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夢人〜Dreamer〜  作者: chro
26/33

24.夢解(6)〜崩壊〜

◆クラン



「うわあぁーッ!」

 ……人が殺される夢を、見た。

 どこの誰かは知らねぇ。顔も覚えてない。でも、まるで本当に目の前で起こったみたいにリアルで、生々しい感触が体にこびり付いてる。逃げる恐怖の表情、白黒のくせにはっきりと赤い血の色、鋭い牙が貫く肉の柔らかさ、苦痛に歪んだ悲鳴。

(クラン、大丈夫? すごくうなされていたけど……)

 隣で目を覚ましたイオリが、手を動かして話しながら起き上がった。あぁ、今日はイオリの家で泊まったんだっけ……。

「悪い、起こしちまったな」

(また、怖い夢を見たの?)

 恒例の悪夢はいつものことだけど、内容を覚えてたのは初めてだ。オレはキツネかオオカミみたいなでっかい化け物になって、おっさんやら、ちっこいガキやら、ばーさんやらを襲っていた。夢が現実とつながってるなら、キツネもオオカミも写真で見たことがあるだけなのに、しかも動物に化けるなんて、どう考えても関連がねぇ。

(夢だよ。全部、夢。だからクランは心配しないで)

「ん? 別に心配なんかしてねぇよ。夢見は悪いけど、夢で人が死んだからって、現実で死ぬわけじゃねぇんだから……って、おい、どうしたんだよ?」

 誰もいなくてもいつも誰かの目を気にしているイオリが、急に抱きついてきた。

(よかった、(かえ)ってきてくれて……)

 当ったり前だろ。「オレは解夢士(かいむし)なんだぜ? 自分で夢に捕まってちゃ、シャレにならねぇだろ」

 わざと大げさに肩をすくめて笑ってみせても、イオリは顔をうずめたまま、声もなく泣いてた。いくら夢死者(むししゃ)が急増してるからって、イオリこそ心配しすぎだっての。

 なんて強がってみたものの、結局その日は朝まで寝られなかった。うとうとまどろんでも、すぐにまたあの夢の続きを見ちまって、体力は回復するどころかどんどんなくなっていく。ただの寝不足じゃねぇ。徹夜なら今さらめずらしいことじゃねぇし、この疲労感は夢解(ゆめとき)の疲れに似ている。

(本当に大丈夫?)

「おう、薬草炭酸ジュースで元気になったぜ。じゃ、行ってくるわ」

 薬草をより分けるのを手伝いながら、イオリの手料理と特製ジュースを飲んで、いったん夕方にアパートへ帰った。

「かなりうなされたようだな」

 着替えてすぐに仕事に出ようとしたら、台所で鉢合わせしたリーフが顔を見るなり言った。オレ、そんなにげっそりしてるのかなぁ。

「今日は休んでおけ」

「平気だって、これくらい。それに、休めって言われても休めねぇんだよ」

 オレも寝たいのは山々なんだけどさぁ。あくびをしながら夢のことを適当に話したら、リーフが怖い顔して詰め寄ってきた。

「夢の内容を覚えていたのか」

「え? あぁ、まぁな。そっか、だからいつもより疲れちまったのかもな」

「……」

 な、なんだよ。この重い沈黙は。

「イオリもお前も、悪夢くらいで大げさなんだよ。『夢殿(ゆめどの)』のエースをナメんなよ」

「あぁ……そうだな。では今日も、エース殿の仕事ぶりを見せてもらおうか」

 いつもの口調に戻ったリーフは、いつもに輪をかけて仏頂面だった。はん、こいつも最近じゃぁ、ずいぶんと無表情の種類が増えたもんだ。

「お前、オレになんか隠してねぇか?」

「……なぜだ?」

「勘」あ、また笑いやがった。「お前、おとといくらいから変だぞ。むすっとしてるくせに、目が笑ってやがる。気持ち悪いっての」

「そうだな……一つはいいことだから、近いうちにわかるだろう。もう一つは……ときが来れば話す」

 つーことは、二つも隠してやがったのかよ。日が暮れたらかなり寒くなった坂道をくだりながら、結局リーフは何も言わなかった。いずれわかるみたいなら、別に気にしねぇけどよ。もうちっと愛想よく笑ったら可愛げがあるんだけどなぁ。

