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好敵手との邂逅

入学式、出たかったが間に合わなかったものはしょうがない。とりあえず、この後はクラス単位での行動となるから教室に行くとしよう。


ええと、クラス割りは確か掲示板にあるんだよな。掲示板、掲示板っと。あった。俺のクラスは、、、A組だな。よし、A組の教室を探そう。


A組の教室は比較的近くだった。空いてる席を探して座り、担任が来るのを待つ。しばらくすると全員揃い、担任の短い挨拶の後は自己紹介が始まった。


自己紹介は最初が主席、次にそれ以外の特待生、その後普通の生徒はアルファベット順に続く。主席の自己紹介が始まった。


「環爵のガウスゼット・ワサーセキだ。貴族の長男ではあるが、家柄の性質上ここを学び舎とすることになった。趣味は模擬戦だ。戦闘波の周波数が80Hz近くある者とは是非手合わせ願いたい。」


主席の自己紹介が終わると教室内がざわつき始めた。


「80Hzだと?そんなのこの歳でいる訳無いじゃないか。」


「武勇で名を馳せ爵位をもらった環爵家の出とはいえいくらなんでも高すぎねーか?」


「まだ10代、、、なんだよな?」


・・・80Hzねえ。1か月前に測定した時はまだ77Hzだったな。今朝絶起したせいで測り忘れてきたから正確な周波数は分からないものの、そろそろ俺も80Hzに届くんじゃなかろうか。仮にいかなかったとしても、俺には特異解の炎の球より高エネルギー効率の蒼い炎の球やそれと同威力の無属性の技y=sin axがある。


格上かもしれない彼と手合わせして得られる価値は大きいだろうな。


よし、特待生は主席含め2人と聞いているし、次は俺だな。皆の前に立ち、自己紹介を始める。


「特待生のサインだ。腕には覚えがある故、ガウスゼット殿、是非お手合わせ願いたい。」


すると、、、担任の先生が、口をぽかーんと開けていた。しばらくして、やっと状況が飲み込めたという表情をしながら先生が言ったのはとんでもない一言だった。


「ウチにはサインという名の特待生はいませんが、、、もしかして、薬学専攻コースの方ですか?」


途端に、教室内にどっと笑いが巻き起こる。口々に、「ここは戦闘訓練コースだぜ?」とか「薬学専攻コースの特待生でもこんなミスするのかー」とか聞こえてくる。


今世紀最大の恥をかいたと思いながら教室を後にしようとしたその時。教室内の笑いを一瞬で鎮めたのはあのガウスゼット・ワサーセキだった。


「いいだろう。薬学専攻コースであれど、武の実力がある者ならば手合わせしない道理など無い。今日の放課後、訓練場まで来い。但し今のがホラ吹きだったとしたら痛い目に遭うのはお前だぞ。」


これはこれは怪我の功名だな。いや恥ずかしさで言えば怪我どころか大火傷なのだが、それでもいい好敵手が見つかったのは嬉しい誤算だ。


さて、向かう先は()()()()()()()()A組だ。もう間違えないぞ。

恒例の名前の由来コーナーです。

今回は「ガウス整数環」ですね。

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