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私、怪盗やってます。  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第二章 ヤバそうな組織と対立することになった件
4/10

4. 幼馴染、相川奏

今回から新章突入!

花蓮の過去!?幼馴染!?

是非、お楽しみ下さい。


【お知らせ】

前回の「3. 青い奇跡」の最後に一部追加させていただきました。

もし話がつながっていないなと感じられたら前回のラストを読んでいただければ解消すると思います。

よろしくお願いします。

 高校3年生の夏休み、私は1人で田舎の祖父母の家に遊びに行った。目的はそう、幼馴染の奏君と会うためだ。彼とは幼いころから田舎でずっと一緒に遊んでいた。夏は2人で神社まで競争したり、虫取りをしたり、冬は雪合戦したり、スキーをしたり。とにかく私と彼は付き合いが長いのだ。でも最近は全然会えていない。きっかけは、私が中学卒業と同時に田舎を出て都市部の高校に進学したこと。それ以来、あまり田舎に帰ってこなかったので会う機会が減ってしまったのだ。でも今年は2年半ぶりに田舎に帰れることになった。普段私は都市部のマンションで一人暮らしだから、人と関わるのは大学くらいだ。家族はどこにいるのか、だって?私の両親は事情があって海外にいるんだ。どこにいるのかは私も知らない。でも元気にやってるようだよ。この前だって海外の主要ニュースに…、ああ、ごめんごめん。話がそれちゃった。それで私は祖父母と奏君に会うのを楽しみにしながら電車に乗っている。

「奏君、元気にしてるかな。…ああ、もうすぐで着く時間だ。」

乗り過ごしてはいけないので私はささっっと荷物を用意し扉の前に並んだ。

 電車を降りて駅から出ると、のどかな田園風景が広がっていた。これが私の故郷。秋を待ち望んでいる成長しきった稲が風で揺れている。駅につながる未舗装の田んぼ道を歩いて行く。祖父母の家は駅から5kmほど離れたところにある。しばらく歩いて行くと…見えてきた、見慣れた日本民家が。田んぼの中にぽつんと建っていて築100年くらいになるそうだ。「おーい、久しぶり~。」

田んぼの中で作業していた祖父が私に気づいた。

「久しぶり。やっぱり田んぼに囲まれてのんびり過ごせる雰囲気がいいね。都会に住んでると家にいても疲れるんだよね。」

「お疲れ様。ゆっくりしていきな。奏君も元気でね、今も山に山菜を採りに行ってるよ。」

「そうなんだ。私も行ってこようかな。」

そう言って私は荷物を置いて山へ向かう。この日の気温は32℃。帽子をかぶって日焼け止めを塗り、虫よけスプレーをかけて走りだす。家から山はさほど距離はない。せいぜい500mくらいだ。私は山へつながる一本道を一気に走り抜けた。

 私は見慣れた神社へやってきた。軽く走ったせいか少し息が上がっている。ふと神社の前の人影に気づいた。その後ろ姿には見覚えがあった。そう、私が会いたかった人、相川奏だった。

「久しぶり。元気だった?」

私は声をかけた。

「おお、花蓮じゃん。久しぶりだな~。」

彼は背が伸びていた。見違えるほどに大きくなっていた。

「神社で何してたの?」

「花蓮と再会できますようにって願い事をしてたんだ。」

「私も会いたかった!久しぶりに遊ばない?」

「そうだな。じゃあ、まず山菜をたくさん採らないと今日の晩御飯がナシになっちゃうからな。一緒に採ろうよ。」

「よし、やろう。」

こうして2人で段ボールいっぱいの山菜を採った。

 その日の夜、私は祖父母と奏君と4人で食卓を囲んだ。奏君は親の事情で祖父母と一緒に暮らしているらしい。積もる話をたくさんしながら食事を楽しんだ。

 次の日、私は4人で田んぼで作業をしていた。水を引いたり止めたり、虫を見つけたり、草を抜いたり。そして作業が終わったら奏君と2人で山へ川へ遊びに行った。そんな毎日を過ごしていた。

今回も読んでいただきありがとうございます。

いや~幼馴染が出てきましたね。彼の両親にはなにやら事情がおありのようで…?

次回もお楽しみに。

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