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鉄パイプと私
佐藤は、鉄の棒に触る。
鉄特有の冷たさ、厚み、重みを感じるこの瞬間が好きだ。
そのまま、手をかけ、持ち上げ、勢いをつける。
インパクトの瞬間は力をいれることが重要に見えるが、力を抜くことが大事なのだ。
「ビュン。」
頭から汁が飛び散る。反動で体が痺れる。腹がムカムカしてくる。だが気持ちが良くて辞めない。
連続して何回も振り上げ、振り下ろす。
自分と世界の境目が無くなるまで、彼は行為を辞めない。
【回答】
彼は手をかけた。鉄棒に。
彼は持ち上げた。体を。
彼は勢いをつけ始めた、そして回る瞬間、力を抜いた。
彼は後方支持回転(空中で逆上がり)をしていたのだ。
一回転目の風を切る感じが一番気持ちよく、脳汁が出る。
回っていると体が痺れていく、特に腹部がムカムカしてくるが、辞めない。
頭を振り下ろし、足を振り上げ続ける。
だんだんと目が回る。自分の見ている世界の輪郭がなくなった時、彼は回転を止めて、家に帰っていく。




