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008  風呂の葛藤


 体は必ず汚れる。無職で何もしていない者だろうが、必ず汚れる。だからこそ、風呂に入って体を洗ってあげないといけない。それ異星人のユナにも共通して言えることだった。


 21時が近い頃、風呂のお湯が溜まった。それを確認した翔太朗は隣のユナに話しかけてきた。


「お風呂溜まったよん」


 そう言われたので、ユナが見てみると確かに風呂のお湯が溜まっていた。だが、なんのためにお湯を溜めているのかが分からないユナは翔太朗のズボンを引っ張って、こう話し掛けた。


「なんで、お湯を溜めるの?」


「浸かるためだよ」


 翔太朗はそういうのだ。


「浸かるって、何を浸かるのだ?」


 風呂の仕組みを一切知らないユナは、いつのまにか質問マンになっていた。


「体を浸からせるんだよ」


「体を!」


 ビックリしたユナは後ろに倒れそうになった。


「どうしたのユナ?」


「体を茹でるのか!」


「茹でないよ。浸からせるだけだから」


「しかし、熱いのだろう?」


 ユナは恐る恐る尋ねていた。


「暑くないよ。むしろ気持ちいいから」


「お湯に浸かって気持ちいいだと、意味が分からん」


 そうだと言っているようだ。


「試しに入ってみなよ。僕の言っている意味が分かるよ」


 ニッ、と此方に向かって微笑んできた。


「そこまで言うのなら、入ってみよう」


 ようやく決意して、風呂に入ろうとするユナだったが、ユナは手を掴まれてその場に制止させられた。


「そのままじゃ駄目だよ!」


 と、翔太朗に注意された。


「そのままってなんだ?」


「服だよ。服」


「服をどうするのだ?」


「脱ぐんだよ。もう……1から説明しないと分からないの?」


 まるで、自分の教え方が悪いのに人のせいにする邪悪な上司のような口ぶりだった。


「服を脱ぐのか。翔太朗の前で?」


「一緒に入るんだから一緒に脱ぐんだよ」


「わ、わかった。人前で服を脱ぐのは恥ずかしいのだが、仕方ないか」


 意を決して、ユナは服を脱ぐのだった。こうして、パンツ以外の全てを脱いだユナはもう一度風呂に入ろうとしたのだが、再び手を掴まれて制止させられる。


「もおお、パンツも脱がないと駄目だよ」


「パ、パンツも脱ぐのか?」


「そうだよ、僕みたいに全部脱いで」


 すると、翔太朗は全ての服を脱いですっぽんぽんになった。


「ぞ、そうさんが見えてる!」


 思わず、ユナは両手で目を隠していた。しかし、


「何言ってるの。風呂は裸の付き合いだから、ユナも脱いで」


 すると、ユナは翔太朗の手によって、無理矢理パンツを脱がされたのだった。



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