 『夢殿』についたら、いきなり組長が読んでた夕刊を放り投げてきた。

「昨夜だけで国内で九件。そのうち三件は、悪夢に悩んでいた様子も理由も思い当たらねぇらしい」

「理由のない夢死(むし)……」リーフが受け取った新聞をにらんでうなった。「“聖獣”、か」

「あぁ、間違いねぇ。ヤツが復活してやがる」

 今月もう八十人を超えた夢死者の記事が、一面に大きく載っている。犠牲者は名前を伏せて羅列してるけど、ドンの言う三人がどいつなのか、すぐにわかった。壮年の会社員、幼稚園児、駄菓子屋の老婆……。

「なぜ、わかるのだ?」

「夢で見たヤツらなんだ。オレが、こいつらを……」

 いや、でもそんなハズはねぇ。夢の中でオレが殺したからって、現実に夢死するなんて……夢はただの夢だ。そうだよ、だいたい誰がなんで死んだかなんて書いてねぇし、理由だってまわりが知らねぇだけで、本人は問題を抱えてたかもしれねぇんだ。

「とうとう“聖獣”が現れたそうだね」

 何ヶ月ぶりかで、奥の部屋から出てきたシグルドに出くわした。もともとめったに顔を合わさなかったけど、いつ会ってもこのにやけ顔はムカつくぜ。

「さっきも夢解に行ったついでに探したんだけど、見つからなかったよ。夢魔は消しても、“聖獣”がいる限りは安心できないからね」

「たとえ見つけても、一人でどうにかできる相手ではない」

「そうだな。そのときは君たちを呼ぼう。力はもちろん認めるところだし、もしかしたら、どうにかできるかもしれないから……ね」

 落ちつけ、落ちつけオレ。嘘くせぇ笑顔はいつものことだし、意味不明なことを言うのも今に始まったことじゃねぇ。一瞬だけオレを見た相棒にお叱りを受ける前に、どうにか自分を抑えた。ん〜、オレも大人になったよなぁ。

「戸を壊しておいてか?」

 やっぱりツッコまれるところ、ヤツが帰った後の扉に穴が開いていた。いいじゃねぇか、戸を蹴破るくらいで済んだんだから。

「とにかく、こうなったら一刻も早く“聖獣”を探し出して倒す」

 壊れた扉にも気付かねぇ首領の顔には、いつもの迫力とは違う、ぞっとするくらい冷たい厳しさがあった。“聖獣”が復活してたなんて、いまいち信じられねぇけど……。

「とはいえ、今日は妙な客が来ていてな。まずはそいつを頼みたい」

「なんだよ、どんなビクティムだ?」

 ボスが答える前に、ちっこい子供が入ってきた。

「キリルです。はじめまして」

 肌の色が黒いから東大陸のヤツなのかな。にしては、銀色の髪なんてじじぃじゃあるまいし、変なヤツだ。

「ん? でもこいつ、起きてるぜ? 大丈夫じゃねーか」

「あなた達を待ってました。今から見る夢に来てください」

 キリルはオレとリーフをじ〜っと見てから、いきなりそれだけ言って、さっさと奥の部屋へ行っちまった。ったく、最近の若いヤツは……。これから自分で悪夢を見るなんて言うつもりかぁ? わけわかんねぇぜ。

「じつはな、昨日、夢を見た」

 すぐにオレ達も行くのはシャクだと思ってたら、ウィルドの旦那がぼそっと言った。

「途中からしか覚えてねぇんだが、黒いなんかが遠くに見えたと思ったら、ガキが横から出てきてオレを引っぱっていって、『明日、また来る』とだけ言って消えちまった。……予告どおりに現れたキリルのDNAを念のために調べてみたが、エラン=ヴィタール螺旋はなかった」

