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エリートギルドに入会ね!

 舞い散る桜の花びらが私達の明るい未来への門出を祝っている。桜並木の中をまだ小さな弟くんを連れて颯爽と歩く。


「ハルカ姉ちゃん、待ってよ〜」


 10歳になった私は教会で行われた職業診断で『大魔導』のジョブだと診断された。


 この国では10歳に達した子供は全員、教会で職業診断を受ける事になっている。

 

 職業診断を受けた直後から数多のギルドが私をスカウトしに訪れた。


 世間ではこれを青田買いと言うらしいわ!


 その名だたるギルドの中から私が選んだのは最強ギルドとして名を轟かせているトップギルド『ワールドファースト』よ!


「ほら、エリートらしくキリッと歩きましょうね」


 弟くんに天使の微笑みでニコリとする。 


 100年に1人の逸材として王都のトップギルド『ワールドファースト』に迎え入れられ、今日から勇者パーティーのメンバーとして華々しいデビューを飾るの!

 

 王都の一等地にあるワールドファーストのギルドハウスが見えてきた。その玄関で黒い服を着た老紳士がハウスの扉を開いてくれた。


「ようこそ、ワールドファーストへ。皆さんお待ちです」


 貴族の御屋敷みたい素敵なギルドハウスで沢山の冒険者達が出迎えてくれる。総出ってやつ!


 出迎えの中央にいるの金ピカ鎧のイケメンが勇者ね!


「ハルカ、よく来てくれた。天才妖狐の活動を期待しているよ。困った事があったら何でも言ってくれ」


 天才妖狐と呼ばれた私は金色の美しい毛を持つ狐人(こじん)


 真っ白な歯がキラリと輝くイイ笑顔で勇者様は私を歓迎してくれる。


「はい勇者様! 私、全身全霊でお役に立ってみせます!」


 希少種族の狐人族は生まれつき魔力が高い種族として知られている。例に漏れず私もかなり高い魔力を有しているみたいで、教わらなくても炎魔法を使う事が出来た。


 まだモンスターを倒した事はないけどね!


 このギルドへ所属する事に決めたのは6歳の弟くんと一緒にギルドハウスで暮らすのを認めてくれたから。

 

「君が弟のシュン君だね。才能豊かな狐人族を2人も得られるとは我々のギルドは最強になってしまうぞ! 活躍して貰うのはまだ先だけどよろしく頼むよ」


 でも、弟くんは私みたいに炎魔法を使う事は出来ないの。私はこの世界に来た時から使えたのに……

 きっと弟くんにも特別な才能があるわよ! 何と言っても希少種の狐人族なんですから。


「はい勇者様! 僕もお姉ちゃんと一緒に頑張る!」


 ああ! 何て素敵な勇者様なのかしら! こんな幼い弟にまで期待して下さるなんて! 私、頑張るよ!!


「ハルカ、さっそくだが一気にレベルアップして貰うよ」


 一気にレベルアップ? チョコチョコとスライムとか倒すんじゃないの?


「よく分からないですが、よろしくお願いします!」


 私は勇者パーティーの支援で莫大な経験値を稼がせて貰えるんだって! 


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