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白の|運命《さだめ》〜選ばれし白属性魔法として生まれた俺は……〜  作者: 生きてる水


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21、心惹3


 俺は仰向けで魔道場の天井を呆然と眺めていた……。

 余裕で負けた……。


 まあ勝てるとは思っていなかったが……。予想通りの結果だ……。

 でも、怪我とかは全くしていない。

 ラーク姫がうまい具合に魔法の力を調整してくれていたのだろう……。


 ただただ、天井を見つめている……。


「私の勝ち〜!」


 ラーク姫は仰向けになっている俺の視界に入ると俺に向けてピースをしてきた。


「ちょっとは俺の攻撃も受けてくださいよ!」


 正直、俺の攻撃は一発も入らなかった……。


「いやだよ……。負けるのはいやだし……」


 意外と負けず嫌いなんだな……。

 俺は仰向けになっていた体勢を起こした。


「完敗ですね〜」

「うん!私の圧勝だね!」

「もう一回どうですか?」

「いやだ!そうしたらもう一回、もう一回て収集がつかなくなりそうだから……。さっきのは今日だけの特別ね!」


 ってことは俺とは戦ってくれないってことか……。


 残念だな……。

 まあ一戦できただけでも収穫だ。


 俺は立ち上がると服についた砂埃を落とし始める。


「ゲッツァ君、テストはどうだったの?」

「魔法の試験が2位で……筆記の試験が2…6位だったかな……ラーク姫は?」

「もちろん両方1位だったよ!」


 “もちろん“というのは取れて当たり前ということか……。


「さすがですね!」

「そりゃそうだよ!私は一応、この国の姫なんだからね!成績が悪かったら国からなんて言われるか……」


 姫ならではのプレッシャーだな……。


「だから毎日ここで朝も放課後も魔法の修行をしているんですか?」

「まあ、それもあるけど……。単純に私、魔法が好きだからな〜!ゲッツァ君はなんで毎日頑張っているの?」


 ……。白属性だということは言ってはいけないな……。

 適当に誤魔化そう


「約束をしたんですよ!強くなるっていう……」

「そうなんだね!かっこいいね!」


 ――――――


 かっこいい……。


 生まれて初めて言われたぜ!!


 それに言われた子というのが……学年1の美女!頭脳魔法明晰のお姫様だ!

 テンションが上がる……。


「いやいや……。そんなこと言ったらラーク姫の方がかっこいいですよ!そんな強さがありながら直向きに努力しているんですよ!ちょっと寄り道をして欲しいですよ!」


 俺は必死にテレを隠しながら答える。


「なら、ゲッツァ君も寄り道してよね?」

「俺はそこまで強くないからする時間が無いんですよ!」

「じゃあ私も無いね!」


 2人の会話で笑顔が咲いた。


 このように永遠に会話したい気分だ……。

 楽しい……。


 と思っていると、俺の頭の中からシーエーさんが現れてきた。


「他の魔法を疎かにするな!」って……。

 今日はこの辺にするか……。


「じゃあ俺はこの辺で行きますね!」

「もう行っちゃうの?」


 もうって……。まだいて欲しいってことか……。


「一応、予定がありまして……」

「そうなんだね……。予定あるのにごめんね!」

「いや、楽しかったんで来てよかったですよ!」


 俺は魔道場の端の方へと置いた荷物をまとめると担いだ。


「じゃあお疲れ様です!」

「お疲れね!次も絶対に負けないからね!」


 ラーク姫は帰り行く俺の目をしっかりと見つめて軽くニコッと微笑んだ。


 ――――ドキッ――――


 その笑顔を見た時に俺の心臓に衝撃が走った……。


 水色の髪を靡かせたその女の子の表情に……。

 サラサラというか……。サラサラを超えてトゥルントゥルンな髪の毛は少女の美しさを寄り際立てる。


 切れ長で大きな瞳はとても輝いている。

 それに加えて姫という清潔感が全面に出ている……。


 俺……きもいかも……。

 

 俺は急いで魔道場を後にした。


 前回も似たように急いで後にしたことがあった。

 あの時はラーク姫の才能があるのに努力を直向きにする姿に悔しさを覚えての複雑な感情であった。

 でも今回は……少し、違う……。


 


 俺は家には向かわずに裏山へと駆け込んだ。


「ハアハアハアハア……」


 なんだこの感情は……。


 今まで、こんな気持ちになるのは初めてだ……。

 前世から女子と関わる機会というか話すことすらほとんどなかったからな……。

 でも、今回の感情は……少し特別というか……。

 脳内にはラーク姫の笑った表情が染み付いている。


 ――――――


 なんとなく考えてしまう……。

 ラーク姫という正統派美人の顔が……。

 こんなことを考えている自分が許せない……。


 ――パチンッ――


 俺は両手で自分の頬を叩いた。

 痛い……。多分、俺の頬は赤くもみじができているだろう……。


「おし!修行に集中するぞ!」


 そこから俺は修行に打ち込むのであった。

 でも、なかなか集中力が保てなかったのを覚えている。


 家に帰ってからもそんな感じだ。

 俺は夕飯を食べていたのだが……。


「どうしたの?ボーッとしちゃって……!」


 とおばさんに言われた。


「いい、いや……ちょっと考えごと!」

「悩み?おばさんでよかったら聞くよ?」

「いやあ……もう解決したから大丈夫だよ!」

「そう?ならよかった!」


 ラーク姫のことを考えていたなんて言えないな……。


 それから風呂から上がった後にも、おばさんから「今日は長風呂だね!」と一言……。


 そこまで長く入っていた気はしないのだが……。

 風呂でも俺の頭にはラーク姫の顔が思い浮かんでいた……。


 よし!今日は多分、疲れたのだな……。

 そうだ……。


 こんなにボーッとしてしまったり、集中力がもたない日は早く寝るに限るんだ。

 今日は試験もあって疲労困憊なのだ……。

 俺はシーエーさんの部屋でいつもより早く就寝することにする。


 ――――――


 寝れないな……。


 目を瞑ると……なんとなく……ラーク姫を……。

 結局、この日はなかなか寝付けずにいた。



 ♢ ♢ ♢


 

 次の日は大幅な寝坊だ。

 遅れて朝練へと行くとラーク姫は不思議そうな顔をしている……。


「今日は遅かったね!」

「うううううんん……」


 俺は動揺しているな……。

 


 なんとなく顔が合わせずらい日が続くのであった。

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