 正夢とか予知夢とか、夢と現実の接点がよじれてつながりが曖昧になることはあるけど、二つの世界を行き来できるのは特殊な遺伝子を持つ解夢士しかいねぇ。でも、あのガキは解夢士かどうかっていう以前に、なんかが違う……目つき? 雰囲気? ……うまく言えねぇけど、妙な匂いがする。

「とにかく、行ってみればわかる」

 ずっと黙って考えこんでたリーフが、それしかねぇ結論を出して、オレと組長は何も言えずに顔を見合わせた。


 雷が鳴り荒れる岩だらけの谷で、本当にキリルが待ってた。

「やぁ、来てくれたんですね」

「オレらの指名料は高いぜ?」

 キリルはにこにこ笑うだけで、岩の上から動かなかった。自分が夢の核になるのは悪夢の場合でよくあることだけど、意図した夢を見てそこに他人を招待するなんて芸当、聞いたこともねぇ。

「お前には訊きたいことが山ほど……」

「訊きたいことは三つ」

 せっかくびしっと言ってやろうとしたオレを押しのけて、リーフが前に出てきた。

「まず、俺たちを待っていたという理由。次に、この夢とお前のつながり。最後に……お前は何者だ?」

「順を追って話します。すべて、今ぼくが話せることは」

 引っかかる言い方しやがるな。引っかかるっていやぁ、“獣”がいる気配こそねぇけど、この夢、なんかおかしいぞ……何がだ?

「さっき紹介にあったように、ぼくの名前はキリル。最後の質問から答えることになるけど、ぼくはミヌイ族です。現実世界の人間、あなた達のことをミディと呼ぶのに対して、自分たちをそう呼んでいます」

「その言い方では、お前は現実の人間ではない、と言っているように聞こえるが?」

「ぼく達は夢の世界の住人です。名前は知らなくても、聞いたことはあるでしょう? クラウス家の末裔である、あなたなら」

「……それが、最初の問いの答えというわけか」

 目を細めたリーフが鋭く言ったのは、疑問じゃなく断定だった。こいつはいつでも本気だけど、今回はマジで殺気がシャレになってねぇ。そりゃそうだろう。夢の住人とかわけのわかんねぇこと言って、その上リーフの裏の顔を知ってるっていうんじゃ、自分で不審者だって言ってるようなもんだ。

「で、お前は知ってるのか? その……なんとか族」

「聞いたこともない」リーフは即答してから、ちょっと考えた。「だが確かに、夢の世界に生きる一族の存在は、先祖の古い手記で見たことがある……」

「でもよ、そんなのがいるなら、今まで誰も会ったことねぇなんて、おかしくねぇか? ただの夢の核か、記憶の登場人物だろ」

「いいえ、ぼく達は確かに存在しています」横から口をはさんだキリルは相変わらず笑ってた。「夢も現実も表裏一体、誕生の歴史は同じようなものなんです」

 キリルの話は、古代史と地学と生物学を足して三で割って十をかけたみたいな……ようするに、オレにはほとんど理解不能だった。途中からは、何語をしゃべってるのかも怪しくなってきたくらいだ。

「――つまり、この星に誕生した生物が進化する過程で、理想とした形が夢の世界を創った、と?」

 おー、なんて簡潔な。リーフのヤツ、あのチンチクリンな説明をたった一行半にするとは。

「なるほど、それで強力な夢魔は獣の姿になるのか」

「え、え? 何が『なるほど』なんだ?」

「そしてその後、現実と同じく生態系の頂点として、お前たちが現れたのだな」

「ぼく達は固定されていないこの不確定な世界で唯一、自我を持った確かな存在なんです」

 二人の間でどんどん話が進んで、オレにわかったのは、夢に人が住んでるのは本当らしいってことだけだった。でも、よく考えたらあり得ねぇことでもねぇか。

 オレ達は精神だけで夢に出入りしてるとはいえ、こっちで傷ついたら残してきた現実の体も痛むし、何より悪夢に捕まったり夢死したりなんて事件が、実際に毎日のように起こってる。夢が確かに存在するもうひとつの世界なら、そこに誰かがいても不思議じゃねぇわな。

