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天変

 服の製作がとても忙しくて、ついつい夜遅くまで作業をしてしまう。


「お姉ちゃん、そろそろ寝ようよ」


 弟くんは私が作業終えるまで寝ないで待ってくれるんだ。


「寝る前に頼み事があったんだ」


「んん? お姉ちゃん何でも聞いちゃうよ!」


 優秀な弟くんからの頼み事は少なくからね。


「今から雨降らせてくれないかな? 最近、雨が降らなくて作物の育ちが悪いんだよね」


 そういえばあんまり雨が降った記憶が無いなぁ〜


 まだ使った事の無いスキルだけど……


「天変の尾!」


 コン!


「雨天になれ!!」


 こんな感じかな? 弟くんと窓から外を眺めていると……


「あ……降ってきたね」


 ポツリ、ポツリと雨が降りだして、次第に強く降ってきた。でも、それ以上は強く降らないみたい。


「うんいいね。魔力はどう?」


「少しずつ消費しているよ。さすがに天候を変えるんだから消費するよね。でも朝までは十分保つよ」


「お昼に突然雨が降るとみんな困るだろうから、夜寝る前に頼んでいいかな?」


「勿論いいよ。降らせたい時は言ってね」


 農作業をしてる人も増えてきたし、雨が降らないと困るよね。これが恵みの雨ってやつね!



 〜 とある王城 〜

 

 スッと音も無くその男は現れた。全身を真っ黒な衣装で包んでいる。


「シャドウか……」


「はい」


 薄暗い玉座の間で密談を交わしている。


「どうした?」


「ドワンゴ国に放ったオークロードが討伐されました」


「む……そうか……あの国……それ程の力を」


 アレは普通のオークの数倍は強い。Aランクの冒険者パーティーでも接戦を強いられるモンスターだ。


「ドワンゴ国へ偵察を送れ。別の手段を考える」


「承知しました」


 黒装束の男がまた音も無く消えた。


 そして玉座の間にドス黒い怒りの炎が立ち込めた。


「手を貸しましょうか?」


 玉座に座る男の後ろから若い女の声がした。


「いらん! 黙って見ていろ!」


「あら怖い……野蛮なドワーフすら思い通りに出来ない様では先が心配になってきましたわ」


「心配など無用だ!! すぐに手を打つ!」


「お手並み拝見させて頂きますわ」


 玉座の間に静寂が訪れた。王の椅子に座る男は深く、深く考えて次の一手を模索している。


「ドワーフ共は打たれ強い。叩けば叩く程、力を増すかもしれんな。周りの国を崩してそこから雪崩込ませるか……」


 彼は己の野望の為に手段を選ばない男だ。


 世界は大きな混乱へと向かいつつあった。



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