目覚めた日 午後1
思ったより長くなったので、午後分けます
ご飯を食べ終わった。で、狩りの時間です、狩りの時間ですよ、クソが。
もおおおおおお!意味わかんないって!ほんと意味わかんないって!バカなの!?バカだよね!バカだよ!絶対バカ!4歳!私4歳!何度も言ってるから分かるだろうけどさ。ほんとバカやろうじゃん!?え!?…いや、もう諦めた。諦めよ!うん、マンティコアでも何でも狩り行ってやるよ。何でも来いだよクソ!
「アメリア。準備できたか?」
「お父さん、狩るのはマンティコアだけなの?」
「いや、他にもいろいろ狩るがそれは俺の仕事だ。」
ん?あ、ちょっと待って?今、「他にも狩るが、それは俺の仕事」って言った?ん?じゃあもしかして、マンティコアは?え、マンティコアもしかして私が1人で狩るの?
「お父さん、マンティコアは…?」
「ん?それくらい1人で狩れる!がんばれよ!」
ざっけんじゃねぇ!クソ親父!4歳児に毒持った魔物1人で倒せとか、正気じゃないだろ!?バカ通り越して狂気だよ!狂ってるだろ!つか、何よりめんどくせぇよ!倒せたとしても痛いのも疲れんのもやだよ!
「マンティコアって、毒があるんでしょ?」
「毒はあるが、あんな遅い攻撃、当たらないから大丈夫だ!」
大丈夫じゃねえだろ!おい!これで死んだらどう責任とってくれんだ!転生したばっかなのにさ、せっかくチートにしてもらったのにさ!!…ん?あ、そうだ、今私チートだった。ならいけるか?いや、でもまだ全然幼女だし…。………なんかもう考えんのめんどくさい。やめよ。
脳筋お父さんはいつのまにか森の方に向かって歩いていた。娘置いてくな。
「アーメーリーアー!」
森向かっていると、急に声をかけられた。誰だろ…と思って振り返ると、ふわっと体が持ち上がる。目の前には、妖艶な美女が…。
「キャロお姉ちゃん。」
「ああん、アメリアっ!今日もかっわいいわねえ!」
え、待って、キャロお姉ちゃんて誰。てか苦しい。そんな思いっきり抱きしめないでもらえます?まあ、知り合いっぽけど…。ていうかなにこの色気ありまくりな喋り方。
「キャロお姉ちゃん、ちょっと苦しい…。」
「ああ、ごめんなさいね。アメリアが今日も天使だったから…。」
というか今まで引きずってきてた剣落としちゃったじゃん。衝撃で地面ちょっとへこんじゃったじゃん。なにしてくれてんの。あ、そうそう。さっき凄かったんだよ。剣の刃の方を下にして引きずっちゃって、地面が切れたの。なんか地震の後なの?wwて感じに地面に亀裂入っちゃってさ、まじでびびったあれはw
「キャロライン、アメリアは今から狩りにくところだから、邪魔しないでもらえるか。」
「あら?いたの、ファーガス。気づかなかったわ。」
「…キャロ、次俺の娘に触れた容赦しないからな。」
「ふふっ。怖いわねぇ。まあ、決着つけるいい機会なんじゃないかしら?」
おいおい、私を挟んで喧嘩すなし。てかなんか脳筋お父さんの雰囲気が違う気がすんだけど。え、だってさっきまで「お前ならできる!うおおおお!」って感じだったじゃん。なのになんか急にイケメンオーラ出ちゃってんじゃん。え、なに、どっちが素?まあ、イケメンなのには変わりないんだけんどね。正直今のキャラのが好きだわ。脳筋嫌です。
「お父さん?」
「あっ。ど、どうしたアメリア!」
なんか脳筋キャラ作ってない?だって今、「あっ。」って言ったし。キャロお姉ちゃんの方を見ると、キャロお姉ちゃんは呆れたようにため息をついた。
「ファーガス。もういいんじゃないの、そのうるさいキャラ作んなくても。」
「バッ…!」
「お父さん、アメリアね今の方が好き。」
ニコッと笑って見せると、お父さんは「うっ。」と言ってしゃがみこんだ。…なんか既視感のある反応だなぁ。あ、推し見たときのオタクの反応…。まあつまり私とか友達の反応の仕方なんだけど。他の人がそうか知らんのだけど。見た目こんなんなのにそんな反応するか普通。あ、身内フィルターかかってんのか。なるなる。てかなんで脳筋キャラ作ってたんだろね?
「よかったじゃないの、ファーガス。やっと素の自分を娘に好きって言ってもらえたじゃない。」
わー、すっげー嫌味たっぷりだな。キャロお姉ちゃんとお父さんてなんか因縁でもあるんだろうか。気になる…。人がギスギスしてるのとか見るのめっちゃ好き。いいぞもっとやれ。
「お父さん、もう行こう?」
「あ、ああそうだな、アメリア。すぐ終わらせて帰るか。」