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五感で会いたい

作者: 柿原 凛

あなたに会いたいけど、会えないので。


まずは写真を眺めてみる。

あなたが中で笑ってる。

視覚的にあなたに会えた。

そしたらもっと会いたくなってきた。


次は電話をかけてみる。

あなたの声も笑ってる。

聴覚的にあなたと会えた。

そしたらもっと会いたくなってきた。


それからマックへ行ってみる。

あなたと同じ味を食べている。

味覚的にあなたと会えた。

そしたらもっと会いたくなってきた。


さらにデパートへ行ってみる。

あなたと同じ香水を買ってみる。

嗅覚的にあなたと会えた。

そしたらもっと会いたくなってきた。


でも、どうしても触覚的にあなたと会えない。

直接触れ合うことができない。

そう思うと、もっともっともっともっと会いたくなってきた。


頭にチップを埋め込んで、

電流を流してもらって、

あなたをなんとか思い出す。

まるで肌が触れ合ったような感触を、指先に付けた装置から教えてもらう。

登録したあなたの写真を動かしてもらって、電話の録音から音声を作ってもらって、味覚を感じる装置にハンバーガーのプログラムを入力してもらって、嗅覚を感じる装置に香水を振ってもらう。


そうしてVRの世界に潜る。

あなたと同じあなたを作ってもらう。

五感であなたに会うことができた。

そしたらもっと、あなたに会いたくなった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 『本物』とは何かを考えさせられますね…… 僕は『あなた』は故人であるかのような印象を受けましたね。 少なくとも語り手の中の『あなた』は痕跡だけで息遣いが感じられないと思いました。 なんという…
[一言] 未来チックだなと思いました。 でも、どんなにそっくりに作っても、絶対本物のあなたには敵わないの、だと思ったんですけど……。 え? ホラーなの?
[一言] 怖っ! ブーバンさまに同意。 ホラーかと思いました。
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