16、ラーク
髪の色は薄い水色で方ぐらいまである。ボブという感じか。それに髪の毛がトゥルントゥルンだ。サラサラではない。トゥルントゥルンでクリーミーな感じだ。
体には上品なコートを羽織っていて、いかにも王族という感じだ。
でも、同い年なのだろう。体の線は細くとても女の子らしいと言った印象だ。
そして、遠くからなので良くはわからないが、顔が小さく目がパッチリとしている印象だ。
5、6歳ながらに顔立ちは整っている感じ。
可愛い系というより、綺麗という言葉が似合うだろう
しかし、そんな少女がこの強力な魔法を放ったとは考えられない。というか考えたくない。
俺は、今まで結構な修行を積んできたつもりなのだが……悔しいな……。
この少女は一体何者なんだ……。
そんな疑問を抱いていると会場全体から、
――パチパチ――
拍手が発生した。
その拍手は一人から会場を呑むように巻き込んでいった。
「ラーク姫〜!」
「ラーク様〜!流石です〜!」
「さすが水の国の姫!桁が違いますね!」
会場中はそんな声で溢れかえった。
ラーク姫……。
この国の女王の娘と言う訳か……。
シーエーさんから聞いたことがある。
この国は貴族階級によって魔法の強さが変わっている。
王族>上級貴族>中級貴族>下級貴族>平民
と言う感じに魔法が強さがあるらしい。
まあ人によって個人差があるらしいのだが、大体、こんな感じだろう。
大昔に実力至上主義のこの世界で水の国を作った時に魔法が強いものから上の役職を与えていったらこのような形になったらしい。
そのため、自ずと階級が上なほど魔法の扱いが長けていると言う事になる。
シーエーさん曰く、この世界は生まれながらの遺伝子は努力以上に大事な事らしい。
だから、白属性として生まれた俺のことをよく「いいな〜」と言っていたのを覚えている。
これが王族の……いや、王の遺伝子か……。
俺は先ほどまであれほど気を使っていたのにそんな気が一切起きなくなった。
これは……少年学校に来てよかった……。
俺は本気でそう思った。
これも運が良かったのだろう。
王の家系の子供と一緒の年に生まれたと言うことが……まさか、これを知っていてカルバールは……。
そんなことないか!あいつはバカだ!
ラーク姫は凛とした様子で試験会場を後にする。
扉の前で立ち尽くしていた俺はラーク姫がちょうど横を通りかかった。
ものすごく迫力のある目つきをしていた。
王のオーラというやつか……。
あと、単純に良い香りがした。
最初にいた試験会場へ戻り、おばさんが作ってくれた弁当を食べたりなんだりして、それなりに時間が経つと生徒が全員戻ってきた。
これで全員の試験が終わったのだろう。
もう、夕方になる頃だろう。学校でいう5限終わりくらいだ。
まあ驚かされることは多かったが、全力は尽くすことができただろう。
満足だ!
ステージに先生が登壇した。
「以上で試験を終了する!」
よし!これでやっと帰れる。
帰ったらモチベーションが上がっているところ、いち早く修行がしたい気分だ。
あんなのを見せられたら触発されて仕方がない……。と思ったのだが……。
「これから今日のテスト結果とクラスを発表します!」
……え?早くね……?さっき終わったばっかりなのに……。
さすが、水の国の少年学校。全てが早い。教育に力を入れているのがひしひしと伝わってくる。
先生方はまた数十人が一斉になって移動し始めると、一人一人に紙を配り始めた。
先生方もさすがだ。1000人近くいる生徒を数十人の先生方で数分で配り終えてしまうのだもの……。
俺は手元に配られた紙を見る。
魔法試験―3位 筆記試験―39位
クラス―1
なかなかの成績じゃないか……。
クラスが1と言うことは一番上のクラスだな。
まあ1000人中と言うことだから良い方だ良い方……。かなり良い方。
向こうの世界で14年間生きてきたのにも関わらず、筆記試験が39位と言うのは忘れよう。
単純に考えれば14歳が6歳に学力で負けると言うことだ。
まあ向こうの世界ではろくに授業を受けていなかったしな……。それに俺は……。よし、子供としてまっとう出来ている。
当然、魔法の1位はラーク姫だろう……。俺の上にもう一人いるのは少し悔しいが明日へのやる気に繋がるだろう。
「外に全体成績も貼ってあるから見たいものは見るように……それでは明日からこのクラスで授業を開始する!素晴らしい戦士が育つように我々も尽力するので生徒達も直向きに頑張るように……それでは入学試験を終了する……解散!」
そう宣言で無事試験が終了した。
一斉に帰っていく生徒の中をかき分けるように出る真似はしない。
少し待ってから出よう……。
俺は少し待つ事にする。
そう言えばラーク姫……ラーク姫……。
やはり気になる存在だ。自然と意識をしてしまう。
会場にはもうラーク姫はいなかった。
人気が少なくなってきたところで俺はついに少年学校から出る事にした。
色々あったけど、充実した1日であった。
やはり、この少年学校というところへ来て良かったと感じる。
そう言えば……少年学校の外に全体の成績表が貼ってあるとか言っていたな……。
俺は外へ出るとその成績表を探し回った。
意外と玄関の真横に貼ってあった。
色々探し回ったのだが……。
まあ見つかればそれで良し!
成績表はクラスによって張り出されていた。
クラス1……。クラス1……。
あった……。
クラス1の成績表は右から一番端に張り出されていた。
上から試験結果を見ていく。
ラーク・フリップ
魔法試験―1位 筆記試験―1位
やはり両方とも1位だった。
魔法だけでなく学業でも1位となると本当にすごいものだ。
そして、さらに下を見ていく。
レオ・フェルナンデス
魔法試験―2位 筆記試験―2位
レオと呼ばれるやつも要注意だな……。
今日は見かけなかったけど……。
まあ、明日教室に行けば見ることができるだろう……。
水魔法は得意な魔法ではないが、魔法試験で負けているんだ。
レオ・フェルナンデス……。
俺の胸に刻んでおこう。
さらに下を見ていくとある事に気づく。
みんな苗字がある。下の名前と言うのか……。
これがあるか無いかで上級貴族か、王族かの判断をしていたのか……。
確かに俺はただのゲッツァだ!
しかし、みんなには何かしらのロングネームがついている。
長老先生はこれを基準に魔法試験を行うか行わないかを判断していたのだな……。
でも、このクラス40人の中で1人だけただのゲッツァというのはとても恥ずかしい感じがするな……。
まあ、魔法を鍛えるためだ。仕方がない……。
俺はある程度みんなの順位を把握してから家へと帰った。
「おかえり〜!ご飯できたわよ〜」
おばさんのご飯はやはり美味だ。
俺はおばさんのご飯を食べ終わるとすぐに裏山へと向かった。
体がウジウジしていて仕方がなかった。
今日からギアを入れ直し、修行をしていく。
水魔法でクラス1番になる!
それを目標に俺は覚悟を決めた。
しかし、水魔法ばかりやって他の魔法を疎かにするのはシーエーさんに怒られそうだ……。
まあ、今日ぐらいは水魔法だけ修行しても怒られないかな……。
俺は服を脱ぎ、上半身裸になると気合を入れ修行に取り掛かるのであった!




