ヤンデレ先輩とカラオケ_シュウ視点
連載モノにするつもりはありませんが、またヤンデレを書きたくなったら書きます。
アニメを見ていたらヤンデレのヒロインが出てきて、ちょっと書いてみたいなって思い書いたのがこの短編です。ちなみに途中で出てくるアニソンは曲名少し変えているので。
あとちょっと文書が雑です。息抜きで書いていたので、頭のネジが緩みまくっております。すみません。
※※※
「しゅう〜、今日なんか予定あんの?」
「んー?多分だけど無いと思うよ」
「じゃあカラオケ行こうぜ。しかも今日はな、ぐへへ。隣の公立高校の女子も来るんだわ」
「そうなんだ!俺も彼女欲しいし行こうかな〜」
「お!お前が来ると人数ぴったしだぜ、じゃあまた放課後でな」
「うん、ありがとな。亮太」
さて、現在高校二年生の俺は今日こそ友達と遊びに行きます!東京に出てきて約三ヶ月、初めて放課後遊べるみたいだ。普通に嬉しい。
ガラガラガラガラ。
俺はチラッと教室のドアへと目を上げた。そしてそこには、黒髪ストレート。まさに大和撫子風の美少女が立っている。うちの高校一の美人と有名な白金先輩が立っていた。あれ?頬が赤くなっている。怒っているのかな、いやまさかね。あの優しい先輩に怒りなんて感情は無いはず。
「このクラスに桜壁亮太という男の子が居るはずなのですが、どなたか知っている方はいますか?」
「え、それ俺ですけど」
亮太がおずおずと右手を上げた。白金先輩はにこりと笑って言った。
「少しお話があるのですが、屋上に来て貰えないでしょうか」
クラス中がシーンと静まりかえった。ご本人である亮太でさえ口をあんぐり開けて白金先輩を見つめている。そんな様子を見て俺は少なからずショックを受けていた。正直に言えば、俺は白金先輩に憧れていた。別に恋心を抱いていた訳では無い。俺はただ人間として尊敬出来るという意味で憧れていたのだ。そんな俺は白金先輩には好きな人なんていないと勝手に思い込んでいたみたいだ。だから俺は憧れの先輩が恋をしている事実にショックを受けていた。
「は、はい。えっと今行けばいいですか?」
「はい、お願いします」
そうして二人は教室から出ていった。そして亮太は昼休みが終わるまで帰ってこなかった。
※※※
昼休み終了直前、亮太は手足をブルブルと震わせながら帰ってきた。何人かのクラスメイトが話を聞きに行っているのが視界に入ってきた。別に俺は先輩が誰と付き合おうとか全く興味ない。ただ尊敬する先輩に彼氏が出来た、ただそんだけ。
「亮太、話ってなんだったんだよー」
「それねー、うちも気になるんだけど」
「もしかして告白でもされたのか?」
「え、もしそうなら付き合うなよ。あの先輩は俺の恋人になる予定なんだからよ」
「はあ?そんなん絶対無理でしょ」
「やってみないと分かんねーだろうが」
「いやその顔じゃ無理」
ん、亮太は何も言わないのか?あれ、 無言で立ち上がったぞ。あれ、もしかして俺の事見てるのか......?
「しゅう、ちょっとこっち来てくんない?」
俺に用でもあるのか?
