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コーヒールンバ
遅くなりすみません。(-_-;)
やがて奥さんの手によってコーヒーは運ばれてきた。
私の前に置かれたカップは華美ではないものの、美しい椿があしらわれており、ソーサーには枝葉が描かれ、合わせてひとつの絵として完成されるようになっている。
そしてカップからはえもいわれぬ蠱惑的な甘い香りが私を惹き付けてやまない。
それなのに、奥さんは
「もう梶村センセが深美ちゃんと馴染みだなんて知らなかったよー!
深美ちゃん、きれいになったでしょー!彼女、まだ独身なんだよ!」
と、背中をバンバン叩いて、そして別のお客さんに呼ばれて去っていった。
ようやくコーヒーにありついた。苦みとほのかな甘味を舌で味わい、少しぬるくなったが、暖かな温もりを喉で感じる。
「ほぅ・・・うまい」
思わず声が漏れた。
「な、旨いだろ!」
コーヒーに夢中だったが、立花さんのなぜか自慢げで嬉しげな顔で我にかえる。
「あ、ええ。はい。旨いです。そう、で、もうひとつの話ってなんです?」
「あ、ああ。そうなんだよ。それそれ。」
立花さんは真面目な顔で私に言った。
「梶村さん、国政に討って出ないかい」




