが……。
多少の夜更かしは許されるだろうな……。
城下町の方へと出てきた。
城下町では酒場だけが灯りを灯していた。
そして、おっさんの汚い叫び声が聞こえてくる……。
多分、この国で勤めている兵士だろうな……。
最前線でみんなが頑張っている間にこんな馬鹿騒ぎしている人間もいるんだな……。
授業でも習ったが、少年学校を卒業した後はそれぞれ進路が選べるらしい。
国に仕えて国を守る兵士。
最前線へと行き魔族と戦争を行う戦士。
そのどちらにもならない者はそれぞれが自分の道へとを選べるらしい。
どちらにもならない者はそのへんで商店街を出したり、冒険者となってギルドに所属してギルドに課されるクエストを行い金を稼ぐ。
俺はもちろん戦士になる予定だ!
進んで戦士になるものは少ないらしい。
兵士よりも給料が良いため、金に困っている者がなるケースが多いらしい。
そのため、強さを持ち合わせている貴族はなかなかならず、最前線に強き者を送れていないらしい……。
本当にこの世界のために戦おうとしている者たちはどのくらいいるのだろうな……。
まあ、死に直面する仕事なんだからな……。
怖い者もいるのは当たり前だからな……。
それにラーク姫は当然、女王になるだろうし……。
レオが王様か……。
ラーク姫は大丈夫かな……
そんなことを考えているといつの間にか目の前にはお城がある。
ここは水の国のお城……。青城だ!
ここに女王様やラーク姫やレオなど、王族が住んでいる。
お城だからとても広い!
まじでこの中で何人の人が住めるんだと言うぐらいに……。
なぜここに来たのだろうな……。
こんなところに来たことは今までなかったのに……。
あまりこの国に深く関わらないようにしようと考えていたからな!
それは当然か……こんなに危険なところ……。
お城のテッペンにはキンキラキンに輝いている。
あそこが多分、王の間だろうな……。
あの辺りにラーク姫は住んでいるんだろうな……。
気がついたらラーク姫のことを考えているな……。
城の門の前には兵士が2人ほど警備をしている。
まあ、入ろうなんて思ってもいないけどさ……!
まあ帰ってもまだ寝れなさそうだし……せっかく目の前にお城があるんだ!
眺めているだけで歴史的な建造物という感じで特別な気分になる……。
とりあえず……眠くなるまではこの青城を眺めていようかな……。
俺は城門がある横の小道の方へと入るとちょうど良い角度でお城を堪能できる場所があった。
しかも、そこにはいい感じに芝生が敷かれている……。
ここしかないな!
俺は寝っ転がった。
星と共に見るお城はとても綺麗だな……。
そんなことを考えながら俺はお城を堪能していた。
もう酔っ払いたちも帰宅する頃だろう……。
俺はまったく眠くなっていない……。
はて?いつになったら眠くなるのだろうな……。
俺はずっとお城を眺めているだけだった。
眠くならない……。
でも、もういいかな……。
家に帰って布団につけば眠くなるもんだもんな……。
俺は立ち上がった。
よし!帰るか!
俺は家へと向かおうとした。
なぜ、俺は今日……こんなところに……夜遅くに来たんだろうな……。
いても経っていられなかったのかな……?
――――――――
「ねえ!」
急に腕をグッと掴まれた……。
――ビクッ――
こんな夜遅くに……。
やべえ!何かに巻き込まれていたのか俺は……。
「はい…………」
俺は返事をすると恐る恐る俺の手を掴む人物に目線をスライドしていく……。
俺を握り締めている手は小さい方かな……。力もそんなに掛かっていない感覚だ……。
俺を掴む腕はとても細い……女の子か?
肩からかかっているのはなんだ?白いフード付きのローブみたいなやつなのかな……。
そして、顔は……。
――――――
「ヒヒャア!!!」
俺は驚いた。
謎の仮面をつけている人物がいたのだ!そこに……。
でも、その仮面はどこかで見覚えがあるような……。
「ごめんごめん!驚かせるつもりじゃなかったんだけど……!」
この声も聞いたことがあるな……。
もしや……
「ラーク姫!?」
月明かりが2人をスポットライトのようにして照らし出した。




