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私、怪盗やってます。  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第二章 ヤバそうな組織と対立することになった件
7/10

7. 両親ピンチ!?

 1週間後、警察署では厳重な警備が行われていた。警察が警察署を警備しているという何とも言えない状況に、私たちは…特に驚いていなかった。先週得た情報通り、組織が警察署襲撃に向けて動き出したことは分かっている。どうやら今日、本当に襲撃するつもりらしい。標的は奏の両親。警察のサイバー犯罪対策課で働いており、今回狙われている組織のコンピュータにアクセスしたことがある。それがきっかけで国際的犯罪組織であるそのヤバい組織に狙われることになってしまったわけだ。私たちもその組織に潜入したリ情報を集めたりしているが今のところ目を付けられてはいないようだ。しかし、だまって奏の両親の危機を見過ごすわけにはいかない。両親と離れて暮らしているとはいえ、奏は両親のことが大好きなのだ。離れている理由も警察に泊まり込みで仕事をしているからであって家庭環境はとても良かった。今日のために奏は新作のアイテムを多数製作してくれた。私たちは今回、奏の両親の申し出でボディーガードとして警備に参加できることになった。今は私たちと奏の両親の4人でティータイム。

「でも2人とも元気でよかった。今日はわざわざありがとうね。」

「奏の無理な要求にこたえてくれてうれしいよ。」

「いえ、こちらこそです。奏君にはいろいろとお世話になっておりまして…。」

私たちの役目は最終防衛線である。組織がこの部屋までたどり着いたときに身をていして守る役割だ。しかしずっとピリピリしていてもしょうがないのでこうして雑談を楽しんでいる。

 夜になった。日中は全く音沙汰なかった。奏のつくった組織の情報収集システムでも動きは感知できていない。しかし私たちはなんとなく組織の気配を感じ取っていた。部屋の空気がピリついているのが分かる。警察署内でも多くの警察官が警備にあたっている。この部屋は建物の上部にある。今のところ、妙な緊張感が漂うだけで異変はない。

 そのとき、玄関では、奇妙な老人がトボトボと歩いて近付いていた。扉のそばの警察官が声をかけようと近付いた瞬間、その警察官は杖で殴られ吹き飛ばされた。慌ててほかの警察官が取り囲み、玄関の施錠が行われた。同時に署内に放送が響く。

「現在、老人1名が警察官1名を負傷させた模様。玄関の施錠を行い、付近の警官で確保を試みる。」

私たち4人も放送を聞き、窓から様子をうかがう。すると、警察署周辺一帯に多くの黒塗りの車両が集まって止まっているのが確認できた。

「あれ全部が組織だな。」

奏の両親は冷静に分析していた。組織の関係者延べ1000名ほどが警察署に集結していたのだ。これは私たちが潜入した組織の支部にいた人よりも多い。各地の支部から選抜したメンバーなのだろう。私たちは気を引き締めた。

 そのとき、玄関が爆破された。凄まじい爆発音が響き渡る。と同時に、待機していた組織の人が流れ込んできた。全員が銃を所持しているようであちこちから銃声が聞こえる。しかし、この部屋までのあらゆる通路に様々な罠を設置し、かつ多くの警察官が警備している。罠は殺傷能力も十分な警察が決して用いないようなものばかり設置した。全て奏特製である。廊下からは怒声が轟いてくる。私たちは万一に備えて部屋にこもっていた。

 戦闘開始から3時間ほど経過した。あたりは急に静かになった。物音ひとつせず、組織・警察両者ともに生存者は確認できそうもなかった。また、私たちは部屋を出ようにも最悪の事態を考えると出ることができずにいた。ふと耳を澄ますと、足音が近づいてくるのが分かった。

「カツン、カツン、…」

私たちは扉に向かって身構えていた。扉には鍵がかかっている。足音は扉の前で止まった。照明は落としているため、この部屋に人がいるかはぱっと見ではわからない。ただ、足音は止まったまま動かない。まだ近くにいるのだろうか…。私たちは扉をじっと見つめる。次の瞬間、凄まじい轟音とともに扉が吹き飛び、眩しい光線が飛び込んできた。私たちは4人バラバラの方向へ吹き飛ばされ、部屋の四隅に打ち付けられた。

「……」

奏と両親は気絶してしまったようで動きはない。私は必死に目を凝らして入ってきた人を見ようとした。ぼんやりと映る黒マントの人物。顔は…。

「…グッ…」

意識は奥底に落ちていった。


 「……」

目が覚めると白い天井が目についた。警察署ではない。

「えっと…ここは……」

向かいのベッドには奏がいた。

「やぁ、起きたか。ここは病院だ。爆発の数時間後、近隣住民の通報で駆け付けた消防隊に助けられたようだ。」

「そうなの…。ところで奏の両親は?姿が見えないのだけれど。」

「どうやら消防隊は発見できなかったらしい。あの部屋にはいなかったそうだ。どうやら組織が有用性に気づき、連れ去ったとみて間違いなさそうだ。」

どうやらあの厳重な警備を突破してたどり着いた組織の人間が扉を爆破して奏の両親を連れ去ってしまったようだ。警察や私たちは止めることができなかった。

「もっと強ければ…。」

私たちは己の無力さと不甲斐なさを痛感した。と同時に、組織と大きな因縁を持つことになった。

 どうも、作者です。今回も読んでいただきありがとうございます。今作「私、怪盗やってます。」は第一部として区切りをつけさせていただくことに致しました。第一部完結話は10話です。

 また、今話から10話まで、毎日0時に投稿します。

 それでは次回もお楽しみに。

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