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001  来訪

 碩大小学校に通う小学三年生の釜田翔太朗は売れない小説家を父親を持つ元気な男の子だ。彼はいつものように学校から下校している途中、不思議な光景に出会ったのだ。突如として空が割れたと思うと、ゆらゆらと円盤状の乗り物が降りてきて、近くの空き地に着陸した。好奇心旺盛の翔太朗は、着陸した場所に元気良く駆けて行き、乗り物に手を触れた。すると、扉が開いて、中から青色の綺麗なレーザーの光が漏れてきたのだった。


「う!」


 思わず目を閉じた翔太朗。それから5秒ぐらい経ってから翔太朗は目を開けた。すると、ピンク色の髪の毛に大きなクリクリとした目をした女の子が中から出てきて、両手を組んでこっちを見ていた。


「やあやあ地球人」


「君だれ?」


「わぬはアララ星からやって来たお姫様だ。名前はユナナ・エクロン・バーレーズ」


 胸を張って自己紹介をする少女だ。


「ユナ?」


「そう呼んでくれても構わん。さて、さっそくだがプリティーカードを渡してもらおうか!」


 そう言って、片手を差し出してきたユナだったが、翔太朗には何が何だか分からばくて首を傾げてしまった。


「プリティーカードって?」


「100枚集めれば願いが叶うと言われる伝説のカードだ。それを敵より先に見つけないとわぬの星は……」


 その時だった。ユナが乗っていた円盤状の乗り物が突如にして崩れて、部品の一部のフライパンが頭の上に落ちてきたのだ。


 ガツンという鈍い音ともに、ユナは後ろに倒れた。翔太朗が上から覗いた時には既にユナは渦巻状に目を回して気絶していた。


「しょうがないな。もう」


 すると、ユナを背負って男を見せる翔太朗はそのまま、自宅のアパートにユナを連れて行き、アパートの玄関を開けた。


「うわっ! どうした翔太朗!」


 ビックリして声を高くしているのは翔太朗の父親、崇文だった。彼は眼鏡を外して、翔太朗の背負っている何かを確認して、それで仰天したらしい。


「外国の女の子がフライパンで気絶しちゃったから助けたの」


「んんん。突然の事でさっぱり分からんが、とにかく氷で冷やしてあげよう」


 崇文は急遽布団を用意して、布団の上にユナを降ろすように指示していた。翔太朗は父親に言われた通りにユナを布団の上に置いて、頭に氷袋を乗せてあげたのだった。


「これでいいの?」


「うん完璧だ。多分……」


「良かった。早く目が覚めるといいね」


 満面の笑みでそう言う翔太朗だった。


「ところで、彼女の名前は何?」


「ユナ」


「ユナか。確かに外国の名前だね」


「機械と一緒に空から落ちてきたの」


「空からだって!? それはどうしたんだろう」


 崇文は顎に手を当てて不思議そうに「うーん」と頷いていた。


「ねえねえお父さん。お腹すいた」


 宿題を忘れて18時まで居残りをさせられていた翔太朗はとっくに腹がぺこぺこで。それをお父さんに伝えた。


「そうだね。もう18時30分だから、そろそろ夕飯を食べようか」


「ユナの分も作ってね」


「ハハ、勿論さ」


 そう言って、父親の崇文は台所に向かうのだった。




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