プロローグ
「ふぅ、ここまでこれば大丈夫だろう。」
俺の名前は笠桐當真というものだ。この街で麻薬の運び屋をやらせてもらっているんだが、どうやらサツに嗅ぎつけられたみたいで今逃走中ってわけだ。
「あそこにいたぞ!追え!」
「チッ、来やがったか。急いでこのブツを届けないと。」
今回の仕事は、なかなか配達に難ありな場所に配達だからな。
「【魔法創造】『サンダーアロー』。」
「うわっ!あぶね!」
小さな声が聞こえたと思ったら急に前から光ってくるものが飛んできたんだが?
間一髪だったぜ、危ねぇ危ねぇ。
「すごいね。いまのを避けるとは。 ところで君、そんな物持って何処に行くんだい?まさか麻薬なんてもの持ってたりしないよね?まぁ、君が何を持っているのか知ってるから魔法をうったんだけどね。」
「お前何者だ!」
「僕かい、僕は笠桐當真が麻薬をある業者に運んでいるっていうタレコミを聞いてね、ここに来た、魔法特務課の月詠章だよ。以後お見知りおきを。」
「魔法特務課だと!お前みたいな髪の毛3色頭の気持ち悪ぃガキが、そんなわけ無いだろ!」
なんで、髪の毛の色が左から赤、黒、青の3色なんだよ。最近の若者の流行りか?っていうか魔法特務課だった場合は本当にめんどくさいことになるから嫌なんだが。
「いや、本当だよ。だって実際に魔法使って君に攻撃したじゃんか。」
「さっきのはお前の魔法か。ガキのくせにやるじゃねぇか。だがな、俺も魔法が使えないとは言っていないぜ!【岩石排出】!」
「なかなかいい魔法だね。だけどこんなものは拳で砕くことができるんだよ。」
この三色頭のガキ、サッカーボール位の大きさの岩石を拳で砕きやがった。なんてやつだ。普通、16歳くらいの子供がサッカーボール位の大きさの岩石を拳で砕けるもんなのか?
「まさか、これで終わりかい?こんな魔法、普通の警察にバリケード2,3重張られちゃったら効かないよ。こんなことしてないで岩の加工場で働けばよかったのに。もったいない、宝の持ち腐れだよ。」
「お前に何がわかるんだよ!そんな仕事するくらいならこの仕事のほうが金がいいんだよ。この金を毎回病気で倒れている母親に仕送りしてるんだ。だからな仕方なかったんだ....」
本当に病院で入院しているからな、とっとと、こんなが三色頭のガキをほっぽといてカネを受け取って入院費に当てたいだよなぁ。
「残念だけど、君に母親に仕送りすることは当分できそうに無いようだね。」
「なぜだ!」
「簡単な話だよ。君はこれから僕が署に連行するんだから。」
「そんなのゴメンだね。【岩石排出】じゃあな魔法特務課さんよ。」
「あっ、岩で壁を作って逃げたか。まぁ意味ないんんだけどね。【魔法創造】ほらいけ『バインドロープ』。」
ん?やっべ!縄が飛んできた。この速度じゃ捕まる!あ〜〜〜〜〜。
「よし、ちゃんと捕まえられたみたいだね。よかった、よかった。」
「くそ、この縄を解きやがれ!」
「そんなに力を入れても無駄だよ。この縄は魔法で作った縄で使用者の指定したものを拘束する能力が付与されてるからね。いい加減にお縄につきな。』
「ん〜〜〜〜〜!はぁ〜。もう、降参だ。」
「素直でよろしい。じゃあ署に向かうよ。【魔法創造】『空間転移 警視庁報告所』
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「よし転移できた。君はちょっと待っててね。すみませ〜ん。影山さんいますか?」
くそ、捕まっちまったら仕方ねぇ。この縄のせいで身動き一つもできないからな。あー血栓できそうw
「おまたせー。じゃ、あとはこの影山さんって人がやってくれるから僕はここでバイバイ〜」
あーあ、大人しく牢に入ってるかな。