晴天の霹靂
「国政に討って出る気はないかい」
・・・目が点になった。
「俺が、ですか?」
「そう、君が。」
「二条政権を打倒するために、野党4党が共闘する話。知らん訳は無いだろう。国政は俄に解散風だ。この富岡県でも早急に統一候補を決めていく必要がある。そこで君に白羽の矢がたったって訳だ」
「しかし、うちの4区じゃ、改新党の大内先生が現職でいるじゃないですか」
「まだここだけの話だ。大内善興先生は今期で勇退される。その大内先生直々の指名だ」
「へ?なんでオレなんすか!?」
「君はまだ自分の実力に気づいていないようだ。梶村さん、あんたの演説は人を惹き付ける力がある。こないだの市長選の演説会、たいそうな盛り上がりだったそうじゃないか。
政治の問題点や展望を自分の言葉で語り、ドンと聴衆のハートに届ける。君はそれができる人だ」
立花さんは自分の胸を拳でドンと叩いた。
「そして梶村和宗の真骨頂は議会だ。裏の裏まで綿密に調べぬいて、しっかり議会で、海千山千の知事相手に丁々発止のやりとりをする。その力が君にはあるんだ」
「はあ。」
「なんだ、梶村さん、間の抜けた返事だな」
立花さんが呆れたような顔になる。
「はあ、いやその、立花さんもそうですけど、その親しい人に正面から誉められたことが始めてだったもんで・・・」
「梶村さん、君のまわりには歳上のうるさ方ばかりだからね。君らの会派の県議団も親子ほど年の離れた人ばかりだ。後援会の役員さんたちも。
嫁さんを君は早くに亡したからな。定点で君をみて正当に評価してくれる人が君には少ないのではないかい?」
「ありがとうございます。せっかくの話ですが
、私はその立場にありません。次の県議選に出馬するかどうかもわかりませんので」