「では、クラウス家の者として俺に用件があるのならば、なぜ初めから俺の夢に現れなかったのだ?」

「あなただけじゃなく、そっちの人にも会いたかったんです」は? オレ? 「理由は、今は言わない方がいいですよね?」

 リーフが黙ってうなずいた。またしても二人だけで納得して、オレは外野だ。オレも指名してるなら、わかるように言えっての。

「ここへ来る前に、いずれ話すと言ったことがあっただろう。あれと同じことだ」

「お前の秘密を、なんでこのガキも知って――」

 絶対に核心に迫る重要なことだと思ったのに、最後まで言う前に地面が大きく揺れて、よろめいて岩に手をついた。地震? んなバカな。この夢の核であるキリルが仕掛けねぇ限り、ここで地震なんて起こるはずが……。

「また、崩壊が始まりました」

 オレが目を向けたら、キリルは自分じゃないと言うみたいに首を振った。

「そもそも、夢は現実のミディが個々に見るものじゃないんです。あなた達が悪夢から連れ戻すために核を消すのは、ただそのミディを夢から切り離すだけで、夢が消えるわけじゃありません。だからこの世界が、ぼくの世界というわけでもないんです」

「それじゃ、こいつは何なんだ?」

 どんどん揺れがひどくなってきて、岩につかまらないと立ってられねぇ。「立てる」と思って足を踏ん張って、意志の力でどうにか夢に逆らった。オレ達の苦労をよそに、キリルは悠々と岩の上に立って、ガキのくせにむずかしい顔で眉をよせている。

「おいっ、崩れるぞ!」

 ほとんど垂直の崖にひびが走って、岩が震えだした。オレとリーフは崖に突き出た石を飛び移って、キリルは岩を蹴ったら糸の切れた風船みたいに浮かび上がっていく。崖の上までたどり着いてから下をのぞいたら、目を疑っちまった。

「谷が……」

 崖は半分くらいから下が、すっぽり消えてなくなってた。ただ崩れただけじゃなく、本当に“ない”んだ。谷底は真っ暗闇の無空間になってる。記憶が途切れた先がこうなってるのは何度も見たことがあるけど、こいつは……。

「これはミディの記憶が関与した不確定要素じゃありません。正真正銘、夢の世界が崩壊しているんです」

 また遠くで地響きがして、雷が落ちたあたりの山二つが海に沈むみたいに消えていった。水平線の向こうの空は、白黒にしても黒すぎる雲が渦巻いてる。

「夢が崩壊するとは、どういうことだ?」

 こういうとき、嫌味なくらい平静なリーフの無表情を見ると落ちつく。かぶりを振ったキリルが、一瞬だけオレを見た気がしたけど、実際にはオレの後ろの海に目をやったのかもしれない。

「ぼくの口からお話するより、ぼく達の(おさ)に会ってください。クラウス家の方にこのことを伝えるよう、ぼくは長の命を受けてきました」

「この近くにいるのか?」

「いいえ、ミヌイ族は今、この世界にはいません。あるときから夢が不安定になって、現実界に避難しているんです」

 現実のオレ達が夢に入るのと逆に、夢の住人たちが現実に来てるんだと、キリルは説明した。こんな浮世離れしたヤツらが、他にも現実にいるってのかぁ? 向かい家の白髪のばあさんも、そのナントカ族だなんて言うんじゃ……ねぇ……。

「クラン!? おい、クラン!」

『早く我を解放しろ』

 三度目の地鳴りが響いたと思った瞬間、いきなり目の前が真っ暗になった。

 誰だ、オレを引っ張るのは? やめろ、放せ……!