「何事?」
「...いいから着いてこい」
「え、いいけど。ここじゃダメなのか?」
コクリ。亮太は小さく頷いた。
「人に聞かれちゃいけないんだ」
「分かった。じゃ体育倉庫の裏にでも行くか」
「...ありがとな。」
「いや、いいってもんよ。友達だろ?俺たち」
こうして俺たちは人気の無いジメジメとした体育倉庫の裏へ行った。
「で、亮太。話ってなに?」
「えーっとだな。今日の放課後遊ぶ件についてなんだが、すまん。パーになっちまった」
「え......。」
またか。
「さっき白金先輩に呼び出されたのは知ってるだろ?あん時言われたんだよ。俺の入ってる委員会が今日臨時会議を行うって。幹事として俺から他の参加者にはもう伝えたんだけど今日無しの方向で決まりそうだ。参加を呼びかけた俺が無理となれば、女子たちの知り合いいないし嫌だって。俺から誘ったのに、すまんな」
「別に大丈夫だよ。また今度カラオケ行こうぜ。でもキャンセル料は俺も払った方が良いだろ?」
「あーその事なんだが」
亮太は苦笑いしながら俺の両肩に手をポンっと置いた。
「キャンセル料払う金ないから、しゅう、お前一人で行ってきてくれないか?」
「...亮太、お前まさか俺にぼっちカラオケをしろと言ってらっしゃるので?」
「まあ、そうなるな」
「他に誰か誘ったらダメなのか?」
「店に聞いたらダメなんだってよ。さらに金払わないといけないらしい。」
「マジかよ」
「すまん。頼んでいいか?」
「......今度なんか奢れよ」
「しゅう、お前は神だ」
こうして今日、俺はぼっちカラオケに行く事になった。俺、また他の人と遊べなかったな。
※※※
放課後。俺は只今絶賛ぼっちカラオケ中である。なんとパーティールームを予約していたらしく、広い部屋にいるのはマイクを持った俺だけという大変シュールな光景が広がっている。店員の方々も俺が注文したドリンクを持ってくるたびに笑いを堪えてやがる。ちくしょう。もういい。ドリンクバーにするもん!
俺が今歌っているのは『The Everlanding Guilty Town』というアニソンである。かれこれ一時間くらい色んなアニソン歌ってるな。ちょっと悲しくなってきた。泣いていいですか。というか、この曲は名曲だ。特にアニメのopがスクリーンに流れているのが素晴らしい。歌声に惚れるかも。もうこのまま二次元に逃げようかな......。
「(取り敢えずドリンクバーからなんか取ってくるか。)」
ドリンクバーには色々な種類がある。俺が選んだのはフェンタのオレンジだ。壁に貼ってある大勢でカラオケを楽しんでいる光景のポスターが妙に心を抉ってくる。すみませんね、パーティールームをぼっちのオタクが一人で使っちゃって。
「あれ?シュウくん。なんでこんなところに...?」
ま、まさかこの声は。
「し、白金先輩!」
振り向いて涙が出てくる。この人はいつもいつもベストタイミングに現れる。やばい、俺今かなり泣きそうなんだけど。
「シュウくんも一人カラオケしてたのですか?」
「そ、そうなんです。友達と来る予定だったのですが来れなくなってしまって」
「そう。友達に急な用事が。そうです!私も一人で来てるのですが、一緒に歌いますか?一人じゃ寂しくないですか」
め、女神様だ。実は俺と先輩はかなり仲が良いのだ。前々からこうやって友達と遊ぶ約束が無くなった時にはいつも一緒に遊んでくれる。優しすぎる。人として尊敬してます!
「ありがとうございます。是非お願いします!こちらからお願いしたいぐらいです!」
「うふふ、そうですか。じゃあパーティールームに私の荷物持っていきますね。少し待っていて貰えますか?」
「はい、お待ちしてます!」
あれ?俺、先輩にパーティールーム使ってるって言ったっけ。まあいいか。これでぼっちカラオケ卒業だ!後でちゃんとお礼を言っておこう。
※※※
「先輩、今日はありがとうございました。楽しかったです!実を言うと一人でカラオケをしてるの、とても寂しかったので先輩に会えて嬉しかったです。何かお返しにした方がいいですか?」
「いいんです。なんにもしなくていいですよ?」
「いや、そういうわけには。基本的に俺は何でもいいので。」
「じゃあ次の週末のうち一日を私の荷物持ちを引き受けて貰えませんか?」
「はい!了解しました。」
「うふふ、楽しみにしてますね。」
いつの間にか俺の家の前に着いてんじゃん。先輩の家、もしかして近くなのかな?
「それじゃあ先輩。ここが家なので。今日は本当にありがとうございました」
「いいんですよ、私も楽しかったので。また今度一緒に行きましょう」
「え、いいんですか?喜んで御一緒させて頂きますけど」
「もちろん。それでは失礼しますね」
「はい、失礼します!」
こうして、僕は偶然先輩に会えたのでカラオケを楽しむ事が出来たのだった。
もう一話は書くと決めているのでお待ちあれ。上手く書けたのかは分かりませんが楽しんで頂ければ幸いです。個人的にはヤンデレヒロインは好きなので。
これの何処がヤンデレなんだよー!
って言いたいのは分かります。それは次の話で白金先輩の視点で書いた時に分かると思います。乞うご期待あれ。