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天文19(1550)年5月5日-その4

「(優也)おお、腹にこたえるいい匂い。今夜はカレーか。このダッチオーブンは何?--おい、バカでかいローストビーフじゃないか。こんなに食えないぜ。」

「(咲耶)あんたの分も含めて私達は、もう外に出してあるこっちの小さい塊。今、切るから。」

「(美香)この大きい塊は、酒盛をするつもりの三郎さんや長の処に持って行ってあげて。醤油の小瓶と生わさびもね。ローストビーフの端を切っておくから、それを使って食べ方を教えてあげて。」

「(優也)わーった。行ってくるわ。」

「(咲耶)勧められても飲んでくるんじゃないわよっ。分かったわねっ。」

「(優也・小声で)ひぇー恐。 ハイハイ。」

「(咲耶)ハイは一度。」

部落の皆が集まっている長の家の前の空き地に歩いていき、優也がローストビーフの食べ方を教えている。長と三郎が真っ先に味見をしたようで、歓声が上がっている。飲んでいけとでも言われたのか、優也は手を振って断りのジェスチャーをして、此方へ引き返して来る。優也が離れた瞬間、ローストビーフの皿は人だかりに隠れて見えなくなり、感極まったかのような声が次々に聞こえてくる。さっきまで居なかった子供達の歓声も挙って、皿の周りに陣取ってガッツいている。

「(優也)行ってきたぜー。腹減った。」

「(美香)はい、お疲れ様。カレー大盛。小皿はローストビーフの分け前とサラダ、福神漬け。」

「「「「いっただきまーす。」」」」

肉体労働をしたせいか、それとも蝦夷地の清浄な空気がそうさせるのか、男子二人はカレー大盛をお代わりして食べ、女子も完食して満足した模様。麦茶を飲みながらダベる。

「(咲耶)テントは中も見たけど、他は何作ってたの?」

「(優也)発電機を動かせるようにして、照明や水回りを設置して、後はトイレと風呂かな。使い方は後で教える。それと飲み水の事だけど、水流ポンプからこのキッチンへはフィルターを通した処理水が来るようにしてある。したがって、その処理水ならば飲んでも大丈夫。知っての通り北海道にはエキノコックス病があるから、冷たいきれいな沢水だからと言って安全に飲めるとは限らない。この小川の水は、部落の人たちがずっと使い続けていたのだろうから云わば人体実験済みで大丈夫かもしれないが、念のため飲むのは処理水か、一度沸騰させた水か、あるいはコンビニから買った水にしてくれ。フィルターは時々交換しておく。トイレと風呂は、いずれも左側が女子用、右が俺ら。ここは野生の地で何があるか分からないから、交代で入ることにしよう。使っていない方は武器を手元に置いて、何時でも駆けつけることが出来るように準備しておく。OK?」

「「「分かった。」」」

「(美香)あまり暗くならないうちに説明して。」

「(秀明)それじゃ、皆で行くか。部落の方でかがり火焚いて騒がしいから、一時テント周りが無人になっても大丈夫だろう。そんな遠くに行く訳じゃないし。各自、LED懐中電灯を持って。」


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