表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/25

夢オチ、現実だった

夢の中、俺はエボラ出血熱にうなされていた。


なぜ夢の中と断言できるかというと、どう考えてもエボラウイルスの感染経路が存在しないからだ。日本の水際対策は完璧だ。そもそもウイルスが存在しない中、どうやって感染するというのか。


まあ、夢と気づいた以上、夢の中で死んでも目が覚めるだけだろう。苦しいが、あとひとときの我慢だ。


ほら、熱濃硫酸で(はらわた)がかき乱される様な苦痛も、今となっては腹の上に湯たんぽがあるって程度の感覚に成り果てている。かなり意識が朦朧としてきた証拠だ。あと少しで目が覚める・・・



・・・この時彼は知らなかった。明晰夢ほどのリアルな夢の中で死んでしまうと、現実でも死に至るということを・・・




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


目が覚めた、と思った時、俺は巨大なパネルの目の前に立っていた。


意識が戻った直後、パネルが説明を始めた。


三角 正弦(みすみ まさつる)様、この度はご愁傷様でした。これより、霊魂ナビゲーションシステム「閻魔大王」が、貴方の今後の身の振り方について説明致します。』


三角 正弦というのは僕の名前だ。って、俺死んだのか?エボラ出血熱はあくまでも夢の中の話だった筈なのだが、、、


まあ、死んでしまったものはしょうがないな。おそらく実感が追いついて無いだけだろうが、俺は意外と冷静だ。つーか閻魔大王ってタッチパネルだったのかよ。


『それでは次の3つの選択肢から、貴方の身の振り方を選択してください。


①天国行き

②地獄行き

③異世界転生

※三角様が生前で積んだ徳:62/100』


悩むまでも無い。天国行きだ。ってか、自らの意思で地獄行きを選ぶ人とかいないだろ普通。


『①天国行きを選択するには徳が足りません。』


それを先に言え。ってかそれなら予め選択肢から排除しとけ。

まあ、お世辞にも褒められた生き方をしてはいなかった俺がタッチパネルの操作だけで天国に行けるほど都合よくできているとは思わなかったが。


にしても、「徳が足りません」か。俺が積んだ徳は、パネルによるとどうやら62らしい。天国に行くには80くらい必要だったりするんだろうか。


ともかく、こうなった以上地獄行きか異世界転生かを選ぶ必要がある。

地獄に行けば確実に地獄だろうが、異世界転生なら世界の構造次第、そして生き方の工夫次第では必ずしも生きるのが辛いとは限らないだろう。である以上、選ぶべきは異世界転生だ。まあ、徳が足りるかは知らないが。


『③異世界転生を選択しました。これより転生先の世界の概要と転生後貴方が置かれる状況について少々説明致します。』




──数十分後、全ての説明が完了した。膨大な量の説明だったが、なぜか難なく全て頭に入った。


特に重要な点は、

・身寄りなき10才の平民の子供に転生

・前世の記憶は引き継げる。

・文明レベルは前世でいうと1000年代後半クラス。

・転生後のオススメの職業は冒険者らしい。というのもこの世界には全250階層からなるダンジョンが世界各地にあり、そこで邪豚や邪牛に代表される討伐対象生物を狩ると様々な資源が得られるそうだ。

・ダンジョンは30階層ごとに神造人間というボスがいる。神造人間は武闘家で、「まいった」と言わせれば勝ちらしい。

・戦闘波という概念がある。鍛えるとより高い周波数の戦闘波が扱えるようになり、威力の高い攻撃が可能となる。ちなみに、一般人の戦闘波は約10Hz、正一品冒険者の周波数は約200Hzだ。

・転生先の言語は余すことなく分かる。


くらいのものだろう。この説明を聞いて、漸く転生の準備が整ったというものだ。


──『転生前に、徳を消費して瞑想部屋を使用しますか?』



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキング支援よろしくお願いします! 小説家になろう 勝手にランキング

cont_access.php?citi_cont_id=456235027&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