 深いところへ落ちていくみたいな感覚の中で、リーフの声に重なって知らねぇ声がかすかに聞こえたのが、この夢での最後の記憶だった。


 目を開けたら、真っ先にごっつい顔がのぞきこんでるのが見えて、ちょっと後悔した。あーぁ、今朝は一番に見たのがイオリで幸せだったなぁ……。

「……んあ? ここ、どこだ?」

「なに寝ぼけてやがる。てめぇ、脳波が途切れたからおっ()んだのかと思ったじゃねぇか! ったく、驚かせやがって」

 飛んできた組長のつばと怒号をよけるために顔を上げたら、強烈な眠気でまた枕に押し戻された。こんな中途半端な椅子ベッドより、アパートに帰ってゆっくり寝させてくれよ……って、駄目だ駄目だ。もう一回寝ちまったら二度と起きられなくなるって、そんな気がして無理やり体を起こした。

「クラン、大丈夫か?」

「おう、お前も還ってたのか……あれ、キリルは?」

「わからない。急にお前が倒れて急いで戻ったのだが、この騒ぎで気が付いたら姿がなくなっていた」

 ボスも外の受付嬢たちも、あのガキがいつの間にかいなくなっていたことには誰も気付かなかったらしい。たぶんオレ達が現実に還るときみたいにフっと消えてたとしても、夢の住人とやらにはアリなのかもな。

「さっきの夢解はどうだったんだ? “獣”がいたのか?」

「いや、“獣”はいなかった。だが、夢の世界で異変が起きているらしい」

 ダルくて起き上がるのがやっとのオレの横で、リーフがさっきの夢のことを首領たちに簡単に話した。簡単に、っていうのは、もちろん自分のことを伏せてだ。

「そしてキリルは最後に……あぁ、これはクランも聞いていなかったな……この異変には間違いなく“聖獣”の影響があると言っていた。しかしまだ復活はしていない。その前兆として、世界のバランスが崩れているそうだ」

「バランス? なんのことだ?」

「それも含めて、詳しく調べてみる必要がある。またしばらく休みをもらうぞ」

「調べるってぇお前、どこでどうするつもりだ? “聖獣”や夢に関する書物は、この国じゃほとんど城にしかねぇんだぞ」

「あぁ、じつは俺の母方の遠い親戚が学者の家系でな。資料を調べるくらい、どうにでもなる」

 どこまで本当なのか、総長をうまくはぐらかしたリーフは、また“引きこもり”を宣言して、足早にアパート(を経由して屋敷)へ向かった。別に心配されても困るんだけど、オレがぶっ倒れたことに全然何も言わなかったのが、あいつにしてはちょっと変な感じがした。

 夢が崩壊、か……。ドンも『夢殿』の書庫に駆け込んでいったから、オレはそのまま寝ないように寝転びながら考えた。現実でも災害やら異常気象が続いてるけど、やっぱつながりがあるからには関係してるのかなぁ。森林浴と花見が好きなオレとしては、環境破壊はそろそろやめてほしいところだ。

 いや、世界を憂うなんて崇高なことやってるより、自分の体調を心配した方がいいか。さすがに夢の中でまでぶっ倒れるのはヤバいぞ。

「そういや……」

 倒れる前に、なんか声がしたような……聞き覚えがあるような、ないような……。おいおい、幻聴まで聞こえてきてるようじゃ、いよいよオレも年貢の納めどきか。

「総長、オレもちょっくら休むわ」

 ヘッドの返事はなかったけど、まぁ聞こえてるってことにしておこう。二,三日イオリと海とか山とかで息抜きしたら、すぐに元気になるだろ。



「……ついに、崩壊が始まった」

「ミヌイ族が本体に接触してきました。ついに動き出すようです」

「本体の様子はどうだ?」

精神喪失(ブラックアウト)の頻度が増えていて、危険な状態です」

「一刻も早く鍵を見つけ出せ。オレは夢の補填を続ける」

「マスター、これ以上の干渉は……」

「オレなら大丈夫だ。二度と夢を現実の犠牲にはさせない」


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