表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白の|運命《さだめ》〜選ばれし白属性魔法として生まれた俺は……〜  作者: 生きてる水


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/60

28、6年も経つのか・・・


 早朝、俺はいつも通りに裏山に篭っていた。


「水魔法“水玉(ウォーターボール)”、火魔法“火玉(ファイヤーボール)”」


 俺は片手ずつでそれぞれ放つとバク転を二回ほどして後ろへと後退した。


 決して変なことをしているわけではない。

 これは自分なりに相手をイメージして実戦を想定して行っている。


「土魔法“土壁(ソイルウォール)”」


 俺は土の壁を作り出す……。


 しかし、どこか安心感が無く、すぐに崩れ落ちそうな壁だ。

 まだ土魔法には慣れないな……。


「草魔法“つる”!」


 俺はつるを両手から伸ばすように出すと、ちょうど上の方にあった木の枝へと巻きつける。

 よし!


 ――――――


 俺は力強く引っ張り、木の上へと移動する。

 ダサいダサいと言って後回しにしていた草魔法……。

 唯一使える草魔法がこのつる植物を巻きつける魔法だけだ……。

 今のところはこのぐらいにしか草魔法を活用することができない。


 …………。まあいいか……。

 俺はつるの遠心力を利用してぐるーっと上空を一周する。

 まるで、ターザンになったような気分だ!


 よし!

 俺はつるを手から離すと、中へと舞う。


 そして、下に見える大岩をロックオンする。


「電魔法“電哭墜(でんこくつい)”」


 振りかぶった踵に最大限の電魔法を集中した。

 

 ―――バッコン―――


 岩は真っ二つへと割れた。


「ふう……。今日はこれくらいにしてやるか……」


 俺はそうこぼすと、荷物をまとめる。





 俺は12歳となった。


 この国に来てから6年が経過した。


 早いものだな6年というのは……。

 けれど、特に変わり映えのない日常を送っている。


 朝起きたらこの裏山で朝練という名の修行。


 そして、学校へと行き授業を受ける。

 授業が終われば急いで帰ってきてまた裏庭で部活という名の修行。


 本当に何も変わっていない。

 でも、日常以外は変わった気がする。


 まずは身長だ。今は155センチほどある。

 12歳とは向こうの世界でいう小学6年生と同じだ。


 まあ平均ぐらいの身長なのかな……。

 個人的には低くないとは思うのだが……。


 それから学力だ。


 しっかりと毎日、授業を真面目に6年間受けてきた。

 向こうの世界で母親に会えたのならこのことを自慢するだろう。

 向こうの世界では全くしてきていなかったからな……。


 この前の筆記試験では13位。

 良いだろう……。


 そもそもに1000人以上いる中の13位だ。


 もう一度言う!いいだろう!

 たまに一桁代にも入れるのだが……。今回は体調が悪かったからなテストの時……。うん……嘘ではない!体調が悪かったのだ……。


 それから一番変わったのは魔法だろう。


 ここが一番、重点を置いて取り組んできたところだ。

 6、7歳の頃は火魔法、電魔法、水魔法の3種類の魔法しか使えなかったが、今はそれに加えて土魔法と草魔法が使える。


 まあ、土魔法はボチボチだが、草魔法は使えると言っていいほどの代物なのかも分からない……。

 まあ、実戦では絶対と言っていいほど、使えないだろうな……。


 まあ、そんな新しい属性の魔法を使えるようになったことも進歩だが、やはり火魔法、電魔法、水魔法のレベルは大いに上がっただろう。


 やはり、この3つの魔法はかっこいいし、使いやすいし、いいところしかない。


 それに、昔は火魔法や電魔法が得意魔法としていたが、今は水魔法のレベルが一番高いだろう……。


 理由としては嫌でも、一番使う魔法だから!


 水の国の少年学校に通っているのだからそれは当たり前だよな……。

 正直に俺の水魔法は相当強いと思う。


 たまに、水の国の兵士がトレーニングとして水魔法を使っているのを見かけることがある。

 どの兵士を見ても俺の水魔法には敵わなそうだ……。


 そんなレベルアップした俺の少年学校での魔法の成績はというと――

 2位だ……。


 1位はずっとラーク姫……。


 差は開いてはいないが縮んできている気もしない……。

 俺が成長すればラーク姫も成長する。


 おかげで、万年の2位だ。


 そして、毎年1回開催される統括テストでは毎回決勝でラーク姫に負けている……。

 補足で言うと、レオには毎年準決で勝っている!


 もう、決勝戦は毎回調整を行い、気合を入れ万全な状態で臨むのだが……軽くあしらわれてしまう……。

 まあ、さすがとしか言いようがない……。


 でも、俺が白属性として、火魔法や電魔法を一緒に使えば……ワンチャンあるかないかの戦いはできると思う!

 まあ、ワンチャンに期待している時点でラーク姫の実力の方が上なのは確実だろうな……。

 それに、ラーク姫の上にはシーエーさんや最前線で俺に魔法を教えてくれていたみんな……。


 そして……カルバーツ!


