やっと転生だぜ!
転生?!は?そういうの先に言ってよ!
『はぁ…。可愛い…。その顔が見たくて黙ってたんだけど、やっぱ可愛い。めっちゃ可愛い。』
うん、ちょっと黙ろうか。で、なんでもいうこと聞いてくれるんでしょ?まず、あれだよね。冒険者になたいから、貴族は無理だよね。で、
『ちょ、ちょっと待って!平民になるつもり?それはダメ!君は可愛いんだから。貴族にするからね。』
え、私が可愛いはない。ありえない。ていうかもし襲われるようなことがあっても神様がチートにしてくれるんだから問題ないでしょ。大丈夫、これはフラグじゃない。フラグじゃない。ていうか私に何かあったら神様のせいだからね。うん、神様が悪い。て訳で平民決定。で、チート能力っていえば、全言語理解、鑑定、無限収納、物理攻撃耐性、魔法攻撃耐性、毒耐性、とか…。あと、なんだろ。
『…多くない?』
多くない。あと、魔法は全属性使いたいな。
『全く、欲張りだなぁ。でも、可愛いから許す。それよりなんで異世界に転生することわかったの?』
え、そんなん私が転生するって聞いて元いた世界に転生、なんて考えるわけないじゃん。神様も分かってたでしょ?大丈夫。私は異世界にしか転生する気ないから。それに…ね?神様、私異世界に転生したいな。
『うっっ。かわいい…。それは反則だよ?!ねえ!可愛いから許すけど。』
よっしゃ。言質は頂いたぜ。えーと、それで…あ、神様。向こうの世界でレベルって存在するの?
『レベル?うん。あるよ。』
やったああああああああぁぁぁ!て訳で神様、経験値倍増も……あ。そーだ!生産チートも欲しい!!!!
『せ、生産チート?それってどんなの?』
あー…うーんと、鍛冶とか、あのー、作るもののレシピが出てきて、必要な素材集めて創りたいって念じたら出来るみたいな便利なやつ!!!!がいい!!
『あーかわいい。分かった、いいよ。必死になって説明してるの可愛すぎ。こーゆー時のためにスマホ用意しててよかったー…。』
パシャシャシャシャシャシャシャシャ(連写)
て、何撮っとんじゃい!人の話聞いてんの?!
『ああ、ごめんつい…これで1年ご飯食ってける。』
なんでだよ!で、生産チートと経験値倍増は貰えるの?
『もちろん!で、もう転生させちゃっていいかな?』
あ!ちょっと待って!最後に1個だけ!音楽を聞けるようにして欲しい。できればその…新曲とかも。異世界と元いた世界をつなぐことになるし…やっぱだめかな?
『ん"ん"っ。』
パシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ(連写)
『しょうがないなぁ。いいよ、新曲もだね。』
…ん?今シャッター音が聞こえたような…。
『気のせいだよ。じゃあもういいかな?』
うん。もういいよ。あ、平民だからね。チートスキルも全部つけといてよ。
『わかってるよ。それじゃ。』
そう言うと神様は私に手をかざした。するとふわりと暖かい光に包まれ、意識が遠のいていく。遠のいていく意識の中で、私は考える。
(神様はなんで私のこと気に入ってたんだろ。)