 成長してから分かるが、あそこにいた人間達は誰もが実力者だ!

 そんな者たちに魔法を教えてもらえていたのだから俺は感謝しないとな!


 最前線のみんなは元気にやっているのかな〜……。


 たまに……本当にたまにシーエーさんから手紙が届く。

 状況とかは親を心配させないためか伏せてはいたが、全員無事でいるらしい。


 正直にそれだけで十分だ。

 俺が行くまで……待っててくれ!


 そして、ラーク姫との関係性についてだ。


 関係性は……何も変わっていない……。

 あの日から……。

 

 学校では話さないと決めてから徹底して話していない。

 もう、話さないのには慣れたしな……。


 今だから分かる……。


 俺は……あの時の俺は……ラーク姫が好きだったのだと思う。


 ラーク姫に会いたくて毎日、楽しみにしていたし……修行を頑張りたいと言うよりラーク姫と話したくて朝早くから学校へと行っていたのだと思う。


 そして、ラーク姫に会うたびに話すたびに俺の心臓はドラムセットのように産声を上げていた。


 しかし、許嫁がいると聞いた瞬間、俺のドラムはなることが無くなった……。


 あの日のことは今でも色こく覚えている……。

 自分やおばさん……ラーク姫のことを守るために決断したが……自分の感情はそこにあったのだろうか……。

 流暢に合理的な事ばかりを言っていたような気がしたしな……。


 まあ、これが俺の初恋で失恋だったのだろうな……。

 7歳で失恋って……ませすぎかな……。


 まあ、あれから話すことも距離も離れればそういう感情は無くなるものだ。

 今はラーク姫のことを見ても何も思わない。


 それに、レオも……。


 正直にこの国に住んでいる者たちへ興味がない。

 でも、今みたいに何不自由なく生活が送れている。

 毎日、人気がないところで朝練を行い、夜練も行える。

 これ以上はもう何も求めていない。


 ただただ、強さだけを求めて生活を送っている。

 まあ、ラーク姫には好意は抱いてはいないが越えるべき壁とは感じている。

 そういう意味では興味は多少はあるかな……。


 そんなものかな……。

 特に6年も経過したけどおばさんは変わらず元気だし……。

 ごはんの腕は落ちないし……むしろ上がっているようにも感じる。

 変わらずに優しいし……。

 老けてもいないっぽいっし!子供の俺が近くにいるから老けていないのかな?


 まあ、毎日が幸せそうだからいいか!

 おばさんの笑顔を見せる瞬間が俺があの時、ラーク姫と決断した選択が間違えではなかったと思える唯一の瞬間だからな……。

 おばさんはこれからも大切にしないとな……。


 6年経った現状はこんな感じかな……。

 そんなことを考えながら歩いているといつの間にか学校だ……。



 ――キーンコーンカーンコーン――


 チャイムと同時に俺は教室の扉を開けた。

 

 教室中から俺は注目の視線浴びる……。

 もう生徒は席についている。

 俺が毎日、人から注目を浴びる唯一と言っていい瞬間だ。


 俺は席へと着く。

 横にはレオ!


 これも変わらない点だ。

 レオも成績はずっとトップを維持せているからな……。


 それに、こいつは顔立ちがなんとなくカッコよくなってきている気がする……。

 金髪でイケメン……。


 そこが唯一俺がこいつに劣っている点だ……。

 まあ、ラーク姫とレオの組み合わせは美男美女で見栄えもいいしな……。


 ちなみに俺も前の世界の坊主に比べたらこちらの世界の方が顔立ちは良いと思う。

 白髪の天パだが……。


 それにこっちの世界では肌荒れが全くもってしない……。

 ニキビが全くできないのだ……。


 クラス全員……というか肌荒れをしている人を見たことがないような気がする。

 これもこっちの世界の特権かな……。


 先ほども言ったが俺はこの朝しかみんなに注目を浴びる機会しかない。

 とりあえず、友達はいない……。


 1人も……。


 それに学校で喋っているかな?

 ラーク姫と話さなくなってから数えるぐらいしか話していないのではないかな……?

 まあルールとして、名前を呼ばれたらちゃんと「はい!」と元気よく返事をするが……。


 だから、クラスのみんなは俺がただただ、魔法が2位なだけの影の薄い人物だと思っている。


 まあ、注目を浴びないに越したことがない。

 そのため、俺が白属性ということは6年間も隠し通せているし……。


 それはそうと、今日はちょうど……統括テストだ!

 学年が上がると統括テストを行う回数も増えてきて今は年に3回行う。


 今日はその3回目だ。


 そして、今日が終われば長期休み!

 まあ、特に関係はないが……。


 でも、統括テストでラーク姫と戦える回数はリミットが近づいてきている。

 この少年学校は15歳の年に卒業だ。


 そしたら、それぞれが他の道へと進む。

 俺は卒業をしたら真っ先に最前線に向かうが……ラーク姫は違うだろう……。

 姫という立場だもんな……。


 だからあと3年でラーク姫を絶対に倒す!

 それが俺の今の目標だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